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ル・マンやインディのような世界的レースを日本でも! “進化版”鈴鹿1000kmの誕生に期待:英国人ジャーナリスト”ジェイミー”の日本レース探訪記
日本を拠点に活動するmotorsport.comグローバル版のニュース・エディター、ジェイミーがお届けするコラム。今回のテーマは、6月のル・マン24時間を現地取材したジェイミーが感じたことについて。

Jamie Klein
編集: 2023/08/17 8:15
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先月、私はル・マン24時間レースの100周年大会を取材しました。そこには32万5000人ものファンが詰めかけ、そこで展開されたフェラーリ、トヨタをはじめとするハイパーカークラスの壮絶なバトルに酔いしれていました。
その中でも特に私の心に残っているのが、インディカーのパドックで働くアメリカ人の友人が、1週間の休暇を取ってまでル・マン24時間の観戦に訪れたということでした。彼はモータースポーツの世界で働く人であるにもかかわらず、今年のル・マンを何としても見たいという思いが強く、高い旅費を払ってまで大西洋を渡り、いちファンとしてそこにやってきたのです。
Photo by: Josh Tons / Motorsport Images
実は私も、数年前に純粋なファンとしてインディ500を観戦しに行ったことがあります。今年のインディ500は33万人が訪れましたが、私が見た2016年のレース(第100回大会)では35万人もの観客が集っていました。
ル・マンとインディ500はヨーロッパとアメリカにおけるモータースポーツの宝であり、F1モナコGPと並んで世界三大レースに数えられます。その歴史と伝統を考えれば、多くのファンを惹きつけるのも不思議ではありません。
日本に目を向けてみると、鈴鹿サーキットでのF1日本GPは全盛期に30万人を超える観衆を集めていました。しかし、真の意味で日本独自の、熱狂的なファンもにわかファンも両方楽しめて、ヨーロッパやアメリカのファンも現地に行きたくなる、そういったイベントがないことを残念に思います。
とはいえ欧米にいる同僚からは、日本のスーパーフォーミュラやスーパーGTが大好きで、特にその車両に魅力を感じるという声を日常的に聞きます。ただその憧れが、わざわざ日本に足を運んでレースを観るというところに結び付いていません。スーパーフォーミュラやスーパーGTに、ル・マンやインディ500のような“必見”のイベントがないことも関係しているのではないでしょうか?
そもそも、なぜル・マンやインディ500が必見のイベントなのか? 言うまでもなく、ル・マンはWEC(世界耐久選手権)の他のイベントより圧倒的にレース時間が長く過酷。他選手権からの参加も多くグリッドは華やかとなり、夜間の走行がその壮大さを演出します。インディ500は平均時速370km/hを超える圧倒的なスピード感があり、“レジェンド”と呼ばれる名選手が1戦限りの復帰を果たす点も魅力です。
そしておそらく最も重要なのは、どちらのイベントも真の意味でモータースポーツの「祭典」としての存在感を演出し、1週間以上に渡って開催され、そこにクルマ好きが一堂に会してその雰囲気を楽しんでいる、ということです。
日本でそれを再現するのはさすがに不可能だと言われるかもしれません。確かに、100年の伝統を一朝一夕で作り上げることはできません。しかしオーストラリアのバサースト12時間やアメリカのプチ・ル・マンの例を見ても、然るべき開催地で然るべきレースを開催すれば、比較的新しいイベントでも人気イベントとして定着させられることを示しています。
日本でも、歴史があり、なおかつ復活に向けて機が熟しているイベントがあります。それが鈴鹿1000kmです。
2018年に鈴鹿1000kmの事実上の後継レースとしてGT3を中心とした鈴鹿10Hがスタートしたのは、そのレースを国際的なイベントにするためでした。しかし、残念ながら軌道にのることはありませんでした。スパ24時間、ニュルブルクリンク24時間、バサースト12時間など、同様のフォーマットのレースが世界中にありふれていることもその理由のひとつかもしれません。
そこで私が提案したいのは、ル・マン・ハイパーカーより速い世界最速の“箱車”、GT500を中心として鈴鹿1000Kmを復活させるということです。それも、以前のように単純にスーパーGTのシリーズ戦のひとつとして開催するのではなく、既存のGT500車両にGTワールドチャレンジ・アジア(GTWCA)に参加している約40台のGT3車両を組み合わせ、約55台の壮大なグリッドを作り出すのです。
これを提案する理由はふたつです。ひとつは、GT500とGTWCAの車両が混走することにより、GT500のドライバーは通常のレースとは違った難しさを乗り越える必要が出てくる、ということです。ル・マンでも、最高峰クラスのドライバーは見慣れないチームを相手にしないといけませんし、いつもより多い台数のトラフィックに対処しなければいけないので、それがレースを難しくしています。
もうひとつは、GT300のチームが参戦しないことで、GT300のドライバーたちがGT500チームのサードドライバーとしてエントリーできるという点です。レースには3人のドライバーの登録・出場を義務とすれば、気鋭の若手ドライバーや、かつてGT500で活躍したレジェンドドライバーと既存のドライバーとの夢の競演を見ることが出来ます。
そして海外からのドライバー参戦も期待出来ます。あのジェンソン・バトンも、初めてのスーパーGT参戦は鈴鹿1000kmでした。例えば各メーカーが一定数の外国人ドライバーを起用する義務を設けたら、トヨタのWECドライバーやホンダのインディカードライバーがゲスト参戦するかもしれない……そんな妄想も掻き立てられます。
以上のような要素を盛り込むことで、鈴鹿1000kmは国内最高峰のスーパーGTのレースでありながら、他のイベントとは一線を画す、国内外を問わず多くのファンの注目を集めるレースになるのではないでしょうか? そうすれば、アメリカやヨーロッパからわざわざ足を運ぶ熱狂的なファンも出て来るでしょう。
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