【スーパーGT】明暗を分けたピットストップ……勝利を逃した37号車KeePerの平川が当時の状況を語る
37号車KeePer TOM'S GR Supraの平川亮は、スーパーGT開幕戦の勝敗を大きく左右したレース中盤のピットストップについて、当時の状況を説明した。
Ryo Hirakawa, #37 KeePer TOM'S GR Supra
Masahide Kamio
岡山国際サーキットで行なわれたスーパーGT開幕戦で、レース序盤をリードしていたのはポールポジションスタートの37号車KeePer TOM'S GR Supraだった。代役出場ながら予選でトップタイムを叩き出した阪口晴南が、後続を抑えてトップを走っていたが、レース中盤のセーフティカー出動がその流れを大きく変えた。
33周目に360号車RUNUP RIVAUX GT-Rが1コーナー出口でスピン。これを見た各車は、セーフティカー出動によるピットレーンクローズを警戒してこのタイミングで続々とピットイン。ピットレーンは大混雑となった。
トップの37号車KeePerとそれを追う2番手の14号車ENEOS X PRIME GR Supraも同時にピットインし、共に鼻先から斜めに突っ込むような形でピットボックスにマシンを停めた。先にマシンの向きを正対させ、ピットアウトしていったのは14号車ENEOS。一方の37号車は混雑するピットレーンへの合流に手間取り、36号車au TOM'S GR Supra、39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supraにも前に行かれて4番手に後退した。
阪口から交代した平川は39号車DENSOの中山雄一をパスし、最終的に3位でチェッカーを受けたが、14号車ENEOSと36号車auが展開するトップ争いには加わることができなかった。
平川はレース後motorsport.comに対し、ピットストップ時には実に多くの問題が発生していたことを明かした。
「悔しいですね」
今回のレースを総括するよう求められた平川はそう答えた。
「ピットの時に問題がありました。ひとつではありません。たくさんの問題があったんです」
「まずレース前のミーティングでは、セーフティカーが出た時は前にいる37号車がピットに入ることになってしました。しかしそれが直前になって変わり、(36号車と共に)45度の角度で“ダイブ”してピットストップすることになりました。それで少し時間をロスしました」
「そして、阪口選手は(ドライバー交代の際に)ギヤをニュートラルか何かにしていたんですが、ダッシュボードには1速と表示されていました。だから僕はそのまま発進できると思っていたんですがトラクションがかからず、ギヤを入れるのに苦労しました。ピットストップの前には36号車や39号車に対して10秒以上のマージンがあったと思うので、僕たちはピットストップで10秒以上ロスしたんだと思います」
「さらに燃料を最大限まで入れることができていませんでした。これは昨日(予選日に)ロングランをしていた時にも起こっていた問題ですが、残念なことに僕のスティントで同じ問題が出てしまいました。燃料をかなりセーブしないといけなかったので、どうすることもできませんでした。クルージング以外にできることはありませんでした。満足していません」
そう語った平川だが、彼は燃費走行を強いられたことよりも、狭くて抜きにくいサーキットである岡山でトラックポジションを失ったことが痛かったと話した。
「ピットストップ(でのロス)が苦戦の原因です」
「他のマシンのペースは遅かったのですが、タイヤがオーバーヒートしていた関係でパスするのが難しかったです。パスした後もグリップはありませんでしたし、燃料を節約する必要もありました」
「例え燃料を節約していなくても、パスするのは難しかったでしょう。何故かは分かりませんが、僕の後ろにいた38号車(ZENT CERUMO GR Supra)や17号車(Astemo NSX-GT)も(39号車を)抜きあぐねていました」
今回のレースでは、トヨタGRスープラ勢が強さを発揮。予選ではトップ5を独占し、決勝でもトップ4を独占してみせた。しかし平川はこの結果が今季のGT500クラスの勢力図を反映しているとは考えておらず、今回予想以上に気温が高かったことがトヨタ勢に味方したはずだと語った。
「気温が僕たちに味方したので、ラッキーだったと思っています」
「もし今日の気温がもう少し低ければ、ホンダ勢が強かったかもしれません」
「僕たちは運が良かっただけだと思っています。この結果は(勢力図を)反映するようなものではありません」
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