8号車ARTA、優勝の後で噛みしめる悔しさ。野尻智紀「今日を忘れない」

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8号車ARTA、優勝の後で噛みしめる悔しさ。野尻智紀「今日を忘れない」
執筆: 松本 和己
2018/11/11 13:35

スーパーGT最終戦もてぎで勝利を収めながら、タイトル獲得に届かなかった#8 ARTA NSX-GTの野尻智紀と伊沢拓也は、その胸中を明かした。

 ツインリンクもてぎで開催された2018シーズンのスーパーGT最終戦。ポール・トゥ・ウィンを達成した#8 ARTA NSX-GTの野尻智紀と伊沢拓也だが、優勝後の記者会見では笑顔なく、その胸中を語った。

 予選で驚異のコースレコードを叩き出し、ポールポジションから決勝に臨んだ#8 ARTA NSX-GT。スタートを担当した伊沢はトラフィックの影響を受けながらもトップを保ち、19周終わりと早めにピットストップ。野尻に後を託すと、クリアなところでタイムを稼ぎ出す作戦が功を奏し、リードを拡大することに成功した。終盤は#38 ZENT CERUMO LC500の石浦宏明に迫られる場面もあったが、最後は突き放して今季2勝目を挙げた。

 前戦オートポリスでは、ポールポジションからスタートしながらもうまくタイヤを使いこなすことができず、ノーポイントでレースを終えていた#8 ARTA NSX-GT。それだけに今回はその雪辱を誓っていたが、完璧なレースでシーズンを締めくくって見せた。

「レースが始まる前は正直どうなるか不安なところはあったんですが、20分間のウォームアップでクルマの状態が非常に良くて、ピックアップなどの症状はありませんでした」

 そう伊沢はレースを振り返った。

「オートポリスでは4周目にすでに『(タイヤが)ダメかな』という無線を入れていたんですが、今回はそんな無線を絶対に入れたくないという気持ちでプッシュしていました」

「僕が乗っている間は問題なかったので、後半に向けて野尻選手もその点は問題なくいけたのかなと思います」

 レース後半を走った野尻も「伊沢選手のスティントを見てると、前がクリアな時は後ろを引き離すことができていましたし、モニターに映るクルマの動きも問題ありませんでした。自分のスティント後半も大きくポテンシャルが下がることもありませんでした」と、完璧なマシンを用意してくれたチームに感謝を述べていた。

 一方で、会見場でふたりの顔に笑みが浮かぶことはほとんどなかった。逆転タイトルに向けては、自分たちが優勝した上で#100 RAYBRIG NSX-GTと#1 KeePer TOM'S LC500が共に7位以下でレースを終えるという厳しい条件が必要だったが、伊沢と野尻は『やれることはやった』と自分たちに言い聞かせることなく、悔しいと口を揃えた。

 伊沢にとっては、昨年まで所属していた#100 RAYBRIG NSX-GTがチャンピオンとなったこともあって、悔しさが特に大きかったようだ。

「優勝しかチャンピオン獲得の可能性がない中で、勝つことができたのは嬉しいんです。でも正直100号車にチャンピオンを獲られた悔しさと、自分が昨年までいたチームがチャンピオンを獲っているという悔しさの方が大きいです」

「山本尚貴選手がスーパーフォーミュラとスーパーGTでチャンピオンを獲ったということは、彼の力が素晴らしかったということで、ドライバーとして尊敬もしています。来年は自分たちで獲り返せるように頑張っていきたいなと思います」

 そう語った伊沢と同様、野尻もまた来季のチャンピオン獲得を誓った。

「こういう複雑な思いは正直もう2度としたくないと思っているので、勝てて嬉しい反面、今日という日を忘れることなく、タイトル獲得を目指してまた明日から頑張っていきたいと思います」

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この記事について

シリーズ スーパーGT
イベント 第8戦もてぎ
サブイベント 日曜日 決勝
執筆者 松本 和己