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インタビュー

「私のレース人生で大きな出来事」高橋国光総監督が2018年を振り返る

2018シーズンのスーパーGT(GT500クラス)で悲願の初チャンピオンに輝いたチームクニミツ。高橋国光総監督が、その想いを語った。

山本尚貴とジェンソン・バトン、そして高橋国光総監督

写真:: 吉田知弘

 例年にない盛り上がりをみせ、毎レース激戦が繰り広げられた2018年のスーパーGTシリーズ。GT500クラスは最終戦での同点対決を制した#100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/ジェンソン・バトン)が初のシリーズチャンピオンを獲得した。これはホンダ勢に8年ぶりの栄冠をもたらすとともに、チームクニミツにとっても参戦25年目でついに掴んだ初タイトルとなった。

 長年にわたりチームを牽引してきた高橋国光総監督は「レース人生の中で大きな出来事のひとつだった」と2018シーズンを振り返った。

 ツインリンクもてぎでのシリーズチャンピオン獲得後も、JAFモータースポーツ表彰式や、スーパーGTの年間表彰、さらにファンミーティングなどのイベントにも出席するなど多忙なシーズンオフを過ごしている高橋総監督。多くのファンや関係者からの祝福の声で、改めて初の栄冠を掴み取ったという実感が湧いている様子だった。

「本当に感無量です。まずは、ここまで多くのファンに応援していただいた皆さんに感謝しています」

「(チャンピオン獲得をお祝する声が)すごいですね。応援してくれている方々の気持ちが伝わってくるというか、これほど(チャンピオン獲得を)待ち焦がれていた方々が多かったですね」

「お客さんの中にも、チャンピオンを獲っていないにも関わらず、ずっと応援してくれていた人が長年いらっしゃって、それをすごく感じることが多々ありました」

「すごく嬉しいのと同時に、なぜもっと早くこういった結果が出せなかったのかなと反省する部分もありました」

「どこのチームもチャンピオンを獲りたいと思っている中で、チームクニミツを編成して以来、初めてのシリーズチャンピオン……こんなに嬉しいことはないです」

 ホンダ勢がGT500でタイトルを獲得するのは、2010年の小暮卓史/ロイック・デュバル以来8年ぶりのこと。その間、ホンダ勢にとっては苦しいシーズンが多かった。

 その苦しい時期をチームクニミツを率いながら経験してきた高橋総監督。だからこそホンダの開発陣を始め、チームスタッフの努力を讃えた。

「我がチームでも小島監督と伊与木エンジニアを中心に頑張ってくれましたし、何より経験がまだ浅いATJのスタッフたちがよくやってくれました。最初は少し心配するところもありましたが、今ではF1に連れていっても通用するのではないかというくらい、立派になってくれました」

 さらに高橋総監督は、2018シーズンの大きな勝因として「ドライバーの相性の良さ」を挙げた。

「ドライバーのふたりも相性がバッチリでした。山本にとっても勉強になったこともあるだろうし、F1で世界チャンピオンになったバトンにとっても、日本のGTレースに出ると言うことだけを考えても、日本にとってはすごいことだったし、彼になかった経験になって、勉強になったのではないかなと思います」

「今のスーパーGTはふたりのドライバー(のレベル)が両方揃わないとダメだと思っています。その点は、他のチームを見ると(レベルの高いドライバーを)両方揃えてやっています。その中で今年はバトンが新たに我がチームに携わってくれるようになりました」

 そう語った高橋総監督は、バトンが最初にチームに加入した時の印象をこのように語った。

「最初は正直……信じられない、夢のような気分でした。『F1でワールドチャンピオンになった人が本当に日本のスーパーGTに出場するのか?』と私も(驚いたという意味で)クエスチョンマークでした。またF1を長年経験してきたこともあって、日本のスーパーGTを(楽観視するなど)少し下に見ている部分があったり、どこまで真剣に携わってくれるのか? という疑問も少しありました」

 しかし、その不安をバトンは良い意味で裏切る。チーム加入直後は周りに合わせることが多く、特に18センチもの身長差がある山本とのシートポジションの共有については開幕前から大きな懸念点だった。最初はバトンも気を遣って妥協していたようだが、シーズンを戦っていくに連れてリクエストも増えていったという。これについては山本も「気がつくとステアリングがどんどん遠くなっていった(笑)」とシーズン後に明かした。

 そんなバトンの様子をみていた高橋総監督は、逆に安心したという。

「(ステアリングポジションの修正を知った時は)実はホッとした。ドライビングに集中し始めるとポジションがすごく気になるようになります。バトンも、ようやく真剣に走り始めたなというのが、伝わってきました」

「あとは山本とのコンビネーションが本当に良かったですね。1戦、2戦レースをやってみて……バトンは真面目ではあるが、山本よりは速くなかったです。きっと(山本とのパフォーマンス差が)元F1チャンピオンであるバトン選手のプライドというか本能に火をつけたのではないかなと思います」

「とにかく真面目に勉強をして(山本のパフォーマンスに)追いつこうとしていました。それに対して山本もバトンから刺激を受けてさらに成長しようとしていました。だから本当に相性が良かったです」

 そして、高橋総監督が一番讃えていたのが“愛弟子”山本の成長だ。

 2010年にスーパーGTデビューした山本。気がつくとチームクニミツの在籍年数は7シーズンに及び、今やチームにとっては欠かせない存在。高橋総監督も彼の成長を見守ってきた。

「昔はよく負けて泣いていた頃がありましたが、その頃から精神的な面やドライビングに関することを当時一緒に組んでいた伊沢(拓也)とともに一生懸命勉強していましたね。その努力が積み重なって、時間とともにどんどん成長していきました」

 山本がまだ若手だったころは、食事の時など事あるごとに自身の経験談を話していたという高橋総監督。しかし、今ではアドバイスをするどころか、逆に山本のドライビングに対する姿勢に感銘を受けることが多いという。

「今では、僕からは何も言わないです。逆に彼から学ぶことの方が多いですね。僕は(現役時代に)彼みたいに、なぜもっと真面目にドライビングに対しての熱意だったりとかクルマへの理解を深めようとしなかったのかなと……彼を見ていて、そう思います。それほど彼の真面目さがすごくドライビングに出ています」

 デビュー当時から育て上げてきた山本と、“元F1王者”の称号におごることなく真剣に戦ったバトン。さらに様々な苦戦を乗り越え、勝てるマシン作りに励んだホンダ、そして現場では常に完璧な作業をこなしたチームクニミツのスタッフたちーー。

 前身の全日本GT選手権を含め参戦25年目にして初のチャンピオンを勝ち取ったチームクニミツ。奇しくも、2018年は高橋総監督が2輪でレースデビューしてちょうど60年目となる節目の年だった。

「勝手ながら、僕にとってはプレゼントをいただいた気分です」と少し照れながら語った高橋総監督。最後に“感謝”という言葉で2018年を締めくくった。

「ふたりのドライバーをはじめ、ホンダやチームのスタッフ、そしてスポンサーをはじめ、応援してくれたファンの皆さん……全ての人に感謝です」

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