登録

Sign up for free

  • Get quick access to your favorite articles

  • Manage alerts on breaking news and favorite drivers

  • Make your voice heard with article commenting.

Motorsport prime

Discover premium content
登録

エディション

日本
インタビュー

諦めずに挑み続けた舞台……GT500昇格を果たした大津弘樹「身が引き締まる思い」

2020シーズンのスーパーGTで念願のGT500シートを獲得した大津弘樹。ついに目標としていたトップカテゴリーの座についたのだが、ここまでの彼の道のりは決して平坦なものではなかった。

大津弘樹(#34 Modulo KENWOOD NSX GT3)

写真:: Masahide Kamio

 今シーズン、Modulo Nakajima RacingからスーパーGT(GT500クラス)に参戦する大津弘樹。長年追い求めていたトップカテゴリーのシートを獲得し、まずは関係者に感謝の気持ちを述べるとともに、ここから飛躍していかなければいけないと気を引き締め直していた。

Read Also:

目標にしていた舞台“GT500”

 大津は2018年にスーパーGTデビューを果たし昨年までは道上龍率いる#34 Modulo KENWOOD NSX GT3をドライブ。昨年の第5戦富士では終盤に速さをみせ、3位表彰台を獲得した。またスーパー耐久では#97 Modulo CIVICでST-TCRクラスに参戦。勝負どころでステアリングを握り何度もチームを勝利に導いた。

 そんな大津が以前から目標のひとつにしていた舞台がスーパーGTの花形でもあるGT500クラス。2020年はModulo Nakajima Racingへの加入が決まり、憧れの舞台に立つことが実現した。

「まずGT300に乗っている間は、ずっとGT500に乗りたいと思っていました。だから今回お話を頂いた時はすごく嬉しかったです」

 大津はそう語った。

「僕はずっとGTも乗りたいと思っていましたけど、ドライバーとしてもっと上に行きたいという気持ちがある中でずっとレースをしてきました。その中でGT500は“必ず乗りたい”と思っていたカテゴリーのひとつでした」

「2年間GT300で走りましたが、GT500車両に抜かれたり、トップレベルのバトルを見ていると、その場で自分も戦ってみたいという思いが……どんどん芽生えていきましたね」

「しかもドライバーのラインアップをみても、一流の人たちしか乗っていません。日本であれだけドライバーがいる中でGT500はたった30人。その中の一員になれるというのは……本当に大きいことだなと感じています」

「僕はエリートではない……」決して平坦ではなかったGT500への道のり

 しかし、大津にとってGT500クラスにたどり着く道のりは決して平坦なものではなかった。

 大津は2013年に鈴鹿サーキットレーシングスクールを受講した。この時の同期が坂口夏月や福住仁嶺だった。そこで大津は首席、次席を獲得することができず3番目の成績だったのだが、SRSのサポートで翌年のJAF-F4に参戦した。

「僕は決してエリートではないです。14歳の時にカートでチャンピオンを獲って、16歳までカートをやっていました。でもブランクが空いて……19歳の時まで何も乗らない時期がありました。その数年の差があって、実際には(SRS卒業年度など)同年代なんですけど、歳は自分の方が上になります。

「スクールでも本来ならスカラシップをとって次のステップに行きたかったんですけど、そこでスカラシップをとれませんでした。でも、この年から“SRS枠”というものが新しくできて、そこで僕が初めて乗らせてもらうことができました。そこから優勝したり結果を残すことができて、今につながっています」

 2016年には全日本F3選手権にステップアップし、2年目の最終戦SUGOではTODA RACINGで初優勝を飾った。しかし翌2018年は全日本F3でのシートを失うなど、トップカテゴリーへの道は長く険しいものだった。

 それでも、コツコツと努力を続ける大津に周りが手を差し伸べた。

「自分の中では、これまで“結果を残している”とは言えないのが実情です。F3でも1勝だけに終わりました。でも、そこで道上さんが僕の事を拾ってくれて、道上さんのチームで色々勉強させてもらいました。そういう“巡り合わせ”はすごく大事にしなきゃいけないなと感じています」

「特に道上さんと一緒にGT300で戦った2年間はすごく大きかったです。それまではフォーミュラしか乗っていませんでしたから。スーパーGTはGTカーの耐久レースで、2人のドライバーで同じクルマをシェアします。チームや相方のドライバーに対してのクルマの伝え方などは、(GT300クラスで)学ぶことができたと思います」

「ここに来るまで、色々な方に協力し支援していただきました。みんなの応援がなかったら、今の自分はありません。だから(東京オートサロンでの)体制発表でステージに立つことを想像した時は、身が引き締まる思いでしたね」

ここからが本当の勝負……GT500デビューイヤーへ気を引き締める

 こうした地道な努力と、常に周りへの感謝の気持ちを忘れずにレースと向き合ってきた大津。1月10日に東京オートサロンでGT500体制が発表され、ステージに登壇した時は感慨深い表情をみせていたのが印象的だった。

 だが、その翌日からは表情が一変。早くも“GT500でどう結果を残すのか?”という次なる課題に向き合っていた。

「こうしてステップが上がったら、また次の目標ができます。そういう意味で、気持ち的には安堵感というものは全くありません。もう“やらなきゃ”という感じで、モチベーションが上がっていますし、自分の中ではもっと突き詰めて(ドライビングの)精度を上げていかなければいけないなと思っています」

 大津はそう語った。

「道上さんをはじめ、普段からお世話になっている中野さんや武藤さんからも『ここからが勝負だぞ!』とは、すごく言われています。例えば他の多くのドライバーはGT500に上がってから10年間戦い続けています。まずは一流で居続けなければいけないので、今まで追い求めてきたものをさらに突き詰めて精度を上げていかなければ、ここからさらに進化していくのは難しいかなと思っています」

 すでにチームメイトとなる伊沢拓也とともにメーカーテストに臨んでいる大津。1月末のセパンテストに続いて、先日は岡山国際サーキットでのテストにも参加した。

 改めて2020年の目標を訊くと、大津は“勉強しつつも、その中で結果を出していきたい”という想いを明らかにした。

「まずはタイヤ開発というのがスーパーGTでは重要な要素と言っても過言ではありません。そこに携われるので開発能力を身に付けたいなと思っています。また、このタイミングで車両もFRに変わりますが、クルマづくりという面で言うと、やっぱり今の僕だけでは力が及ばないところもあります。そこは(経験豊富な)伊沢さんと組めるのは大きいなと思っています。

「とはいえ自分も『勉強、勉強』と、いつまでも言っていられる場合ではないです。伊沢さんからクルマ作りを学ばせてもらいながら、自分はとにかく速く走ることに集中して……まずは1勝したいですね」

Read Also:

Be part of Motorsport community

Join the conversation
前の記事 Audi Team Hitotsuyama、2020年は体制一新し好結果を狙う
次の記事 ルノーと別れ、トヨタの次世代エースに。実力で再びチャンスを掴んだフェネストラズ

Top Comments

コメントはまだありません。 最初のコメントを投稿しませんか?

Sign up for free

  • Get quick access to your favorite articles

  • Manage alerts on breaking news and favorite drivers

  • Make your voice heard with article commenting.

Motorsport prime

Discover premium content
登録

エディション

日本