スープラ祭りに始まり、スープラ祭りで終わった2021スーパーGT。トヨタは中盤戦を反省点に挙げるも「最終戦で結果を出せて良かった」
トヨタカスタマイジング&ディベロップメント(TCD)の湯浅和基氏は、トヨタ・スープラ陣営が中盤戦で苦労してきた中で、最終戦にトップ5を独占しタイトルを獲得できたことは良かったとコメントした。
写真:: Masahide Kamio
富士スピードウェイで行なわれた2021スーパーGT最終戦では、トヨタのGRスープラがトップ5を独占。優勝した36号車au TOM'S GR Supraの関口雄飛と坪井翔は、大逆転でシリーズタイトルを獲得した。
開幕戦岡山でトップ4を独占し、ホンダ陣営に“スープラ祭り”と言わしめるパフォーマンスで絶好のスタートを切ったトヨタ陣営。しかしその後はトラブルなどもあり、あと一歩のところで勝利に届かないレースが続いていた。
しかし、直線スピードが物を言う富士スピードウェイで、全車ノーウエイトという条件の下で行なわれた最終戦、スープラは再び躍動した。結果的に1位から5位まで全てがスープラという、今季2度目の“スープラ祭り”でタイトルを手繰り寄せたのだ。
スープラの車両開発を率いるトヨタカスタマイジング&ディベロップメント(TCD)の湯浅和基氏は、「昨年獲れなかったタイトルを獲れたので良かったです」と語り、さらにこう続けた。
「今回に関しては、我々だけが頑張った訳ではありません。チームやドライバー全員が『スープラで勝とう』という思いで臨まない限り、今回のような上位独占はできませんでした。TGRスープラチームの仲間意識の高さを見せられたことが特に良かったと思っています」
今季は開幕戦と最終戦で圧倒的なパフォーマンスを見せたスープラ。開幕戦の舞台は岡山、最終戦の舞台は富士と、サーキットの特性は異なるが、どちらも気温・路面温度の低い時期に開催されたこと、全車サクセスウエイトを積んでいない状態で行なわれたという点は共通している。
湯浅氏は、これらの因果関係について明言はしなかったものの、「逆に言えば、シーズン中盤に上手くいかなかったことが(トヨタ陣営が開幕戦と最終戦の2勝に留まった)要因」と返答。本来はシーズンを通して好調をキープしたかったものの、中盤戦はトラブルなどの影響で歯車が噛み合わず、シーズン2勝目を挙げられないまま最終戦を迎えてしまったという。これについては湯浅氏も「大きな反省点」と語っている。
スープラは最終戦富士でライバルメーカーを凌駕する直線スピードを発揮し、上位を独占した。ホンダ系チームのエンジニアからは、スープラ勢はNSXよりも10km/hほどトップスピードが速かったという声も聞こえてきている。では、この「直線で速いスープラ」という特色は来季以降の車両開発でも伸ばしていくのか? その問いに対し湯浅氏は「色々な戦い方がありますから」とした上で次のように語った。
「我々が富士で最高速のアドバンテージがあるということは、逆を返せば他のサーキットでは有利ではない、という一面もあります」
「例えば、スープラの最高速が速いのだとしたら、それを(ライバルメーカーと)同じにした時にどうなるのかなど、もう一度分析をして、その上で来年のことを考えたいです。(車両特性を別の方向性に)振っていくのもありだと思います」
来季はリベンジを期すホンダ陣営に加え、日産陣営もGT-Rに代わる新たな車両で戦いを挑むことになる。競争の激化が予想される来季の意気込みについて、湯浅氏はこう語ってくれた。
「もちろん、負けるつもりでクルマを作っている訳ではありません。どうすれば勝てるのか? どうすればうまくいくのかということを、常に考えています」
「ライバルもおそらく進化してくると思いますが、開幕には勝てるクルマを並べたいなと思います」
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