LMコルサ、12月に延期のスーパーGT鈴鹿戦で伊東黎明を第3ドライバーに登録。吉本大樹は歌とレースの“同日二刀流出場”?
LMコルサは12月のスーパーGT第5戦で、伊東黎明を第3ドライバーとして起用することを発表した。
#60 Syntium LMcorsa GR Supra GT
写真:: Masahide Kamio
スーパーGTのGT300クラスに参戦するLMcorsaが、台風の影響で8月31日〜9月1日開催から12月7日〜8日開催に延期となった第5戦鈴鹿のドライバーラインアップについて発表。レギュラードライバーの吉本大樹、河野駿佑に加え、伊東黎明が第3ドライバーとして起用されることが明らかとなった。
伊藤はLMcorsaの母体である大阪トヨペットグループのOTG MOTOR SPORTSからの支援を受けてきたドライバーだ。かつては大阪トヨペットがスポンサーを務めるFIA F4でスカラシップ制度『FIA-F4 JAPANESE CHALLENGE』のチャレンジドライバーに選出され、OTG MOTOR SPORTSのエントラントから参戦。2021年にはメーカー育成勢に割って入ってランキング4位を獲得した。
そして伊藤は現在も、OTG MOTOR SPORTSとしてGR86/BRZ Cupに参戦しており、ポルシェ・カレラカップ・ジャパンでは大阪トヨペットのスポンサードの下で参戦して(エントラントはBINGO RACING)連勝街道を突っ走り、シリーズチャンピオンを獲得した。
そんな伊藤はスーパーGT第5戦にエントリーするだけでなく、スーパーフォーミュラ・ライツ(SFライツ)にもLMcorsaから2大会でエントリーすることとなった。これはLMcorsaが力を入れている「育成カテゴリーのサポート」の一環だという。参戦するのは9月14日、15日に岡山国際サーキットで行なわれる第13戦〜第15戦と、12月7日、8日にモビリティリゾートもてぎで開催される第1戦〜第3戦(当初開幕ラウンドとして予定されていたが延期)だ。
ただ伊藤がエントリーしているSFライツのもてぎ戦は、同じく伊藤が参戦予定のスーパーGT鈴鹿戦と日程が重複している。そのため、今後日程の調整が行なわれる可能性は大いにありそうだ。
吉本は“二刀流出場”に?
また現状で“参戦イベント”が被っているのは伊藤だけではない。チームのAドライバーである吉本も、鈴鹿戦が延期となったことで、自身がボーカルを務めるバンド『doa』の20周年ライブツアーと日程がバッティングしてしまったのだ。
doaは先日、2024年いっぱいでの解散を発表したばかり。10月からスタートするライブツアーがバンドとしての最後のライブとなる。そして12月7日(土)には愛知県の名古屋JAMMIN’で昼夜2公演(14時30分〜、17時30分〜)が予定されているが、ここが鈴鹿戦の予選日となってしまった。
伊藤が第3ドライバーに登録されたということで、吉本の動向はますます気になるところだが、彼は自身のSNSを更新し、伊藤の起用に対して「チームの愛ある理解に心から感謝致します」とコメント。さらにこう綴った。
「こんなことは最初で最後ですがハンドルとマイクを同日握ることになります。どちらも100%でいきますんで宜しくお願いします!」
鈴鹿戦の詳細なタイムテーブルについては不明だが、レースウィークの土曜日は通常のフォーマットであれば午前中に公式練習が行なわれ、午後に公式予選が行なわれる。吉本はライブのスケジュールを考えれば予選への出走は難しそうだが、公式練習に参加した後、鈴鹿サーキットのある三重県からライブ会場のある愛知県に移動し、予選は河野と伊藤のふたりに託す……第3ドライバーの追加によって、そういった動きをとることも可能になったということかもしれない。
いずれにせよ、同日にレーシングドライバーとミュージシャンとして観客の前に立つという“二刀流出場”は、吉本にしか成し得ない離れ業。本人にとってはタフな週末となること間違いなしだが、大いに注目を集めそうだ。
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