【スーパーGT】トップ快走から一転、ペナルティ絡みで大きく順位落とした8号車ARTA。複雑な状況下で誤解生じ大混乱
スーパーGT第5戦SUGOでトップを快走するも、複数回のペナルティを受けて順位を落とした8号車ARTA NSX-GT。ピットウォールでは混乱が生じ、いくつかの誤解が起きていたようだ。
#8 ARTA NSX-GT
Masahide Kamio
スーパーGT第5戦SUGO決勝をポールポジションからスタートした8号車ARTA NSX-GTは、レース中盤まで首位の座をキープ。今季初勝利に向かって順調に走行を続けていた。
しかし、83周のレースが折り返しを過ぎた頃、8号車にピット作業違反によるドライブスルーペナルティが出された。そんな中、47周目には19号車WedsSport ADVAN GR Supraの車両火災によってセーフティカーが出され、ピットレーンがクローズに。8号車を駆る福住仁嶺はピットレーンクローズが解除された後、53周終了時にセーフティカー先導中ながらドライブスルーを実施したが、その後何周も連続でピットレーンをスルーする8号車の姿が確認されていた。
さらに8号車にはその後、53周終了時に行なったドライブスルー時にピットレーン出口の赤信号を無視したとして、10秒のストップ&ゴーペナルティが科されてしまった。
まさに踏んだり蹴ったりのレースとなった8号車。チーフエンジニアを務めるライアン・ディングルが当時の状況を語った。
「最初のドライブスルーペナルティに関してはピット作業違反によるものだった。左フロントを交換するクルーが外したタイヤが、地面に並行に接地していなかったんだ。タイヤを交換する時には、外されたタイヤが地面に並行に接地している必要がある」
「その結果ドライブスルーペナルティを科された。そして、それに抗議している間にセーフティカーが出てしまった」
「レースディレクターは、ピットレーンがクローズとなっている間はペナルティを消化できないと明言していた。ただ、ピットレーンクローズが解除された時、ここで入った場合にペナルティを消化できるのかについて、チーム内で混乱が生じた。いずれにせよドタバタしている状況だったので、僕たちはとりあえず試してみることにした」
「その後ピット出口の信号が赤になったが、僕たちはそれを(無視して)通過してしまった。それにより、後にふたつ目のペナルティが科された。しかも、この1回目のドライブスルーはセーフティカー中のため、結果的にペナルティ消化にはならなかった」
このように、1回目のドライブスルーがペナルティ消化とみなされなかっただけでなく、その際の信号無視でさらなる規則違反を犯してしまった8号車。つまりこの時点で彼らは、再度ドライブスルーをしなければいけなくなっただけでなく、信号無視でも何らかのペナルティが予想される状態に陥った。
そんな複雑な状況の中、ディングルとレースディレクターの間でさらに誤解が生じることになる。
「そこには僕の誤解があった」
「レースディレクターは(日本語で)『これから2周ドライブスルーしないといけない』と言っていた。僕はそれが『“今から”ドライブスルーを2度しなければいけない』ということだと解釈したんだ。彼が“これから”と言っていたので、最初のドライブスルーは(2周ドライブスルーの1周目に)カウントされていないと思っていた」
「つまり僕は(信号無視による)2度目のペナルティも、その“2周ドライブスルー”に含まれていると思っていたんだ」
「しかし、そのペナルティはまだ発表されていなかった。結局、僕たちは意味のないピットスルーを追加でしてしまったんだ」
様々な事象が重なり、慌ただしいピットワークとなってしまった8号車。今季ここまで幾度となく速さを見せながらも、今季初勝利はまたもお預けとなってしまった。
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