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【スーパーGT】山本尚貴、掴みかけたタイトルをまさかの接触で逃す「どこかで誰かが『牧野と獲れ』と言ってるのかな……」

スーパーGT最終戦で、チャンピオン目前での接触により選手権争いから脱落した山本尚貴。気持ちを切り替え、来季牧野任祐と共にリベンジを果たしたいと語った。

#1 STANLEY NSX-GT

写真:: Masahide Kamio

 富士スピードウェイで行なわれた2021スーパーGT最終戦。ポイントリーダーである1号車STANLEY NSX-GTの山本尚貴は、前半スティントを走った相方の牧野任祐からマシンを受け取ると、好調スープラ勢に割って入り、4番手でレース終盤を迎えた。このまま行けばタイトル獲得……誰もが山本の連覇を信じて疑わなかった。

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 しかし、ドラマは51周目に起きた。山本はホームストレート上で、GT300のタイトル争いを展開する61号車SUBARU BRZ R&D SPORTの山内英輝と55号車ARTA NSX GT3の佐藤蓮を交わし、1コーナーであるTGRコーナーに進入した。しかし、そこで山本のインに飛び込んできた佐藤と接触。スロー走行となった1号車は緊急ピットインし、タイトル争いから脱落した。

 最後は自らの希望でマシンを修復してもらい、コースに復帰して14番手でチェッカーを受けた山本。最終的なランキングは3位だった。まさかの出来事により掴みかけていた王座がその手からこぼれ落ちた格好だが、彼は当時の状況を次のように説明した。

「スバルと55号車が大事なバトルをしていることはチームから無線で知らされていたので、しっかりマージンを持って、真ん中から抜いていきました」

「ブレーキングの際にアウト側のレコードラインに入ることもできたのですが、そうするとスバルがブレーキをちゃんと踏めなくなってしまいます。追突されないためのケアに加え、彼らのバトルを邪魔したくないという思いから、彼らの分のスペースも空けたんです。結果的に、真ん中を走っていたことで(55号車に)イン側に入られてしまい、接触したという形です」

「彼とは直接話をしていないので、クルマのトラブルだったのか、人的なミスだったのか、何が原因だったのかは分かりません。いずれにせよ予想だにしていない出来事でした。(TGRコーナーを)立ち上がった瞬間にクルマがまっすぐ走らなかったので、タイトルはダメだと思いました」

 今回のレースを「一生忘れることのできないレース」と表現し、悔しさをにじませた山本。しかし、この出来事を何とか前向きに捉えようとしている。

「逃した魚は大きいですし、チームとホンダの連覇が途絶えてしまった責任は痛感しています。ただ前向きに考えれば、どこかで誰かが『牧野と一緒に(タイトルを)獲れ』と言っているのかなと思います」

「牧野選手は、自分が(ドライバー)タイトルを獲れないと分かっていても、何ひとつ文句を言わず、チームのため、僕のために頑張ってくれました。こういう結果になったことに関して、そういう風に前向きに捉えて、気持ちを持ち直すしかないのかなと思ったりもします。来年は牧野選手と一緒に、TEAM KUNIMITSUとしてタイトルを取り返したいですね」

 
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