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星野一樹「親父の気持ちがようやく分かった」反対押し切り始めたレース活動……その“茨の道”を振り返る

2021年限りでスーパーGTのドライバーから退く星野一樹。父からの反対を押し切って始めたレースキャリアだったが、自らも“父”となったことでその想いが分かるようになったという。

Kazuki Hoshino, Kazuyoshi Hoshino

写真:: Masahide Kamio

 先日、2021年シーズンをもってスーパーGTでのキャリアに幕を下ろすことを発表した星野一樹。GT300で2度のタイトルを獲得し、GT500も含めて通算13勝を記録しているが、レースキャリアをスタートさせたのは遅く、22歳からであった。

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 今日に限らず、多くのレーシングドライバーは10代からカートなどでキャリアを積み、ステップアップをしていくのが一般的だ。一樹は比較的遅いスタートとなったが、これには父であり、レーシングドライバーとして伝説的な活躍をした星野一義の猛反対があった。(今回は以後、星野一樹を「一樹」、星野一義を「一義氏」と表記させていただく)

 一樹がレーシングドライバーを志したのは中学生の時。「シンプルに親父が小さい頃からヒーローだったので、必然だったと思います」と振り返る。しかし、中学生の時も、高校に進学した後も、父が首を縦に振ることはなかった。

 その理由について、一義氏はこう話す。

「親として『そこまで自分を追い詰める仕事でなくてもいいんじゃないか』と思ったんです」

「やるんだったら、大学を出て普通に就職して、ストレスが溜まるような仕事をせずに、趣味でクルマを買って楽しく走らせるんだったらいいよと。プロというのは人より速くないといけないですから、楽しくない」

「土日休みで、夏休みがあって、ボーナスがもらえて……そういう生活って、すごく良いと思うんですよ。僕なんかは裸一貫でのし上がって、コンマ1秒を削るために悩んで悩んで、神経をすり減らして……だから勧めたくなかったんですよね」

 プロのレーシングドライバーとして頂点を極めるために誰よりも苦労してきたからこそ、そういった茨の道を息子には歩んでほしくなかったという一義氏。しかし、華々しく活躍する父の姿を見て、息子がその背中を追う事を諦められるはずがなかった。

 一樹はその後、父の言い付けを守る形で大学を卒業した。一義氏は当時のことをこう語る。

「『親父との“約束”は果たした。これから先の人生は俺のものだ』と言われ、『そうだよな』と。『どういうことをやるんだ』と聞いたら『レースだ』と言うから『えー!』と。びっくりしたね」

 かくしてレーシングドライバーとしてのキャリアをスタートさせた一樹。それから20年以上が経ち、一樹は今やスーパーGTを代表するドライバーのひとりになり、昨年には待望の第一子も誕生した。

 自らも“父”となった一樹に、「自分の息子が『レーシングドライバーになりたい』と言ったら何と答えるか?」と質問した。一樹は即答だった。

「絶対ダメです!」

「自分の時は『なぜやらせてくれないんだ』という気持ちだったのに、いざ自分が親になったらなぜそういう気持ちになるのか、不思議です」

 そう語った一樹。“星野一義の息子”という肩書きに苦しんできた自らの経験が、そういった心境にさせたのだという。

「危ないことは大前提ですし、厳しい職業でもあります。2代目でこんなに辛いんだったら、3代目はどうなるんだ……という気持ちもあります」

「側から見たら(2世ドライバーとして)優遇されているところばかりだと思います。僕もそういった面の方が上回っていると思うんですが、精神的に厳しい部分がたくさんありました。自分で勝手にプレッシャーを抱えちゃっていただけなのかもしれないですけど……」

「親父は僕に対して、そういうところまで考えてくれていたんでしょうね。『苦しいぞ』って。『俺がここまでやってきた分、お前は絶対苦しいぞ』って」

「今になってようやく分かりました。『そんな厳しいところ、無理やり切り開いていく必要ないだろう』って思っていたんでしょうね。子供が生まれるまで分からなかったです」

 

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