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【特集】R35 GT-Rラストラン 第2回:松田次生「23号車で23勝目をマークした鈴鹿が最も印象に残っている」

2021年スーパーGT最終戦でラストレースを迎えた、GT500の日産GT-R。スーパーGT歴代最多の23勝、その内17勝をR35 GT-Rでマークした松田次生に話を聞いた。

Tsugio Matsuda, #23 MOTUL AUTECH GT-R

写真:: Masahide Kamio

 2021年のスーパーGT最終戦で、現役の座から降りることになったR35GT-R。関係者から必勝を命じられ、一方ファンからもそれを期待されるという、まるで想像を絶するような大きなプレッシャーの中で、性能調整のウェイトハンディを撥ね退けて開幕2連勝を飾り、さらにシーズン中盤にはもう1勝を挙げ、期待に応える格好でデビューシーズンにチャンピオンを獲得した本山哲の、R35 GT-Rに対する惜別の辞は前回紹介した通りだが、その本山からニスモの23号車を引き継ぐことになり、今もニスモのエースを務めている松田次生にも話を聞いた。

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 レースウィークが始まる直前の金曜日、多忙なスケジュールの合間を縫うように囲み取材に応えてくれた松田は「R35 GT-Rにとっては今回(のシリーズ最終戦)が最後のレース。何とか結果を残して(現役を終えて去っていく)GT-Rに華を持たせたいと思っています。僕たちはもう、チャンピオン争いの権利も残ってなくて、失うものは何もないから、この1戦に特化したセットでクルマを持ち込みました。当たればいいレースをお見せできると思いますが、当たらなかったら……」と苦笑した。実際のところ、決勝レースでは後方グリッドから力強い走りで少しポジションアップを果たしたものの、23号車は7位。矢尽き刀折れたラストレースとなっていた。

 R35 GT-Rのデビュー戦を、プライベートの雄、闘将・星野一義監督が率いるIMPULで迎えた松田は、セバスチャン・フィリップとのコンビで、取りこぼしもあってランキング5位(第5戦をパスしたことでパートナーのフィリップが同ポイントの4位)に留まったが、本山組に次ぐシーズン2勝を挙げ、日産の次期エース候補に名乗りを挙げることになったのだ。

 R35GT-Rで2シーズン目となった09年こそ未勝利に終わったが、2010年からは毎年のように勝利を重ねてきた松田は、2014年には再びニスモから呼ばれ、今度はエースカー、23号車のドライバーを担当することになった。そして同年、2勝を挙げて初のドライバーチャンピオンに輝くとともに、翌15年にも2勝を挙げてスーパーGTを連覇。押しも押されもせぬエースとなったのは記憶にも新しい。

 2019年には未勝利に終わったが、昨年はGT-R勢が苦戦を強いられる中、鈴鹿を連覇して2勝を挙げ、今シーズンも鈴鹿を制している。現時点でスーパーGTの通算勝利数では歴代トップの23勝を数えているが、その大半にあたる17勝をR35 GT-Rで記録している。

 それは松田本人も意識しているようで「GT500のキャリアの中で大半をR35 GT-Rで戦ってきて、23勝のうち17回も勝たせてもらった。だからここでR35GT-Rが引退するということがとても寂しいです」と深長な面持ちでコメント。その17勝の中で最も印象的だったのは? との問いかけには「やはり23勝目となった今年の鈴鹿がとても印象に残っています」と即答。鈴鹿では前年から3連勝で、7年ぶりにGT-Rが表彰台を独占した、日産陣営にとっては最高の週末になったのだが、松田の印象に残っているのはまた別の理由だった。「ゾーンに入っていたようにオーバーテイクを連発出来たレース内容も素晴らしかったのですが、23号車で(自身の通算)23勝目をマークしたいと思っていて、それが実現したことで特別な1戦になりました」と顔を綻ばせた。

Tsugio Matsuda, Ronnie Quintarelli, #23 MOTUL AUTECH GT-R

Tsugio Matsuda, Ronnie Quintarelli, #23 MOTUL AUTECH GT-R

Photo by: Masahide Kamio

 “究極のGT-Rオタク”として知られる松田は、ハコスカからR35まで7台のGT-Rを所有。「残念ながらケンメリのGT-Rだけ持ってないんです」と悔しがるが、彼のGT-R愛には半端ないものが感じられる。そんな松田がGT-Rに恋焦がれるようになったのは、グループA時代に大活躍したR32の雄姿が切っ掛けとなっている。「子供の頃から憧れていましたね。星野さんがドライブするカルソニックGT-Rがカッコよくて。だから日産に移籍して3年目、IMPULでカルソニックカラーのGT-Rをドライブすることになったときは本当に感激しました」と目を輝かせながら当時を振り返っていた。

 08年にデビューしたR35 GT-Rは10年にはエンジンがVK45DEからVHR34Aに変更されて完全な09年規定となり、14年と17年には規定変更に則って新型車両に移行しているが、もちろんそれだけではなく毎年のようにブラッシュアップがなされている。このマシンの進化に対してドライバーはどう対処してきたのか? 少し意地の悪い質問を投げかけたところ松田からは意外な言葉が返ってきた。

「日産陣営にも多くの若いドライバーがステップアップしたり、他陣営から移籍してきたりしています。そんな新しいドライバーの(新しいクルマに対する)対応やドライビングを研究させてもらっています。例えば今シーズンだったら松下信治選手が日産陣営に加わっていますが、彼は海外で戦っていたキャリアがあるので、どんなドライビングをするのだろうと興味津々でした。また最近では(佐々木)大樹や高星(明誠)といった若くて速いドライバーにも刺激を受けています」という。つまりR35GT-Rが毎年毎年進化しているように、松田自身も今なお毎年のように、いや日々進化を続けようと研究を続けているということだろう。

 
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