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スーパーGTで鮮烈な印象を残すルーキー、『大草りき』って何者? 躍進のキーパーソンは安田裕信……海外志向も強い野心家

国内最高峰カテゴリーであるスーパーGTに彗星の如く現れたルーキー、大草りき。彼のこれまでの歩みや、今後目指すところについて聞いた。

Riki Okusa, #10 TANAX GAINER GT-R

写真:: Masahide Kamio

 今季のスーパーGTでも様々なルーキードライバーが奮闘を見せているが、その中でも特に輝きを放っているのが、10号車TANAX GAINER GT-Rの大草りきだ。

 富田竜一郎とペアを組む大草は、第2戦富士で優勝を飾ると、第3戦鈴鹿では予選Q2暫定トップタイムをマーク(後に再車検違反でタイム取り消し)、そして先日の第5戦鈴鹿では正真正銘のQ2一番時計を記録し、“幻のポール”のリベンジを果たした。

 現在はGT300クラスのポイントランキングでも2番手につけており、ルーキーでの王座獲得も射程圏となっている大草。しかし、彼はホンダやトヨタの育成プログラムには所属しておらず、国内トップカテゴリーであるスーパーGT、スーパーフォーミュラと併催されるFIA F4やスーパーフォーミュラ・ライツでの経験もほぼないままGT300にやってきたため、その経歴はあまり知られていないのではないだろうか。

 今回はそんな大草にインタビューを実施し、“大草りき”というレーシングドライバーの歩みと、彼が目指す未来予想図について探った。

 大草は1999年生まれの22歳。カートを卒業後、トヨタ系のスクールには落選したものの、2019年に受講したホンダ系のスクールである鈴鹿サーキット・レーシングスクール・フォーミュラ(SRS-F/現ホンダレーシングスクール鈴鹿)ではスカラシップ候補の4名まで残った。ただ大草は惜しくもスカラシップを逃した。その時に首席となり、ヨーロッパへ羽ばたいていったのが、現在FIA F2で活躍する岩佐歩夢だ。

「あの年のドライバーはすごくレベルが高く、歴代ファステストタイムが連発していた年でした。その中で最終選考に残れたことは自信に繋がりました。落選した当時は本当に悔しかったですが、前だけ見ようと思っていました」

 大草は当時をそう振り返る。

 SRS-Fで悔しい思いをしたのは2019年。スーパーGTのシートを得るまで2年の空白期間があるが、大草は若手の登竜門であるFIA F4には参戦せず、スーパー耐久で腕を磨いていた。

 これには、カート時代から10年以上の付き合いになる安田裕信の助言があった。そしてそれが、後々スーパーGTの世界で活きてくることになる。

「僕は18歳になったタイミングでS耐への参戦をスタートしました。安田さんが『お前はFIA F4じゃなくて、S耐で修行しろ』と言ってくれて、安田さんが当時加入していたチームに入れていただきました」

「速い車両に道を譲るとか、距離感の取り方などはFIA F4では経験できないことです。そこはS耐を走っていて良かったと思います」

 スーパー耐久ではクラス王者に輝くなど確かな実績を残す中で、2020年と2021年にはフォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップにスポット参戦。特に2021年は、辻子依旦が乗るPONOS Racing45号車のアドバイザーを安田が務めていた縁もあり、辻子が出走しない2大会で45号車からスポット参戦。もてぎラウンドでは3戦中2勝を挙げた。そこで見せた速さが、GAINERでのオーディション参加に繋がったのだ。

 安田を「ひろくん」と呼んで慕う大草だが、自身のレースキャリアの舵取りを担ったと言っても過言ではない彼は「超重要人物です。感謝しかないですね」と語る。

 かくしてGAINERに加入した大草は、前述の通り予選で高いパフォーマンスを発揮しており、開幕戦でも3番グリッドからのスタートで気迫あふれるオーバーテイクを見せるなど、随所で目立っている。

Riki Okusa, Ryuichiro Tomita, #10 TANAX GAINER GT-R

Riki Okusa, Ryuichiro Tomita, #10 TANAX GAINER GT-R

Photo by: Masahide Kamio

「今年の僕のテーマは『目立つ』だったのですが、これだけ速さをアピールできるとは思いませんでした」

「正直、思ったより戦えているなという印象です。ルーキーイヤーのドライバーの中では一番良いパフォーマンスを出せていると思うので、そこは正直ホッとしています。ただ、ここまで良いパフォーマンスを出せているのも、相方の富田さんだったり、(タイヤサプライヤーの)ダンロップさんだったり、GAINERさんだったり、全ての力がここまでマッチしたからこそだと思うので、感謝しかないですね」

 チームの雰囲気も良く、「実家みたいな安心感です(笑)」と語る大草。その甲斐もあって、タイトルが懸かるシーズン終盤戦にも比較的リラックスした心境で臨めているようだが、彼がその先に見据えるのはもっと“バチバチ”した環境。つまり、海外進出だ。

 彼はキャリア初期から海外志向が強かったという。それは今も変わっていない。

「カートの時は海外で走りましたが、海外のバチバチな雰囲気が好きなんですよね」

「海外はオラオラしている中でも、技術が伴っています。そっちの方が気を遣わなくていいので、力を出せると思います」

 海外カテゴリーの関係者の目に留まるためにも、大草はまず最短ルートでスーパーGTのGT500クラスとスーパーフォーミュラにステップアップしたいと考えている大草。「毎戦成長していくのみですね」と語る彼からは、野心がひしひしと伝わってくる。今季の残りレースの活躍、そして今後の動向に注目のひとりだ。

 
 
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