Modulo Drago CORSE、激動の夏を経て“反撃”の後半戦へ

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Modulo Drago CORSE、激動の夏を経て“反撃”の後半戦へ
執筆: 吉田知弘
2018/09/14 5:08

スーパー第5戦富士での大クラッシュから短期間で復活を果たしたModulo Drago CORSE。鈴鹿10Hでの完走を経て、満を持して今週末の第6戦SUGOを迎える。

#34 Modulo Drago CORSE
#34 Modulo Drago CORSE
#34 Modulo Drago CORSE
大津弘樹(Hiroki Otsu)#34 Modulo Drago CORSE
#34 Modulo Drago CORSE
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#34 Modulo Drago CORSE
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道上龍(Ryo Michigami)#34 Modulo Drago CORSE
道上龍&小暮卓史&大津弘樹(Ryo Michigami and Takashi Kogure and Hiroki Otsu)#34 Modulo Drago CORSE#34 Modulo Drago CORSE
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道上龍&小暮卓史&大津弘樹(Ryo Michigami and Takashi Kogure and Hiroki Otsu)#34 Modulo Drago CORSE
#34 Modulo Drago CORSE
#34 Modulo Drago CORSE
#34 Modulo Drago CORSE
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#34 Modulo Drago CORSE
#34 Modulo Drago CORSE

 スーパーGT第5戦富士で大クラッシュを喫した#34 Modulo KENWOOD NSX GT3。その後に控えていた鈴鹿10Hを含めシーズン後半戦の参戦を心配する声も上がったが、チームはすぐに新車の手配を完了し、再びモデューロカラーのNSX GT3がスーパーGTに帰ってくる。

 今週末、スポーツランドSUGOで行われる第6戦では、これまでと変わりなく#34 Modulo KENWOOD NSX GT3のマシンが到着しているが、ここに来るまでは様々な苦難があった。その中でも、すぐに新車手配を決定し、参戦した鈴鹿10時間耐久レースは、一際大きな注目を集めた。

 全損クラッシュという“悲劇”から、短期間での“復活”、そして鈴鹿10Hでのレースを振り返るとともに、今週末から“反撃”に転じようとしている34号車の夏を追いかけた。

タイムリミットまで数日……“悲劇”から“復活”の舞台裏

 8月4日に行われたスーパーGT第5戦(富士スピードウェイ)の公式練習中にブレーキトラブルでコントロールを失った#38 ZENT CERUMO LC500が34号車に激突。幸い双方のドライバーに大きな怪我はなかったが、マシン後部が大破したNSX GT3はメインフレームに深刻なダメージが及び、第5戦は早々に出走を断念した。

 さらにマシンの損傷がひどく、基本的に修復はほぼ不可能な状態。レースに復帰を果たすためには新車を手配する必要があったが、すぐに鈴鹿10Hが迫っており、時間的な猶予は全くないに等しい状態だった。

 その時の心境と、実際に新車を手配するまでの流れを、道上はこのように振り返った。

「正直……『もう、レースの継続は無理かもしれない』と思った瞬間もありました。でも、どこか手持ち無沙汰になっているチームのみんなの姿をみると、『このままでは終われない!』という気持ちになり、すぐに次のことに向けて行動を開始しました」

「M-TECさんを通じて製造元のJASモータースポーツに問い合わせてもらったところ、新車が2台(イタリアに1台、マレーシアに1台)あるという情報を得られました。そのうちマレーシアにある新車を手配できることになりました」

「マシンが到着したのは8月13日で、実質1週間でメンテナンスとカラーリングを行い、鈴鹿サーキットに持って行きました」

「色々な方々の協力のおかげで、なんとか鈴鹿10Hに間に合うことができました」

 チームも実質1週間弱しかないメンテナンス時間のなかで、マシンを全部バラして不具合がないかを徹底チェック。チョン・ヨンフン監督によると、夜な夜な作業をする日が続いたという。

 その努力の甲斐もあり、週末を通して致命的なトラブルが発生することなく、チームは21位完走を果たした。

 もしかすると、今シーズンこのチームでレースができないかもしれない……。その不安は大津弘樹も少なからず抱えていたとのこと。チェッカー直後のエピソードをこのように語った。

「道上さんもそうですし、メカさんもすごく大変な思いをしていたのを知っているので、レースが終わって皆と握手した時は、ちょっと感動してしまいました。皆すごく嬉しそうだったし、その分大変な思いをしていたんだなと、改めて感じて……少しウルっときそうでした」

 さらに大津は「タイヤの使い方がシビアで大変でしたが、予選でNSX GT3勢の中で一番いいタイムを出せたのが、けっこう自信になりました」とコメント。ここでの経験をスーパーGT後半戦につなげたいと意気込んでいたのが印象的だった。

9年ぶりのコンビ復活:道上&小暮「懐かしかったし、嬉しかった」

 鈴鹿10Hでは、このチームが注目されていた理由がもうひとつあった。それが、かつてスーパーGTでも大きな注目を集めた“道上龍/小暮卓史組”が9年ぶりに復活したからだ。

 今回はスーパーGTのレギュラーメンバーである道上、大津に加えて、普段はGT500クラスに参戦している小暮が助っ人として加入した。

 ここ数年は道上が監督、小暮がドライバーという形で同じチームとして参戦する機会はあったが、2人ともドライバー同士として一緒に戦うのは、2009年以来となる。やはり、レースウィーク中は当時のことを思い出したという。

「普段から見ているので、“一緒に走る”という部分での違和感はあまり感じていないです」

 道上はそう語る。

「2005年に組み始めて、僕が30歳ぐらいで、小暮はまだ23歳ぐらいだったと思います。初めて組んだ時は『すごいやつが来たな』という印象でした。正直……クラッシュも多かったですけど、(アタックが)決まった時はとんでもない速さを見せるドライバーで、僕もチームメイトながら脅威に感じていました」

「改めて、こうして組んだら、セッションの合間とか食事の時とかは昔の話で盛り上がりったりして、とにかく懐かしかったですね」

 一方の小暮は、懐かしいと思いつつも、こうしてドライバーとして一緒のレースを再び戦えることに嬉しさを感じていた。

「スーパーフォーミュラもスーパーGTでも、道上さんとは(監督とドライバーという形で)組んでやらせてもらっていましたが、ドライバーとして一緒にやるってなった時は懐かしいなと感じました」

「やはり印象深いというか、いろんな経験を一緒にしました。僕にとっては初のフル参戦シーズンから、初ポール、初優勝、初めてチャンピオン争いをした時は全て道上さんと一緒でした」

「乗り始めの5年間は……本当に色々なことがありました(笑)。でも、今となっては思い出深いことですし、こうして再びコンビを組むという機会はなかなかないと思うので、こうして今回の鈴鹿10Hで道上さんと一緒に走れたというのは本当に嬉しかったです」

 予選Q2にあたるポールシュートアウトでは、当時のように小暮がアタック担当を務めたが、デグナー1つ目でスピンを喫してしまった。これには小暮も落ち込んだ様子を見せていたが、着実にバトンをつなぐ走りをみせ、チームの完走に貢献した。

“復活”から“反撃”へ……第6戦SUGOで表彰台を目指す

 激闘の鈴鹿10Hから3週間。今週末、チームは再び主戦場であるスーパーGTに帰ってくる。鈴鹿10Hでの完走はひとつのゴールではあるが、彼らの本当のゴールは「スーパーGTで結果を出すこと」でもあるのだ。

 実は、前回の富士ラウンドではNSX GT3とヨコハマタイヤの熟成も進んでおり、走り出しから好タイムを連発。もし、あのクラッシュがなければ表彰台はもちろん、優勝争いに加わる可能性があったほど、自信がある仕上がりだったという。

 今回の第6戦SUGOはコースのキャラクターが違う他、NSX GT3にとっては初挑戦となるコースのため未知数な部分は多いが、34号車は10kgと比較的軽いウエイトハンデで臨むことになり、上位進出の期待も高まる1戦なのは間違いない。これには道上と大津も「ウエイトが軽いので、上位を狙いたい」と意気込んでいた。

 第5戦富士での“悲劇”から、鈴鹿10Hで見事な“復活”を果たした34号車NSX GT3。

 今週末の第6戦SUGOで、いよいよ“反撃”開始だ。

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この記事について

シリーズ スーパーGT
ドライバー 道上 龍 , 小暮 卓史 , 大津 弘樹
チーム Drago Corse
執筆者 吉田知弘
記事タイプ 速報ニュース