鈴鹿2勝で5年ぶりタイトルが見えた! クインタレッリ「序盤は想像もしていなかった」
#23 MOTUL AUTECH GT-Rのロニー・クインタレッリは、今季序盤戦での苦戦を考えると、スーパーGT最終戦でタイトルを争えるとは「想像もしていなかった」という。
写真:: Masahide Kamio
今季のスーパーGTは稀に見る大激戦の中、タイトル決定戦である最終戦富士に向かうことになる。ドライバーズランキングでは、ポイントリーダーの塚越広大/ベルトラン・バケット(#17 KEIHIN NSX-GT)から6番手の大嶋和也/坪井翔(#14 WAKO’S 4CR GR Supra)までが4点差にひしめいており、彼ら全員に自力タイトルの可能性が残されている。
#23 MOTUL AUTECH GT-Rをドライブする松田次生とロニー・クインタレッリは、第3戦、第6戦の鈴鹿ラウンドで2勝を挙げたことにより、ここまでの7戦で49ポイントを獲得。塚越/バケット組から2ポイント差のランキング3番手につけている。
序盤2レースを終えた段階でわずか2ポイントしか獲得できていなかった松田/クインタレッリ組だが、第3戦鈴鹿で約2年ぶりの勝利を挙げると、第6戦鈴鹿では予選のクラッシュによりクラス最後尾スタートとなりながらも、セーフティカー出動の好機を活かして大逆転勝利。一躍タイトル候補へと浮上した。
23号車はNSX-GT勢がトップ5独占となった第7戦もてぎでは優勝争いに絡めなかったものの、7位に入り手堅く4ポイントをゲット。松田/クインタレッリ組にとっては5年ぶりとなるドライバーズタイトルを射程圏内とした。
クインタレッリはmotorsport.comに対し、23号車がもてぎでタイヤの性能劣化に苦しめられたことを考えると、7位という結果には満足できると語った。
「次生選手のスティントをモニターで見ている時、僕たちがチャンピオンシップをリードしているのが見えたのは嬉しかったですね!」
そう語ったクインタレッリ。レース中の中継映像では、その時点の順位のままでフィニッシュした場合のポイントランキングの変動がリアルタイムで表示されていたのだ。23号車は一時5番手を走行していたが、そのままの順位でフィニッシュすれば松田/クインタレッリ組がランキング首位に立つ計算だった。
「次生選手には5位を守って欲しいと思っていましたが、僕たちはタイヤのデグラデーション(性能劣化)に悩まされていました。(レース前半の)僕のスティントでも厳しかったので、彼の時も簡単にはいかないだろうと思っていました。もっと順位を落とす可能性すらあったので、7位は良い結果だと思います」
「最終戦を前にして、僕たちは(ポイントリーダーから)たった2ポイント差ですよ。これはここに来る前と同じポイント差です。こんなことは予想していませんでした。最初の2レースを終えた時点では、チャンピオンを争う可能性があるとは想像もしていませんでした」
「シーズン序盤から、ライバルたちと比べてペースを上げてきました。シーズン中はテストができていませんが、エンジンやその他の部分のおかげで快適に走れるようになりました。グリップレベルが下がった時に戦えるような車がそこにあるんです」
今回のもてぎ戦でも、セーフティカーが明暗を分けた。レース中盤の24周目にセーフティカーが出動したが、その直前にピットインした#8 ARTA NSX-GTと#64 Modulo NSX-GTが大きなアドバンテージを得て最終的に1位、2位でフィニッシュした。
第6戦鈴鹿では同じような戦略で大逆転勝利を成し遂げた23号車のクインタレッリは、23周目以前にピットインしなかったことに悔しさを感じているものの、ランキングで接近していたライバルも同じようにピットインしなかったことにホッとしているとも語った。
「(セーフティカー出動の)前に2台がピットインしたことは知っていました。僕たちも(セーフティカー出動の)1周前にピットインすることができたので少し残念です」
「僕たちは燃料のウインドウ的にギリギリでした。もし1周前に入っていたら、第2スティントは燃費のマップを見ながらの走行になっていたとは思いますが、それも可能でした。だから少し残念です」
「ただ、少なくともライバルたちは僕たちと同じ判断をしてくれました。僕たちとチャンピオンシップを争っていたマシンが1周前に入っていたら、その差はもっと広がっていたでしょうね」
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