プリウスPHVの真価発揮はもう少し先? 中山友貴「強くなっていく準備はできている」
#31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTの中山友貴は、開幕戦は万全の体制とは言えないものの、マシンのポテンシャルが楽しみだと語った。
#31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT
Masahide Kamio
岡山国際サーキットでいよいよ開幕を迎える2019シーズンのスーパーGT。今季も激しい戦いが繰り広げられることが予想されるが、なかでもGT300クラスはシリーズ新規参戦のマシンが注目されている。
新たに登場するマシンは3車種。マクラーレンの720S GT3(#720 McLaren 720S)とアストンマーチンのVantage GT3(#7 D'station Vantage GT3)、そしてJAF-GT規定のTOYOTA GR SPORT PRIUS PHV(#30&#31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT)だ。
2台のプリウスPHVのうち、ヨコハマタイヤを履く30号車はハイブリッドシステム非搭載。ブリヂストンタイヤを履く31号車が、スーパーGT参戦車両唯一のハイブリッドマシンとなる。30号車は鮮やかなイエロー、31号車は深い赤が印象的なカラーリングと大きく異なる色分けがなされており、2台の違いは一目瞭然だ。
今季からチームに加入した31号車の中山友貴は、プリウスPHVについてのデータ収集はまだ不十分だと明かした。
「唯一ハイブリッドシステムを積んでいるのが31号車の特徴です」
「初戦から万全の体制で期待ができるというほど、データが取りきれていないというのが正直なところです。でもレースをするごとに強くなっていける準備は整っているので、そこをしっかりと進めて早く上位を争える状態にしたいなと思います」
昨年まで4年間に渡り、マザーシャシーのMC 86でGT300を戦ってきた中山。プリウスPHVとマザーシャシーは、重量の点で大きな違いがあると説明した。プリウスPHVの最低重量は1250kg。31号車はそこに51kgのハイブリッドシステムが積まれる。一方のマザーシャシーは最低重量1100kg。今回のレースはそこにBoP重量として50kgプラスされるが、依然としてその差は大きい。
「ハイブリッドシステムの分もあって、マシンの重量は(マザーシャシーよりも)150kgくらい重たくなっています。乗っていてもそれは感じ取れます」
「それでもコーナリングスピードの速さを活かしていけるのか、逆にブレーキングと加速でタイムを稼ぎ取ってきた方がいいのかっていうのは今後の開発の中で見極めていかないといけません。(ハイブリッドのパワーは)かなり出ているみたいですね」
また、昨年までaprが使用していたプリウスGTはエンジンが車体中央に置かれるミッドシップレイアウトだった。一方でプリウスPHVは、フロントにエンジンを積むFRレイアウトとなる。これまでMR-Sやガライヤなど、ミッドシップのマシンを主に使用してきたaprにとっては、”未知数”に近い挑戦だ。
その点でもドライバーがしっかりとフィードバックしながら、開発を進めることが重要だと中山は話し、マシンのポテンシャルに期待を寄せた。
「しっかりと走って、進むべき方向性を見定めないといけません。それをコントロールするのは、ドライバーが感じ取ったものからのフィードバックが重要になるので、その責任は重大です」
「ポテンシャルはありそうなので楽しみにしています。まずはクルマ自体を仕上げていきたいですね」
昨年は決勝で粘り強いレースを見せ続け、最終戦の土壇場までタイトル争いに絡んだ31号車。まずはこの開幕戦でしっかりと走り切り、躍進の準備を整えることが重要となってくるだろう。
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