【スーパーGT】REAL RACING“復帰”の松下信治はチームに何をもたらす？　金石監督は「化学反応」と「有言実行」に期待

　2022年、Astemo REAL RACINGに加入してスーパーGTを戦う松下信治。GT500は2年目、そしてホンダ陣営で同クラスを戦うのは初めてとなるが、金石勝智監督率いるREAL RACINGは松下が2014年に全日本F3（現スーパーフォーミュラ・ライツ）でチャンピオンを獲得した『HFDP RACING』の母体であり、彼にとってはある意味古巣に“復帰”を果たした形となる。

　金石監督は、松下を若手の頃から見て評価していた関係者のひとり。彼は当時の印象を次のように語った。

「彼は貪欲さがあります。あと負けん気が強いですよね」

「その負けん気が強すぎるあまり、F3の1年目ではタイヤをダメにしてしまったレースもありました。ただ、それをある程度コントロールできるようになったので（2年目に）チャンピオンをとれたのだと思います」

「イケイケで攻撃的な感じが出過ぎる時もありますが、それが多少なりとも落ち着いて戻ってきてくれたと思っています」

　松下は1月下旬に鈴鹿サーキットで行なわれたテストでREAL RACING加入後の初仕事を終えた。彼はそこでNSX-GTを初ドライブしたが、金石監督は松下が見せた順応性の高さには目を見張るものがあったといい、「彼の才能は元から買っていますが、年齢と共に経験値を積んで、その才能に磨きをかけて戻ってきたなという印象です」と口にした。

　また金石監督がチームにとって「新鮮味があった」と語ったのは、松下のメンタリティ。勝利に貪欲で妥協を許さない松下は、チームに対しても物怖じせずに意見や要求をするタイプであり、これはF3時代から変わっていないという。金石監督は、そんな松下が加わることにより、ここ数年惜しいところでタイトルを逃しているチームに良い“化学反応”を起こして欲しいと考えているようだ。

「うちに帰ってきてくれてまだ1回しか仕事をしていませんが、物怖じせずに言うというスタイルは変わっていませんでした。でも良い仕事をしてくれると思いますし、化学反応を起こしてくれたら良いですね」

「あとはどこまでのレベルで言うか、ですよね。言いっぱなしはダメだろうし、要求してばかりでもダメだと思います。どこまで有言実行してもらえるか、楽しみにしています」