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ARTAに強力な“助っ人”。ベテラン伊与木仁エンジニアがチームに合流

今季はBUSOU Drago CORSEのチーフエンジニアを務めてきた伊与木仁エンジニア。スーパーGT第4戦富士でARTAに合流した彼に話を聞いた。

Hitoshi Iyoki, 伊与木仁エンジニア

写真:: Masahide Kamio

 スーパーGT第4戦富士の予選を終えた8月6日の夕方、ARTAの予選レポートを見て驚いた。この予選レポートには監督やエンジニア、ふたりのドライバーのコメントが載せられているのだが、今回はライアン・ディングルエンジニアに代わって伊与木仁エンジニアのコメントが載っていたのだ。

 伊与木エンジニアは昨年までホンダ契約 のエンジニアとして、GT500クラスのホンダ勢、つまり5台のNSX-GT500を統括する立場だったことは良く知られているが、それ以前にもチーフエンジニアとしてTEAM KUNIMITSUのチャンピオン獲得にも功労があり、さらに遡ればARTAの鈴木亜久里監督の現役時代に、担当エンジニアとして活躍を支えてきた実績がある。

 

Photo by: Masahide Kamio

 そんな伊与木エンジニアは今シーズン、スーパーGTではGT300クラスに参戦しているBUSOU Drago CORSEのチーフエンジニアを務めてきたのだが、同チームはBUSOUとの契約解除に伴い今回の富士戦のエントリーをキャンセル。そうした状況の中でチーム体制を一層強化したいARTAの亜久里監督から伊与木エンジニアの招聘が提案され、それに応えて伊与木エンジニアがチーム入りした、というのが正確なところか。

 ただ伊与木エンジニアは「そんな堅苦しい話じゃなく『伊与木さんが空いているなら、ちょっと手伝ってよ』くらいな話だよ」と苦笑いする。ちなみに、伊与木エンジニアは現在もARTAを運営する株式会社アルネックスの取締役も務めていて、HRCのエンジニア業務、今シーズンのDrago CORSEのエンジニア業務にしても、それぞれがアルネックスと業務提携契約が結ばれ、アルネックスからの出向という形で行われていた、とのこと。だから出向先がARTAに変わっただけ、と言うこともできるだろう。

 そんな“オトナの話”はともかく、ベテランの伊与木エンジニアにとって、チームのチーフエンジニアとして手掛けることになったGT500はどう映ったのか、その辺りから聞いてみた。すると「何もかもが変わってきている。とても難しくなっているよね」と第一声が返ってきた。

 かつて伊与木エンジニアが中堅のエンジニアとして奮闘していた頃は、調整ポイントはスプリング(の硬さ)とダンパー(の減衰力)、それにスタビライザー(の強弱)程度で、空力調整もウイング(の角度を寝かせたり起こしたりする)だけだったのが、今では調整ポイントの数も調整の微細さも頭で考えられる範疇を大きく超えており、しかもそれぞれが関連しているのだ。

「コンピュータを駆使して全てを調整していくしかない。自分もコンピュータは使えるけど、若い頃からそれを手にしている世代のようには簡単にはいかないね。本当にハードワークだよ」と苦笑いする伊与木エンジニア。ホンダの5台を纏めて見ることになった時も、久々にスーパーフォーミュラを手掛けるようになった時も、そして今年、初めてGT3仕様の日産GT-Rを手掛けるようになった時も、感想を聞くといつでも「まだまだ勉強中だから」との答えが返ってきた。

 もちろん勉強中だからと言いつつも、長いキャリアで培ってきたノウハウを駆使しながら確実に、しかも短期間で答えを導いてみせたのは良く知られたところ。今回も……そう水を向けると「まだまだ勉強中だから」とのいつもの答えに加えて「将来的なことは何も決まっていないんだ」とも語った。多くは語れないのだろうか、「何も」の中にはARTAのエンジニアだけでなくDrago CORSEとの契約がどうなるのか、という事情も複雑に絡んでいるであろうことは想像に難くない。

 そんな不確定な案件でありながらも、伊与木エンジニアは楽しそうだ。そしてやはりサーキットの現場に来ると、レース屋の魂に火が付くのだろう。「でも、やはり勝ちたいでしょ」と問いかけると「もちろん、勝ちたいよね」。にやりと笑いながら、伊与木エンジニアはそう力強く答えてくれた。

 
 
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