第1戦岡山GT500プレビュー|テストでは日産勢が好調も……3メーカー激戦に?

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第1戦岡山GT500プレビュー|テストでは日産勢が好調も……3メーカー激戦に?
執筆:
2019/04/11 10:00

今年も岡山国際サーキットで開幕を迎えるスーパーGT。ホンダ、レクサス、日産がしのぎを削るGT500クラスの展望を紹介していく。

 いよいよ今週末、岡山国際サーキットで2019年のスーパーGTシリーズが開幕する。GT500クラスは3メーカーが入り乱れる激戦の展開となりそうだ。

 今年もホンダ、レクサス、日産が参戦するGT500クラス。昨年12月のセパンテストを皮切りに各サーキットでテストが繰り返されてきた。3月に行われた2回の公式合同テストでは全15台に加えてGT300クラスも集まり、シリーズ戦同様の合計44台が参加してのテストセッションとなったが、そこでチームやメーカーによっては明暗が分かれる結果になった。

公式テストで流れに乗れなかったホンダ勢、最後の望みは2019スペックエンジン

#8 ARTA NSX-GT

#8 ARTA NSX-GT

Photo by: Masahide Kamio

 昨年、8年ぶりにシリーズチャンピオンを獲得したホンダ勢。今年も3月初旬の鈴鹿メーカーテストまでは他を圧倒する速さをみせていたが、2回の公式テストでは一転して下位に沈む結果となった。

 唯一ミッドシップレイアウトを採用するホンダ勢は、そのハンデとしてバラストウエイトを追加でとうさいすることになっているが、昨年チャンピオンを獲得したこともあり、以前よりも厳しい数値が設定された。

 最低車重は2017年にNSX-GTが登場した時と同じ1049kg(昨年最終戦比プラス5kg)に戻されたのだが、性能調整用のバラストウエイトはGTアソシエイション指定のもので、指定された位置に搭載しなければならない。これが大きなハンデになる可能性がありそうだ。

 ホンダの佐伯昌浩LPLによると、すでに公式テストの段階から想定される条件の状態でテストしていたとのことで、ある程度の対策はできている模様。しかし、今季導入を予定していた新しいフロントエアロは安定性の部分で課題が残ってしまい、今季の採用は見送るなど、開幕直前になってバタバタしているのが気になった。

 今年は苦戦を強いられそうな雰囲気があるホンダ勢だが、開幕戦に向けて伸び代はまだ残しているという。それが「エンジン」だ。

 ホンダ勢は2019年スペックエンジンのパフォーマンスを上げようと、開幕直前まで開発を進めていた影響で、3月末の富士公式テストまで2018年後半に使用していたエンジンを使い続けていたとのこと。昨シーズンはエンジンパフォーマンスで速さを見せていた部分があっただけに、そこから進化した2019年スペックのエンジンに期待が集まりそうだ。

テストで好調な日産勢、今季は王座争いに復活か?

#23 MOTUL AUTECH GT-R

#23 MOTUL AUTECH GT-R

Photo by: Masahide Kamio

 公式テストで速さを見せていた日産勢。昨年は惨敗を喫したが、そこからマシンやエンジンなど全てを見直しパフォーマンス改善に努めてきた。

 特に速さを見せていたのが#12 カルソニックIMPUL GT-R(佐々木大樹/ジェームス・ロシター)。公式テストをはじめ、彼らが参加したメーカーテスト全てでトップタイムを記録するなど絶好調だ。

 また12号車と同じく上位につけていた#23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)も少なからず手応えをつかんでいる様子。彼らは2016年に開幕戦を制しているだけに、岡山との相性は決して悪くない。さらに#3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rにミシュランタイヤを知り尽くすフレデリック・マコヴィッキィが加入したことも大きい。彼のタイヤ開発能力が反映されていけば、シーズン中盤にかけて日産勢は手強い存在になっていきそうだ。

虎視眈々とトップを狙うレクサス勢、ロングランペースではやや有利か

LEXUS LC500陣営

LEXUS LC500陣営

Photo by: Masahide Kamio

 一方、レクサス陣営もトップを狙い虎視眈々とテストで準備を進めていたのが印象的だった。その中で特に速さを見せていたのが#6 WAKO’S 4CR LC500(大嶋和也/山下健太)だ。2018年に山本尚貴のスーパーフォーミュラチャンピオン獲得に貢献した阿部和也エンジニアが今年チームルマンに移籍。彼の加入でチームの雰囲気や士気も一気に高まっているという。それが公式テストでも結果として現れ、3月末の富士公式テストでは2日目のセッション3、セッション4でトップタイムを記録するなど順調な仕上がりを見せていた。

 さらに注目なのが#37 KeePer TOM’S LC500(平川亮/ニック・キャシディ)だ。岡山国際サーキットでの結果が非常によく、37号車としては過去5年全てで表彰台を獲得し、そのうち3度の勝利を挙げている。特に昨年は予選Q1敗退と苦しい状況の中から巻き返したのをみると、今年も表彰台の一角に入ってきそうな存在ではある。

 この他にも今年は層が厚いドライバーラインアップを用意してきたレクサス勢。特にレースペースという部分では自信を持っているだけに、決勝レースが進むにつれて上位に進出してくる可能性が高そうだ。

各車がデータ不足で臨む開幕戦、大混戦になる可能性大!?

雨だけでなく雪やあられも降った3月の岡山公式テスト

雨だけでなく雪やあられも降った3月の岡山公式テスト

Photo by: Masahide Kamio

 ここまで各メーカーの状況を紹介してきたが、今年の開幕戦に関しては少々荒れ模様の展開になりそうだ。

 実は3月に行われた岡山公式テストでは、例年になく不安定な天候に各チームが振り回され、有益なデータを収集できなかった。特に開幕戦に向けてのタイヤ選択という部分では、気温と路面温度がかなり低かったこともあり、各陣営とも頭を悩ませていたのが印象的だった。

 それだけに、開幕戦は本当に予想ができない荒れ模様の展開になる可能性もあり、実際にはレースウィークが始まってみないとどのメーカー・チームが主導権を握るのかが分からない状況なのだ。

 開幕戦に向けては各ドライバーも混戦になると予想しており#37 KeePer TOM’S LC500の平川亮は「3メーカーとも拮抗していて、開幕戦は面白くなると思います」とコメント。#1 RAYBRIG NSX-GTのジェンソン・バトン も「レースペースに関しては3メーカーともほとんど一緒な気がする」と接戦を覚悟している様子だった。

 また決勝日は雨予報が出ており、さらに予想困難なレース展開が待ち構えていそう。いずれにしても、チェッカーフラッグが振られる瞬間まで目が離せない開幕戦になることは間違いないだろう。

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この記事について

シリーズ スーパーGT
執筆者 吉田知弘
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