二冠達成の山本尚貴「今までにないプレッシャーとストレスだった」

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二冠達成の山本尚貴「今までにないプレッシャーとストレスだった」
執筆: 吉田知弘
2018/11/12 9:55

2018スーパーGT最終戦もてぎで3位に入り、GT500クラス王者に輝いた山本尚貴は、大きなプレッシャーと戦い続けたレースウィークを振り返った。

 ツインリンクもてぎで行われたスーパーGT最終戦もてぎ。スーパーフォーミュラに続きスーパーGTでもタイトルを獲得した#100 RAYBRIG NSX-GTの山本尚貴は、これまで感じたことのないプレッシャーとストレスがあったレースウィークだったことを明かした。

 先月末に開催された2018スーパーフォーミュラ最終戦鈴鹿で自身2度目のチャンピオン獲得を決めた山本。その時点でスーパーGTでもランキング首位につけており、14年ぶり(2004年:リチャード・ライアン)となる国内レース二冠に周囲の期待も高まっていた。

「スーパーフォーミュラのタイトルを獲得して、二冠の可能性が出てきていたのは自分でもわかっていました。それがどれだけ凄いことで、その歴史の中に名前を刻むことができる可能性があるということは、レースウィークを迎える段階から理解はしていました」

「ただ単にGT500のタイトルを獲得するのとは重みが違うな……というのは、ずっと感じていました」

 そんな中で迎えた予選では同点でタイトルを争う#1 KeePer TOM’S LC500より前の2番グリッドを獲得したが、Q2後の山本に笑顔は全くなかった。同じホンダ勢の#8 ARTA NSX-GTに負けたことを悔しがっていた。

「自分を戒めるためにも“悔しい気持ちを持たないといけない”と思っていました。『1号車の前に出られた』と思った瞬間に、どこかチャンスが逃げていくんじゃないかという不安もあって、8号車に絶対レースで勝ちたいという思いを持ち続けていました」

 決勝レース前もSF最終戦のように“自分のゾーン”を作り、スタートに集中していた山本。だが、レース運びは冷静にチャンピオン獲得を見据えて1号車をマークするような戦略と走りに集中した。

「予想以上に8号車がピットに入るタイミングが早かったので驚いたところはありました。本来は彼らが入った次の周とか、前後のクルマの動向をみてピットインをしたかったです。ただ今回はチャンピオン争いをしている中で最も意識しなければいけないのは1号車。僕たちが早めに動いてタイヤ交換をしてしまうと、1号車がタイヤ無交換を選んで僕たちの前に出てくる可能性があったので、どうしても動くに動けなくて、結果的にすごく(スティントを)引っ張ることになりました」

 ジェンソン・バトンが担当した後半スティントはピットから戦況を見守った山本。最後はバトンの実力で逃げ切れたと語った。

「(1号車が)あそこまで追い上げてきたのは、トムスとレクサス勢の強さだったと思います。その中でJB(ジェンソン・バトン)は辛かったと思いますが、最後は実力で踏ん張ってくれました。本当に感謝しています」

 チェッカー後は、緊張から解き放たれたのか大粒の涙を流した山本。ただ、今回の最終戦は“プレッシャー”という言葉では言い表せないほど、非常に大きな重圧に苦しめられたという。

「今週は本当に……今までに感じたことのないプレッシャーとストレスでした。夜もほとんど寝られませんでしたし、(ストレスで)口内炎ができたりとか、いつもと違って自分の身体ではないような気分でした。正直ものすごく辛かったです」

「だけど、これだけプレッシャーのかかる条件下で戦えるドライバーはほとんどいないと思います。その条件下の中で最後まで耐え抜いて(プレッシャーを)超えた先には、誰も感じたことがない世界が見えてくるし、ステップが踏めると思います。そういう経験ができることに対しての感謝の気持ちは……言葉では言い表せないです」

「今回はチームのメカニックやホンダのみんなも『絶対にタイトルを獲得しなければいけない』という状況の中で僕と同じようにプレッシャーを感じていたと思います。その中で誰ひとり失敗することなく最高の環境を用意してくれました」

「こういう素晴らしい環境下でレースができて、本当に自分は幸せだなと思いますし、恵まれた人間だなと思います」

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この記事について

シリーズ スーパーGT
イベント 第8戦もてぎ
ドライバー 山本 尚貴
執筆者 吉田知弘