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インタビュー

山本尚貴の感謝(2):”恩師”高橋国光「あの時の言葉で成長できた」

2018年のGT500王者に輝いた山本尚貴は、恩師である高橋国光総監督の言葉が自分を成長させていくきっかけになったと語った。

山本尚貴とジェンソン・バトン、高橋国光総監督(#100 RAYBRIG NSX-GT)

写真:: Masahide Kamio

 2018年のスーパーGT(GT500クラス)でシリーズチャンピオンを獲得した山本尚貴。レース後のグランドフィナーレでは「感謝の気持ちを伝えたい人がいっぱいいる」と目に涙を浮かべながら語っていたのが印象的だった。

 その感謝を伝えたい人……そのひとりが“恩師”である、チームクニミツの高橋国光総監督だ。山本は高橋総監督の下で戦ってきた中で、多くの「成長するヒント」を教えてもらったという。

 前身の全日本GT選手権から数えて、参戦25年目を迎えたチームクニミツ。GT500クラスでは名門チームとも言える存在だ。その中で最も在籍歴が長いのが伊沢拓也と山本(ともに7シーズン)だ。

 ふたりがチームクニミツに加入したのは2010年。すでにGT500で3勝を挙げており、ホンダ陣営の次期エースという期待も高まり始めていた伊沢に対し、山本は前年に全日本F3選手権Nクラスでシリーズチャンピオンを獲得したもののスーパーGTの経験はなく、当時はまだ無名に近かった。

「2010年にスーパーGTにデビューさせてもらって、F3からいきなりのGT500に乗るチャンスをもらえたことは、ものすごく嬉しかったです。ただ、今になって思えば……F3から上がってきた無名のドライバーをよく起用してくれたなと思います」

 今でこそミスのない安定した走りで定評がある山本だが、GT500参戦当初は失敗をして勝てるチャンスを逃してしまうことも少なくなかった。その中で山本は2012年の開幕戦岡山でのエピソードを挙げた。

 この時は立川祐路が駆る#38 ZENT CERUMO SC430を、山本が乗る#100 RAYBRIG HSV-010が追いかけるというトップ争いだった。残り2周のダブルヘアピンで山本がトップに浮上。このまま行けば悲願の初優勝かと思われた。しかし立川も意地をみせ、ファイナルラップのバックストレート終わりにあるヘアピンで再び山本を抜き返し、0.5秒差でトップチェッカーを受けた。マシンを降りた山本は悔し涙を流し続けた。

 この時に高橋総監督からかけてもらった言葉が、トップドライバーにまで成長するきっかけになったと山本は振り返る。

「(高橋総監督とのやり取りで)一番覚えているのが2012年の岡山です。最終ラップに入る前に逆転してトップに出て、あと1周逃げ切れば初優勝という場面でしたが……詰めの甘さが出て、立川選手に抜かれて2位で終わりました」

「プロの仕事ができなかったので、普通だったら怒られて当然です。でも、国光さんは『ものすごく良いレースだった!』と褒めてくれました」

「もちろん、あの1戦で逃がした魚は大きかったです。でも、今になって思えば……あの時の“負け”が自分をさらに強くすることができたと思うし、その時の『小さくならずに、思いっきりいけ!』という国光さんの言葉があったからこそ、僕もチャレンジする気持ちを忘れずにやってこれました。だからこそ、今のポジションがあると思います」

 2013年と2014年は童夢レーシングに移籍し、2年間で初優勝を含め2勝を挙げる活躍をみせた山本。2015年にチームクニミツに復帰すると、以前とは比べものにならないほど成長した走りを披露。これには高橋総監督も「昔は山本選手に対して自分の経験を話したりすることもありましたが、今では私が何もしなくても自分で考えて動くようになっています」と感心していた。

 常に暖かい目で見守ってくれる恩師に、いつか恩返しをしたいと思い続けてきた山本。その目標が、今年ようやく叶った。

「たくさん勝てるレースを逃したし、本来なら経験のあるドライバーを起用すればもっと勝ち星を挙げることができたかもしれません。その中でも起用し続けてくれた国光さん(高橋総監督)にいつか恩返しができればなという気持ちで戦ってきました。

「それが今年ようやくタイトルを獲得して……ひとつ恩返しができたのかなと思います」

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