ホンダNSX-GTが富士公式テストで新しいフロントのエアロパーツをテスト
富士スピードウェイで行なわれているスーパーGT公式テストで、GT500のホンダ勢が新しいフロントのエアロパーツのテストを行なった。
2020シーズンの開幕に向けて再び動き出したスーパーGT。新型コロナウイルスの感染防止たいさくのため無観客で行なわれている富士公式テストで、GT500クラスのホンダ勢が新しいフロントのエアロパーツのテストを実施し注目を集めた。
今回は全車がシーズンに向けてフルカラーリングを施しテストに臨んでいたGT500クラス。その中でホンダ勢はセッション1では岡山テストまでと同じ仕様のフリックボックスやフェンダーを装着していたが、午後のセッション2になって#16 RedBull MOTUL MUGEN NSX-GT、#17 KEIHIN NSX-GT、#64 Modulo NSX-GTが未塗装のパーツを装着し走行。#100 RAYBRIG NSX-GTも、カラーリングが施された新しいバージョンのものを装着してテストしていた。
これについて、ホンダの佐伯昌浩ラージプロジェクトリーダーに急きょ電話取材という形で確認したところ、岡山テスト時とは異なる新しいバージョンのものをテストしたことを認めた。
今シーズンは新型コロナウイルスの影響で開催スケジュールが変則的なものとなり、全8戦のうち4戦が富士スピードウェイで開催される。それを意識した“富士対策バージョン”を用意したのではないかと思われていたが、それについて佐伯LPLは「そうではない」と否定。以前から開発を続け試行錯誤してきた中で新しく出来上がったものだったと語った。
「あの部分はメーカーごとに(パーツを)開発できる領域ですが、なかなか『これだ!』というものができなくて……。前回のテスト(3月の岡山公式テスト)でも、あまり良い感触を得られていませんでした。それで試行錯誤を続けた中で新しいものができたので、今回比較テストを行なってもらいました。富士スピードウェイでのレース数が増えたから、その対策をしたというわけではありません」
そう佐伯LPLも語る通り、特にフロントのフリックボックスの開発に関してはホンダ勢は力を入れており、シーズン前のテストで試行錯誤する姿がみられた。昨年も全く新しいものを開発して話題を集めたが、マシンが繊細になり安定感に欠ける部分があるとして、結局は2019シーズンの実戦導入は見送られた。
なお新バージョンを2020シーズンに実際に導入するかについては、現段階でまだ決定していないそうだ。
実際にテストをした手応え等については具体的なコメントは得られなかったが、新パーツを装着したセッション2では#100 RAYBRIG NSX-GTがトップタイムを記録し、#17 KEIHIN NSX-GTが3番手につけたところなどを見ると、少なからず効果が出ているように感じられる。
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