勝利のチャンスがSCによってこぼれ落ちた16号車レッドブル。失意のレースに大湯都史樹も言葉少な
スーパーGT第5戦でトップを走行しながらも、後半に出動したセーフティカーが不利に働いた16号車Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT。優勝のチャンスがあっただけに、大湯都史樹も落胆を隠せない表情だった。
鈴鹿サーキットで行なわれた2022スーパーGT第5戦。16号車Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTは6位に終わった。『ダンロップタイヤ』×『笹原右京&大湯都史樹のホンダ若手コンビ』というパッケージは今年で2年目だが、今回はそんな彼らが最も優勝に近付いたレースだったと言える。
今季は苦しいレースが続いていた16号車だったが、今回の鈴鹿戦では練習走行でトップタイムを記録すると、予選Q1でも大湯がトップ通過。Q2を走る笹原は想定より早いタイヤのウォームアップに手を焼いて3番手に終わったものの、今季最高のグリッドを手にしてレースに臨んだ。
#16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT
Photo by: Masahide Kamio
迎えたレースでは、第1スティントを担当した笹原が安定したペースで周回。トラックポジションをキープした状態で27周を走って大湯にバトンタッチした。
ピットアウト直後の大湯は、一度は23号車MOTUL AUTECH Zのロニー・クインタレッリに先行されるものの抜き返し、レースリーダーに。38号車ZENT CERUMO GR Supraの追撃を受けていたが、何とか抑えながら77周のレースは50周を迎えようとしていた。
そんな中、GT300クラスの244号車HACHI-ICHI GR Supra GTが130Rでクラッシュ。セーフティカーが出されて各車のギャップは一気に縮まることとなった。この時点で義務である2回目のピットストップ(給油)を消化できていなかった16号車をはじめとする上位4台にとっては、勝負権を失う非情なセーフティカーとなった。
#16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT
Photo by: Masahide Kamio
セーフティカー解除後もしばらく走行を続け、60周目にピットインした16号車。大湯がそのまま走り切り、順位は6位だった。
昨年は第3戦鈴鹿でフロントロウを獲得するも、決勝ではペースに苦しみ9位。第5戦SUGOでもフロントロウスタートながら9位に終わり、ポールポジションを手にした第6戦オートポリスでは首位走行中にタイヤが脱落した。そんな16号車のふたりにとっては、これまでで一番勝利の手応えを感じられていたはずだ。
レース後に大湯と笹原のもとを訪ねたが、ふたりは沈痛な面持ちで、インタビューに答える大湯も言葉を紡ぎ出すのが精一杯という様子だった。
「ペースのアップダウンはありましたが、勝てるという自信を持って走れていました」
そう力なく語る大湯。展開だけが味方しなかったレースだったのではと水を向けると「それに尽きますね……」という返答が返ってきた。
「本当に……ミスなく終えられて、クルマも仕上がっていたので、あとひとつ流れを掴めていれば。タラレバは好きではありませんが……まあ、それに尽きるって感じですね」
第3戦ではタイヤトラブルに見舞われ、悔しい思いをした大湯。今回のレースも苦しい場面はあったようだが、進歩を感じられたとインタビューを締めくくった。
「これだけ長い時間をトップで争えたということは、タイヤに対しても進歩しているなと、確実に歩みを進められているなと感じられたレースでしたね」
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