【スーパーGT】“国内2冠”がかかる野尻智紀。山本尚貴という“高い壁”を「登ることができると思っている」
スーパーGT最終戦での逆転タイトルを目指す野尻智紀は、ポイントリーダーである山本尚貴を「高い壁」と表現したが、その壁を乗り越えられる自信もあるようだ。
Tomoki Nojiri, #8 ARTA NSX-GT
Masahide Kamio
2021年スーパーGTもいよいよ最終戦。GT500クラスは1号車STANLEY NSX-GTの山本尚貴がポイントリーダーとなっているが、その山本を猛烈に追い上げているペアがいる。それが8号車ARTA NSX-GTの野尻智紀、福住仁嶺だ。
シーズン前半は噛み合わないレースが続き、第5戦終了時点ではランキング下位に沈んでいた8号車のふたり。しかし、第6戦オートポリスで今季初勝利を飾ると、第7戦もてぎも立て続けに制し、山本と5点差のランキング3番手まで浮上した(ランキング2番手は山本のチームメイト、牧野任祐)。
今回のレースで1号車がポールポジションを獲得できなかった場合、8号車が優勝、すなわち3連勝を飾れば、野尻と福住は自力でタイトルを獲得することができる。ちなみにGT500における3連勝は前例がなく、スーパーGTの前身である全日本GT選手権時代の1998年に、GT300の鈴木恵一、舘信吾組(25号車つちやMR2)が開幕戦から第4戦にかけて中止を挟んで3連勝したのが唯一のケースとなっている。
そんな劇的な形での逆転タイトルが可能な位置にいる野尻、福住組。側から見れば“流れに乗っている”ように見えるが、流れは1戦1戦作り出すものだとふたりは語る。
「過去の流れにすがっていたら、やられてしまうと思います」
そう語るのは野尻。
「過去の2レースに関しては自分たちで流れを作り出せたと思っているので、今回も同じことができるように、ここまで準備をしています」
福住もこれに同意し、次のように話した。
「よく『流れに乗ってるね』と言っていただきますが、毎戦毎戦コンディションも違うので、サーキットが変わってしまえば全てリセットされると思っています。その中でどう流れを作っていくかが大事だと思います」
また、今季のスーパーフォーミュラでタイトルを獲得した野尻にとっては、スーパーGTとの“国内最高峰カテゴリー2冠”がかかっている。それを達成する上で最大のライバルとなるのは、奇しくも2018年と2020年に2冠を達成している山本だ。野尻自身は2冠についてあまり意識していないというが、スーパーGT最終戦では山本という“高い壁”を乗り越えることができるはずだとして、自信をのぞかせた。
「もちろん、GT500は(ホンダ・トヨタ・日産の)3メーカーによる争いで、タイヤメーカーも複数あるのでレース展開の予想は難しいです。最終戦は見落としがないように、細かい部分をいつも以上に意識しながらレースウィークを進めていきたいです」
「壁は高いと思います。チャンピオンの獲り方を一番知っているのは1号車、特に山本選手なので、その壁は高いと思いますが、今まで自分たちが乗り越えてきた壁のことを考えると、その壁を必ず登ることができると思っているので、楽しみです」
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