DTM存続の危機……スーパーGTには”対岸の火事”? キャシディ「あまり影響ないはず」
ニック・キャシディは、DTMが存続の危機に瀕しているにもかかわらず、スーパーGTがDTMとのルール統合を進めたのには価値があったと語った。
写真:: Andreas Beil
2020年シーズンのスーパーGTは、ホンダ・トヨタ・日産の3メーカーが新型車両を導入する。このマシンは、DTM(ドイツツーリングカー選手権)との共通技術規則”Class1”に準拠したものとなっている。
昨年の11月には富士スピードウェイにDTMの車両が7台来日し、日独5メーカーが争う交流戦が実現。長きに渡り、技術規則の統一を進めてきた両シリーズにとって、集大成とも言えるイベントとなった。
しかしながら、2020年シーズンの開幕を前に新型コロナウイルスが世界的に流行。その影響もあって、アウディが2020年限りでDTMから撤退すると発表した。
結果的にDTMに残るメーカーはBMWのみに。シリーズ存続の危機を迎えたDTMはClass1規定ではなく、より安価でカスタマーチームに優しい規定のマシンを使用する方向に舵を切る可能性があるため、スーパーGTとDTMのタイアップが将来的にどうなるかは不透明だ。
だが#37 KeePer TOM'S LC500のニック・キャシディは、例えClass1規定がDTMとの共通技術規則では無くなったとしても、標準パーツを増やして空力を簡素化したことによるメリットを、スーパーGTは享受できると考えている。
「スーパーGTにとって(Class1規定は)少し役立つと思う」と、キャシディはmotorsport.comに語った。
「僕たちは今、より多くの共通部品を使っているので、コストが大幅に削減された。多くの分野で開発は停止されている」
「だから、3メーカーのクルマのパフォーマンスはこれまで以上に近くなっている。空力の影響も少なくなっているので、開発にかけるお金も節約されている」
「(Class1規定の導入は)チャンピオンシップとしてスーパーGTが前進するのに役立った。例えDTMが無くなる可能性があるとしても、スーパーGTのメーカーにとって、それは良いことだった」
スーパーGTの3メーカーのうち、ホンダはClass1規定に従い、NSX-GTのエンジン搭載位置をミッドシップからフロントへと移動させることとなった。その他にも、DTMで使われているボッシュ製のECUの導入、サスペンションやフロアの標準化、前後ホイールアーチ周辺の空力開発凍結が、Cass1規定の準拠に伴い実施されている。
またキャシディは、「スーパーGTは、アウディがDTMを離れるというリスクについて、本当に知らなかったと思う」と付け加えた。
「アウディがDTMから撤退すること、そして交流戦が開催されないかもしれないということは残念だけど、僕たちのチャンピオンシップに関してはより団結しているというのは素晴らしいことだ」
「DTMの未来は、スーパーGTにあまり影響を与えない。国際的なファン層の獲得という点では打撃だし、すごく残念だけど、チームやメーカーといった点ではあまり心配していない」
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