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インタビュー

【インタビュー】ヘイキ・コバライネン:前編 スーパーGTを離れる理由、SARDとの絆

2021年シーズン限りでスーパーGTを去ることとなったヘイキ・コバライネン。「一番の理由は新型コロナウイルスによる渡航制限」と語っていたコバライネンだが、決断の背景を包み隠さず赤裸々に話してくれた。今回はその前編となる。

ヘイキ・コバライネン

ー先月の富士戦でスーパーGTラストレースを終えたことについて

「もちろん、自分の人生において大きな変化だ。僕は7シーズン、つまりF1に参戦していたのと同じ期間、そこにいたことになる。スーパーGTのシーズンは本当に長い。今年は1月19日に最初のテストがあって、そこから開幕戦まで少なくとも隔週でテストだったけど、そんな日々も今年で最後なんだ」

「あの素晴らしいマシンに乗れなくなるのは寂しい。僕の友人のミカ・サロが息子のF4レースを観に富士に来ていたけど、彼はガレージで最新のスーパーGTマシンを間近で見て感激していた。『めちゃくちゃ速そうだな! 良いエンジン音がする、昔ながらのマシンって感じだ』ってね」

「とはいえ、僕はここで7年も走った。スーパーGTで取り組まないといけない事は、特にこの歳になってキツく感じるようになった。それほどの努力をする気力もなくなっていったんだ。スーパーGTはタフな選手権だし、やるなら100%本気で取り組まないといけない。言い換えるなら、もうそんなことをしなくてよくなったという点ではホッとしているよ!」

「長い間(スーパーGTを離れることを)考えていたけど、今年は特に序盤から苦しいレースが続いた。『僕はここで何をしているんだろう? ここは僕が本当にいたい場所なのか?』と思ったこともあった。その後、自分の気持ちの整理がついた。後悔はしていないし、自分の決断に納得している」

ー2016年にチャンピオンを獲得したことについて

「思ったよりも早くチャンピオンを獲得することができた。特に1年目が終わった時は、スーパーGTはF1と違ってとても難しいことを実感していた。SARDはトヨタ陣営のナンバーワンチームではないことも分かっていた」

「多くの人が、何度も優勝やタイトルを勝ち獲っているTOM'Sに行かないといけないと言っていた。TOM'S以外のトヨタ系チームがチャンピオンになった例はあまりないし、それは決して偶然ではない。トヨタ陣営のチームはほとんど同じものを使っているけど、特定のチームだけが優先的にテストできたり、タイヤテストを多くできたりと、裏では静かなヒエラルキーが確かに存在した」

「SARDのテストに呼ばれた時、社長の加藤(眞)さん、当時のチーム監督だった野田英樹さんと会った。とても良い人たちだと思った。僕はそれまでの数年間、F1で悲しい思いをしていた。ケータハムでは2014年のシートが確約されていたのに『君の代わりにペイドライバーを起用する』とテキストメッセージが届いたりした。だから日本に行く時は、何をするにしても信頼できる人たちと関わりたいと思っていた。SARDの人たちと初めて会った時、とても好感が持てたし、この人たちなら信頼できると思った」

 

「それがスーパーGTに参戦する決め手となった。そして、SARDがトヨタ陣営の中でトップチームでないことも知っていたので、状況を変えるチャンスだと思った。チャンピオンを獲得できたことはチームとして予想外のことだったので、特にうれしく思っている。ただ、その後ももっと勝てるんじゃないかと期待していたので、勝てなかったのは少し残念だ」

「と言っても、結果が出なくともチームと一緒に仕事をするのは楽しかった。トヨタと契約する時、契約書がすべて日本語で書かれていたから、それを翻訳してもらう必要があったけど、それからは1年毎に契約書が送られてきて、数字と日付を確認したらあとはサインするだけ。それはテーブルの向こう側にいる人たちと100%気が合わないとできないことだ」

「それがSARDでスーパーGTを戦い続けようと思った大きな理由だ。チームが勝てないのに、なぜそこに留まるのかと聞かれたこともあったけど、そんな時は『いや、大事なのはそれだけじゃないよ。やれる内に楽しんでおこうと思うんだ! 数年先には、やりたくてもできなくなるんだからね』と答えた」

 

ーSARDでタイトルを獲得した後、移籍を真剣に検討したことはあったか?

「他のチームでスーパーGTに乗るということは考えられなかった。僕は若手のように、どうにか結果を出して実力を証明しなきゃいけない段階にはなかったからね。僕は自分が満足している限り、そこに居続けることができたんだ。とはいえ、ただ走っているだけで幸せだとは思いたくなかったから、一生懸命働き、プロとしての仕事を全うした」

「もっと勝てていたら、そして今年も勝つことができていたら、来年もここに残っていたかもしれない。そういうことも決断の一因になった。今年十分な競争力がなかったのは良いことではなかった。でも基本的には毎年チームと一緒に楽しくいられたし、結果についても後悔はない。自分たちが成し遂げたことに満足している」

ー2016年にタイトルを獲っていなければ、何かが変わっていた?

「かもしれないね……。あんなに早くタイトルを獲れたことは驚きだったし、あれでチーム全体から少しだけプレッシャーが抜けたのかもしれない。自分たちにできる努力は最大限できたと思いたいんだけど、それを何かで証明することはできないからね。この数年、メンバーが入れ替わったりもしたけど、関係者全員が常に努力してきたと感じている」

(後編へ続く)

 
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