【スーパーGT】日産/ニスモの車両は“野獣”から“美女”へバトンタッチ。首脳陣が語る『Z GT500』への期待
2022年シーズンからZを投入し、スーパーGTのGT500クラスを戦う日産/ニスモ陣営。首脳陣としては、Zの美しいボディを活かした車両開発をしたいという思いがあるようだ。

日産/ニスモは12月5日、スーパーGTの2022年シーズンを戦うGT500車両を発表。来シーズンからGT-Rに代わり『Nissan Z GT500』で戦っていくことが明らかとなった。
富士スピードウェイで行なわれたアンベールイベントでは、お披露目されたZが早速コースイン。ロニー・クインタレッリのドライブでサーキットを快走した。YouTubeでも配信されたこのイベントにはクインタレッリの他にも、松田次生、平手晃平、そして『2代目・Zの柳田』こと柳田真孝も出席し、新車両への期待感を語った。
松田曰く、Zはシェイクダウンテストを終えたものの本格的な走行はこれからということで、「マシンの開発を担うという点で責任を感じるし、身が引き締まる思い。プライドを持って取り組んで行きたい。初年度でチャンピオンを獲れるよう頑張っていきます」と力強く宣言した。
またイベント後に行なわれた会見では、日産自動車のアシュワニ・グプタCOO、ニスモの片桐隆夫CEOが出席。記者からの質問に答えた。
「GT-Rはドライバータイトルを5度獲りました。負ける時もありましたが、総じて見れば良い戦いができたと思っています。ファンの方々にも喜んでいただけたと思っています」と、GT-Rでの14シーズンを総括した片桐CEO。今回車両変更に至った経緯について次のように語った。
「Zに変更した一番の理由は、新型のスポーツカー“Z”をグローバルでローンチするからです。それに合わせて、レース活動もそれを後押しするクルマに変えよう、ということです」
「新しいクルマに変わるということで、色々な部位を見直し、強化し、どこに行っても勝てるマシンにして、シリーズチャンピオンを獲りたいと思います。日産グローバルのマーケティング戦略も後押ししつつ、お客様に喜んでいただければと思います」
また市販車の『Z』は、日本向けには『フェアレディZ』として親しまれてきた車両であり、今夏発表された新型Zの日本向けモデルも、『フェアレディZ』の名で今冬発表される予定だ。しかし、来季からスーパーGTを戦うZには“フェアレディ”の名が冠されていない。
これについてグプタCOOは「私は、Z(ゼット、ズィー)はそれ自体がアイコンであり、ブランドであると思っている。それ以上の説明はいらないのだ。それがこの名前にした理由だ」と説明。片桐CEOはさらにこう付け加えた。
「スーパーGTというのは、基本的にアジアのレースです。我々としては、グローバルにこの興奮を届けたいのです」
「グローバルな活動としてアピールしたいので、国内特有の『フェアレディ』という名前ではなく、国内を含めたグローバルな名称である『Z』としてアピールしたいという思いがあります」
Zは何より、その美しいボディが特徴と言える。アンベールイベントに参加したドライバーからも、Zのフォルムに関して「かっこいい」と称賛するコメントが多く聞かれた。グプタCOOも、Zの美しさを独特の表現を用いて次のように評した。
「我々のデザイナーと話をした時、『Zは美女、GT-Rはビーストだ』という話になった。つまり、日産には“美女と野獣”、2台の象徴的マシンがあるということだ」
そして片桐CEOは、Zの美しいボディを活かして強いマシンを作っていきたいと語った。
「GT500マシンに関しては、基本的な骨格は変わりませんが、最も変わるのがクルマの形です。(GT-Rと比べると)どちらかというと流線形に近いのがZなので、それを活かした開発、Zの形にあったレーシングカー開発を目指していきたいです」
「空力にはダウンフォース、空気抵抗など様々な要素があり、そういった色んな要素のバランスで速さが決まります。Zなりの引き出し方というものを、ニスモのエンジニアが日々研究しているところです」
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【フォトギャラリー】日産/ニスモの2022年スーパーGT GT500車両『Nissan Z GT500』
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