日産フォーミュラEのフェネストラズ、スーパーGTと“兼任”の可能性はあるのか?「日本が恋しい……でも今はFEに100%集中したい」
日産フォーミュラEドライバーのサッシャ・フェネストラズは、来季日産陣営からスーパーGTに参戦する可能性はゼロではないとしながらも、フォーミュラEの活動に集中したいとの意向を示した。
2022年までトヨタ陣営のドライバーとしてスーパーGTのGT500クラスに参戦したサッシャ・フェネストラズは、現在日本を離れ、日産チームの一員としてフォーミュラEに参戦している。
2023年シーズンこそフォーミュラEに専念する形となったフェネストラズだが、彼はかねてより日本で再びレースをすることに意欲を見せており、実際日産ともスーパーGT参戦の可能性について今年初めに話し合いの場を持ったと明かしている。
しかしながら、彼は2年契約の2年目を迎えるフォーミュラEでの活動に時間を割きたいという思いも同時にあるため、来季フォーミュラEとスーパーGTのドライバーを“兼任”する可能性は低いと彼は考えている。
2024年のフォーミュラEとスーパーGTで、現状レース日程が被っているのは1ヵ所。4月に行なわれるローマePrixと岡山でのGT開幕戦だ。ただ、3月のサンパウロePrixも同じ週に岡山テストが開催される可能性があるため、ここでも日程被りが生じるかもしれない。
スーパーGT参戦の可能性について、フェネストラズはこう語った。
「話し合いはしたんだ」
「でも今のところは、ここ(フォーミュラE)に集中したいと思っている。かなりのエネルギーを使うからね。シミュレータセッションたくさんあるし、ミーティングもたくさん。時差ボケだってあるんだ」
「ここで可能な限りベストな仕事をしたいと思っているけど、スーパーGTを走るという可能性もある。ただ現実的に考える必要もある。何をするにしても100%の力で取り組みたいからね」
「実際問題、(フォーミュラEとスーパーGTの)両方に100%集中できるのか? ノーだ。少なくとも(フォーミュラEのシーズンが終わる)7月下旬まではね」
「僕はスーパーGTに是非とも戻りたいと思っている。もしかするとリザーブドライバーというのが良い選択肢かもしれない。でも僕が優先するのはフォーミュラEだし、日産にとってもそうだと思う」
これについて、日産サイドの見解はどうか? スーパーGT日産陣営の松村基宏総監督は、フェネストラズが将来的に同陣営からスーパーGTに参戦する可能性を否定しなかったが、来季すぐに走るという可能性は低いと語った。
「彼が来るかどうか明確なアイデアはありませんが、将来的にフォーミュラEとの兼ね合いがなくなり、彼が来れる状況になれば、我々のドライバー候補のひとりになります」と松村総監督。
「彼が優秀なドライバーであることは分かっていますし、彼がスーパーGTで再び走ることに興味を持っていることも認識しています。しかし現時点では、彼の優先はフォーミュラEだと思います」
「現実的に(来季からのスーパーGT参戦は)かなり難しいでしょう。しかし彼とコンタクトは取り続けます」
スーパーGTでは最高峰クラスで優勝も記録し、KONDO RACINGから参戦したスーパーフォーミュラではランキング2位に入るなど活躍したフェネストラズ。都内に住み、日本語も勉強するなど、日本のレース界に溶け込んでいる様子だった。彼はいずれ日本に戻りたいと語ったが、フォーミュラEではやや苦戦しているとはいえ、レースを楽しんでいると語った。
「いつかは日本に戻り、スーパーフォーミュラやスーパーGTといった日本のレースを戦いたいと強く思っている」
フェネストラズはそう語る。
「日本のファン、日本のマシンも恋しいんだ」
「もちろん、フォーミュラEも楽しんでいる。僕は世界選手権でメーカーを背負ってレースをしたいと思っていたけど、ここに来るまではどうなることかと思っていたよ」
「でも実際のところ、戦略も色々あるし、ドライバーの力も試される。レースも激しい。ドライバーのレベルも高くてとても楽しんでいるよ」
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