2年続けてタイトル争った千代勝正&高星明誠に、もはや“NDDP”の名はそぐわない? 日産は来季体制を明言せずも「彼らは今や育成ドライバーではない」
日産はスーパーGTで2年連続でタイトルを争った千代勝正と高星明誠について、日産のドライバー育成プログラムの名が冠されたチームに所属しているものの、その名がそぐわないほどの活躍をしていると評価した。
2023年シーズンのスーパーGT・GT500クラスでランキング2位となったNDDP RACINGの千代勝正、高星明誠組。惜しくもタイトルは逃したものの、2年続けて王座まであと一歩というところまで迫った。
千代、高星組は昨年こそ同じく日産陣営であるTEAM IMPULの平峰一貴、ベルトラン・バゲット組に敗れたものの、今年は日産勢でシリーズ最上位となった。チーム名にある“NDDP”は「ニッサン・ドライバー・デベロップメント・プログラム」の略……つまりドライバー育成プログラムの名を冠したチームであるが、既に千代と高星は陣営を引っ張る活躍を見せている。
日産系チームの総監督である松村基宏氏は、既に十分な経験と実績を持つ千代と高星には、“NDDP”の名がそぐわないことを認めたが、来季以降のラインアップ変更の可能性については明言しなかった。
Photo by: Masahide Kamio
#3 Niterra MOTUL Z
「千代選手と高星選手は非常に成長しましたし、とても安定したパフォーマンスを見せています。昨年も接触とペナルティによる残念ながらチャンピオンを逃しましたが、(最終戦を迎える段階では)ランキングでトップにつけていました」
松村総監督は最終戦もてぎの直前、そう語っていた。
「ですからNDDPという名前は……彼らはもう育成ドライバーではありませんから、このチームに“デベロップメント”の名前がつくべきではないのですが、未だにそれがついています」
「彼らは将来的にステップアップし、いずれは若手がこのマシンに乗るべきです。ただそれに関しても、我々は段階的にステップを踏んでいく必要があります」
「レースで勝てるチャンスを犠牲にするということは、我々の本意ではありません」
また、ディフェンディングチャンピオンとして今季に挑んだTEAM IMPULの平峰、バゲット組は、後半戦全てでトップ5フィニッシュを記録するなど安定感の高さは見せたが、優勝0回、表彰台1回にとどまりランキング5位に終わった。
1号車MARELLI IMPUL Zが苦しんだのは予選でのパフォーマンス。彼らがQ2に進出したのは1回だけであり、平均グリッドはGT500でワーストとなった。
前年王者の戦いを、松村総監督はこう総括した。
「私としては、昨年のIMPULと3号車のパフォーマンスはそれほど大きな差がなかったと理解しています」
「ただ彼ら(IMPUL)は鈴鹿で最後尾から優勝するという幸運にも恵まれました。しかし今年の彼らはこういった運がありませんでした」
「レース自体は好調なのですが、予選1周のアタックでのタイヤの使い方、気温とのマッチング、ウォームアップなどはステップアップが必要だと思います。3号車の方が予選に向けたタイヤウォームアップやセットアップのレベルが若干高いです。そこが予選での違いです」
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