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スーパーGT開幕戦岡山:ピットロードの大混乱が演出したレース展開の面白さ

岡山国際サーキットで行なわれた2021年スーパーGT開幕戦は、2度目のセーフティカー出動によるピットロードの大混乱が、後半のレース展開を大きく左右することとなった。

Start Action, GT500

Start Action, GT500

Masahide Kamio

 スーパーGT開幕戦・岡山は二度目のセーフティカー(SC)出動時に大半の車両がピットインしてピットロードは大混乱となった。これにより順位を落とした車両もあれば順位を上げた車両もあり、これがレース後半のレース展開の面白さにつながった。

 序盤のレースは、ポールシッターである37号車KeePer TOM’S GR Supra(平川亮/阪口晴南)の阪口を、14号車ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)の大嶋が追いかける展開となり、31周目には3番手の36号車au TOM’S GR Supra(関口雄飛/坪井翔)の関口とは13秒以上のリードを保っていた。

 しかし32周目にレースは大きく動く。82周レースの中盤に近づき、ひとりのドライバーの最低運転距離もクリアになっていた。その1コーナーでアウトラップの冷えたタイヤでスピン&クラッシュした車両がモニターに映されたのだった。

 既に早めのピット作業を済ませていたチームを除く多くのチームが、ここで「ピットイン」の無線を入れたに違いない。この時、コースのどこにいたのかが大きく作用したはず。ダブルヘアピンあたりにいた車両であればすぐにピットインができて、通常どおりピットロードと平行に車両を停止し作業ができたはずだ。

 しかしヘアピンあたりで無線を聞いた車両がピットロードに入って来ても、既にピットロードは大混雑で斜め止めしかできない状態。ピット作業が終わって車両を出そうとしても、一旦後退をさせなくてはならず、さらにここにタイミング悪く後方から車両が来ていれば待たなければならない。うまく後退させてピットロードを進もうとしても、数台前のピットから後退する車両があれば、ピットロードでのロスタイムは加算されてしまう。所定の位置に止めたくてもずれたことで燃料ホースが届かなかった車両もあった。

 そんな大混乱をうまく切り抜けたのが14号車スープラと36号車スープラだった。前半トップだった37号車スープラは、ギヤが何かの理由でニュートラルに入っておらず、平川がスタック。この脇を14号車、36号車、39号車と3台のスープラが抜け出して上位を占めていたのだった。いろいろな予期せぬ出来事が一瞬にして起きてしまい、ここで37号車は無念にも優勝の権利をほぼ失ってしまった。

 しかしここから14号車スープラの山下と36号車スープラの坪井、ふたりによる手に汗握るバトルが展開されていくことになる。リスタート後の44周目、2台には1.2秒程度の差があった。それが48周目には1秒を切り接近。様子をうかがいながらオーバーテイクのチャンスを狙っていた坪井は61周目のヘアピンで並びかけるも抜けず、66周目の同じ場所でも仕掛ける。しかし山下も簡単には譲らない。71周目の1コーナーでも坪井は並びかけるがダートにタイヤを落としてやや後退。さらに74周目はアトウッドから並びかけヘアピンでのブレーキ勝負で坪井が止まりきれずにコースオフ。2台の差は9秒近くまで広がり、勝負がついた。

 山下と坪井は同じ1995年生まれで25歳の同学年。トヨタの育成でしのぎを削って来た間柄だ。なおこのふたり、2017年に山下が、2018年に坪井がそれぞれつちやエンジニアリングのGT300でMC86をドライブしていた。この日の午前中につちやエンジニアリング元代表の土屋春雄さんが亡くなっていた。春雄さんはもしかすると岡山国際サーキットの上で目を細めながらバトルを眺めていたのではないだろうか。

 次戦の舞台はパワーサーキットの富士。昨年はスープラが大の得意としたコースだ。開幕戦の結果でさほどサクセスウェイトを積まずに済んだスープラ勢が、どのような速さを見せるのか? しかし岡山の公式練習まで速さを見せていたホンダ勢も黙ってはいないだろうし、タイヤと路面のマッチングが良ければGT-Rも上位に食い込んでくるかもしれない。2年ぶりの500kmという長丁場。天気もまずまずの予報となっている。

 

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