【スーパーGT】首位走行中の64号車Moduloを襲ったまさかのトラブル……クラッシュ時の火災により車両ダメージも甚大か
スーパーGT第3戦鈴鹿でポールポジションからスタートするも、トラブルによるクラッシュでリタイアに終わった64号車Modulo NSX-GTの伊沢拓也。彼は次戦に向けてマシンが元のパフォーマンスを発揮できるレベルまで修復できるか、少し心配している様子だった。
写真:: Masahide Kamio
鈴鹿サーキットで行なわれたスーパーGT第3戦では、レース序盤から波乱が起きた。5周目のシケインへのブレーキングで、ポールシッターで首位走行中の64号車Modulo NSX-GTがコースを直進。アウト側のクラッシュパッドへと衝突した。悲願のポールトゥウィンを目指していた伊沢拓也の鈴鹿戦は、わずか5周で終了となってしまった。
64号車がコントロールを失った原因は、ブレーキトラブルの模様。中継映像でも64号車がブレーキをかけようとしたと見られるタイミングで、右フロントからブレーキダストが大量に噴き出すシーンが確認できた。ホンダ陣営のラージ・プロジェクトリーダー(LPL)である佐伯昌浩も、右フロントのブレーキにトラブルが起きたことを認めており、伊沢本人も「ブレーキディスクが割れている」と語っていた。
このクラッシュにより火災が発生し、車両付近からは黒煙がもうもうと上がったが、伊沢拓也は無事コックピットから這い出し、事なきを得た。しかし伊沢曰く、マシンがクラッシュパッドに埋もれるような状態となっていた影響で、脱出に手間取ったという。
#64 Modulo NSX-GTのクラッシュにより大きく黒煙が上がった
Photo by: Masahide Kamio
「(コックピットから)火は見えました。でもクラッシュパッドがあってドアが開けられなくて、オフィシャルさんがクラッシュパッドをどかしてくれるまで外に出ることができませんでした。そういう意味ではヤバいかなとは思いました」
なお第1スティントでは、ダンロップタイヤユーザーである64号車と16号車Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTが同じタイヤコンパウンドを選択していたようだが、16号車はタイヤとのマッチングが芳しくなく、笹原右京曰く「ほぼミニマム(最少周回数)でピットに入るしかない」状況だったという。伊沢はスタートから5周目までのフィーリングについて次のように語った。
「車のバランス、ペース含めてすごく良かったと思います」
「ただ、ちょっとピックアップが始まったかな……というタイミングでのクラッシュだったので、あのまま走り続けていたらどうなっていたかは正直分かりません」
悔しいレースに終わった64号車。伊沢は3週間後に行なわれる次戦SUGOに向けて、まずはマシンが完全な状態に戻ることを願っている様子だった。
伊沢曰く、クラッシュ時のインパクト自体はそれほど大きくなかったようだが、火災が発生したこともあり、マシンのダメージは小さくないというのだ。佐伯LPLも火災の影響を懸念しており、マシンを一旦分解して、次のレースで使える部品があるかどうかを見極めていく必要があると話していた。
「燃えてしまったので車の被害が大きくなってしまいました。外装は少し壊れたくらいなんですけど、衝撃の割には派手(なダメージ)になってしまいました」
そう語る伊沢はSUGOでの展望について次のように語った。
「とりあえず、次のレースを走れる状態にするというのが一番です。これだけ壊れると、直ったからといってすぐに同じように走れるかはわかりません。色んな細かいところを詰めながら開発している訳ですから」
「SUGOがどうなるかは分かりませんが、少なくとも今回非常にスピードがあったので、それを信じて、まずはチームがクルマをしっかりと直してくれるのを待ちたいなと思います」
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