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39号車SARDのコバライネン、例年以上の仕上がりに手応え十分「タイトル獲得のチャンスがある」

2021年のスーパーGT開幕を前にして、#39 DENSO KOBELCO SARD GR Supraのヘイキ・コバライネンは例年以上に充実したテストを過ごせたと考えており、タイトルを狙うチャンスがあると語った。

#39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra

#39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra

Masahide Kamio

 2021年のスーパーGT開幕が目前に迫っている。各チームは開幕戦の舞台である岡山国際サーキット、そして富士スピードウェイで公式テストを実施したが、その中でも好調なチームのひとつが、ヘイキ・コバライネンと中山雄一を擁するTGR TEAM SARDだ。

 彼らがドライブする#39 DENSO KOBELCO SARD GR Supraは、岡山テスト2日目午前に1分18秒181というタイムをマークしてセッショントップに。初日に#16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTが記録した1分18秒121にはわずかに及ばなかったものの、総合2番手となった。また39号車はその後行なわれた富士テストでも総合5番手タイムをマークしており、開幕に向け好調ぶりを見せつけている。

 富士テスト2日目に、これまでのテストでの全体的な印象を問われたコバライネンは「悪くないね」と返し、さらにこう続けた。

「僕たちはタイヤやセットアップについてたくさんのことに取り組んできて、良いところも悪いところもあった。開幕戦に向けてうまくまとめられるといいね」

「フィーリングはそれほど悪くないし、マシンもうまく機能している。大きな問題も起きていないから、大丈夫そうだ。もちろん良い日も悪い日もあるけど、ここ数年よりも良い冬になっていると思う。他のチームと比べても良いポジションにいるんじゃないかな」

 それはつまり、2016年にGT500のタイトルを獲得して以来、最高のプレシーズンになっているということなのか? そう尋ねられたコバライネンは次のように答えた。

「そうだね。今年の冬はこれまでよりもマシンが進歩したと思っている。トヨタ勢の他のチームも強そうだし、トムスはいつも上位にいるから、接戦になるだろう。でも僕たちがそのグループにいられる限り戦うチャンスはあるし、良いポジションにつけていると思う」

 スーパーGT参戦2年目の2016年に平手晃平とのコンビでチャンピオンに輝いて以降、毎年勝利を挙げながらもタイトルには届かなかったコバライネン。彼はこれまでの経験から、スーパーGTは予想不可能なカテゴリーであると認めたが、今季に向けての仕上がりを考えればタイトル獲得のチャンスは十分あると語った。

「スーパーGTはとても予測不可能で、いろんなことが起こる。タイヤのチョイスを間違えれば週末を台無しにしてしまうこともある。でも僕たちのチームの組織、運営はしっかりしているし、優秀なエンジニアリングチームもある。僕たちは弱点をなくそうと頑張ってきたんだ」

「今年の冬にチームと仕事をしてきて、とても楽しめた。良いシーズンのスタートを切りたいけど、大抵重要な局面はもっと後の方にある。いつも最後の1、2ラウンドで勝負が決するけど、今年も同じだろう。ただ、ここまではとても調子が良いよ」

「僕たちには(タイトル獲得の)チャンスがあると思う」

 またコバライネンは、コンビを組んで3年目となる中山雄一についても言及。その資質を高く評価した。

「おそらく、彼はあれやこれやと物を言う他のドライバーと比べて過小評価されている」

Yuichi Nakayama, Heikki Kovalainen, #39 DENSO KOBELCO SARD LC500

Yuichi Nakayama, Heikki Kovalainen, #39 DENSO KOBELCO SARD LC500

Photo by: Masahide Kamio

「彼は寡黙で、どんどん仕事を進めていくタイプだ。でも彼は本当に成長しているし、誰にも負けない速さがある。マシンのことやセットアップのことも分かってきている。彼は良いチームメイトだし、ここにいるどんなドライバーとも肩を並べられる」

「彼は僕と少し似ているかもしれない。ソーシャルメディアでもあまり活発ではないしね。僕たちふたりは少し物静かだけど、チームと共に仕事をすることに集中していて、その結果あまり表には出てこないだけなのかも。とにかく彼はチームにフィットしていて、うまくやっている。良いチームプレイヤーだよ」

 

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