第2戦GT500決勝:GWの富士激戦。38号車立川、華麗なオーバーテイクで勝利

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第2戦GT500決勝:GWの富士激戦。38号車立川、華麗なオーバーテイクで勝利
執筆:
2019/05/04 11:26

スーパーGTの第2戦富士の決勝レースが行われ、#38 ZENT CERUMO LC500が立川の華麗なオーバーテイクもあり、優勝を果たした。ポールポジションからスタートした#23 MOTUL AUTECH GT-Rは2位だった。

 2019年のスーパーGT第2戦富士GT500kmレースの決勝が行われ、#38 ZENT CERUMO LC500が#23 MOTUL AUTECH GT-Rとの激戦を制し、優勝を果たした。

 予選日までは好天に恵まれた令和元年ゴールデンウィークの富士スピードウェイ。しかしこの決勝日は、富士山方面から黒い雲が広がり、レーススタート1時間前あたりからポツポツと雨粒が落ち始め、それが徐々に強まっていった……そして完全な雨となり、スタンドに数多く詰めかけたファンは、レインコートを着込むなど、雨対策に勤しんだ。

 結局スタート時刻には、路面は完全にウエット。その天候のため、セーフティカー先導でのスタートが宣言された。気温は19度、路面温度は25度というコンディションである。ただ雨は小康状態となり、タイヤ選択が難しい状態で隊列がグリッドを離れていった。

 2周を終えた時点で、セーフティカーがピットイン。3周目からレーススタートということになった。

 ポールポジションの#23 MOTUL AUTECH GT-Rは、ロニー・クインタレッリがドライブ。#37 KeePer TOM'S LC500のニック・キャシディがスタート直後にプレッシャーをかけてくるが、クインタレッリはこの攻撃を凌いだ。後方では武藤英紀がドライブする#16 MOTUL MUGEN NSX-GTが、#12 カルソニック IMPUL GT-Rをターン1でオーバーテイク。3番手に上がった。

 しかし1周目の攻防はこれでは終わらない。ダンロップコーナーのイン側に、キャシディが飛び込み、23号車をオーバーテイク。また16号車の武藤はこのコーナーでオーバーランしてしまい、12号車に3番手のポジションを献上してしまった。

 4番手に落ちた16号車の後方には#38 ZENT CERUMO LC500が迫り、最終コーナーでオーバーテイクを仕掛けるも、16号車のトップスピードの伸びが良く、これを抑えた。ただ、4周目のダンロップコーナーで、38号車の立川祐路が16号車を豪快にオーバーテイク。4番手となった。

 16号車武藤の試練はさらに続き、6周目にはコカ・コーラ・コーナーでバランスを崩したところを、#17 KEIHIN NSX-GTや#8 ARTA NSX-GTなどに抜かれてしまう。

 この頃から雨が強まり、サーキット周辺には雷が落ち始めた。すると37号車キャシディのペースに陰りが見え始める。そして7周目に23号車クインタレッリがオーバーテイクをやり返し……再び首位に立った。そして9周目には38号車立川が37号車キャシディを抜き、2番手に。キャシディは11周目のダンロップコーナーでオーバーシュートしてしまったが、ポジションを落とすことはなかった。

 雨の量が増し、水を得た魚のように走ったのは、2番手の38号車立川。徐々に23号車クインタレッリとの差を詰めていき、13周目のターン1でズバリとオーバーテイクを完了。そしてその直後、雨の降り方が強まった富士スピードウェイには、セーフティカーが宣言される。ただ、ピットレーンはクローズドされているため、各車ともにピットインすることができない。

 15周を終えたところで、隊列を整えるために各車がグリッドに並べられる。しかし雨足は強まる一方……そのまま赤旗中断となった。

 30分ほどの中断を経て、15時33分からセーフティカー先導でレース再開となった。ただその間に雨は止み、サーキット上空は明るくなった。まったく読めない、難しい天候である。

 18周を走り終えたところで、セーフティカーがコースを離れ、19周目からレース再開。38号車の立川は好ダッシュを決めたが、2番手だった23号車クインタレッリはペースが上がらず、37号車キャシディに抜かれ、さらには12号車佐々木大樹の攻撃にも晒されてしまう。

 23号車と12号車がバトルを繰り広げる間に後方に迫ったのは17号車の塚越広大。塚越は2台のGT-Rを一気に捉え、3番手に浮上する。

 なお#8 ARTA NSX-GTにはセーフティカー中にスピンを喫したとして、ドライブスルーペナルティが科されることとなった。

 24周目、37号車キャシディが38号車立川に追いつき、オーバーテイクを完了。首位に立つ。ただ、その後方からは17号車の塚越も急接近。三つ巴の様相となっていった。さらに23号車が上位勢に追いつき、17号車を13コーナーでオーバーテイクして3番手に返り咲いた。

 後方から素晴らしいペースで追い上げたのは#1 RAYBRIG NSX-GTの山本尚貴だった。山本は一時GT500クラスの最後尾に落ちながら、レース再開後はハイペースで飛ばし、30周目を迎えようという頃には7番手まで浮上してみせた。また、#3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rも同様に順位を上げていた。

 30周目の最終コーナーで、23号車クインタレッリが38号車立川の後ろにピタリとつき、メインストレートでオーバーテイク。さらにその翌周には37号車キャシディをも交わし、ついに首位奪還に成功した。どうも37号車や38号車はタイヤのオーバーヒートに苦しみ始めたようで、メインストレートなどで水の多いところをわざと走り、タイヤを冷やすような仕草を見せた。そして38号車立川が34周目の100Rでオーバーテイクを完了させ、2番手に上がった。

 GT500クラスで最初にピットストップを行なったのは、3号車の平手晃平。平手は38周を終えたところでピットインし、いち早くスリックタイヤに交換した。山本が乗る1号車も翌周にピットインし、やはりスリックタイヤを装着した。

 40周を終えたところで、2番手を走行していた38号車がピットインし、ドライバー交代と共にスリックタイヤへの交換も行なった。また、同じタイミングで12号車と37号車もピットに入った。

 #23 MOTUL AUTECH GT-Rがピットインしたのはその翌周。もちろん、履くのはスリックタイヤで、松田次生がコクピットに収まった。ただ、直前にピットアウトした37号車平川亮は、ターン1でオーバーランするシーンもあり、タイヤの温めはいつも以上に厳しそうだ。

 43周目、TGRコーナー(1コーナー)の立ち上がりで、37号車平川と12号車ジェームス・ロシターが接触。ロシターがスピンしてポジションを落としてしまう。また、44周目にはGT300クラスの#4 グッドスマイル 初音ミク AMGに追突された#17 KEIHIN NSX-GTも、スピンを喫することとなった。

 ロシターと接触した17号車平川は、47周を終えた時点でピットイン。左フロントタイヤ1本だけを交換した。これでGT500クラス最下位までポジションを落としてしまう。

 ピットストップ終了後に速さを見せたのは、フレデリック・マコヴィッキィがドライブする#3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rと、ジェンソン・バトンが乗り込んだ#1 RAYBRIG NSX-GT。特に3号車はトップ2台に迫るペースである。

 ただその間に、石浦宏明が乗り込んだ#38 ZENT CERUMO LC500が、首位を行く松田の23号車に接近。2台はテール・トゥ・ノーズの状態となるも、松田が必死の防戦を繰り出す。58周目の1コーナーでは、#39 DENSO KOBELCO SARD LC500が#12 カルソニック IMPUL GT-Rをオーバーテイクする。

 59周目のターン1で、38号車の石浦が23号車の松田にアウトから並びかけ、サイド・バイ・サイドとなる。2台はそのまま並走する形で走行し、コカ・コーラ・コーナーのイン側を取った石浦がオーバーテイクを成功。またも首位が入れ替わることになる。

 62周目、#36 au TOM'S LC500がダンロップコーナーでストップ。オイルをコースに撒きながら、コース脇にストップしてしまう。当時、このレースがGT500デビュー戦となった宮田莉朋がステアリングを握っていたが、天を仰ぐような仕草をして、リタイアを悔しがった。

 マシンに乗り込んだ当初は好ペースを発揮していた1号車のバトンだが、徐々にそのペースが落ち、68周目には#39 DENSO KOBELCO SARD LC500にオーバーテイクされてしまい5番手に落ちた。

 #3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは75周目を走り終えた時点でピットイン。2度目のピットストップも、3号車が一番最初だった。これで平手晃平が再びマシンに乗り込み、チェッカーを目指す走行へと旅立っていった。76周目終わりには1号車バトンがピットインし、山本にバトンを繋いだ。

 先頭を行く38号車は、78周を終えたところでピットイン。立川へとドライバーを交代する。23号車の松田も79周を走ってピットに向かい、クインタレッリに勝負を託した。

 23号車は38号車の前でコースに復帰。実質的な首位に立って、最終スティントを始めることとなった。クインタレッリは、ポジションをキープしたまましっかりとタイヤを温めることにも成功し、勝利の可能性をグッと手繰り寄せた。

 レース残り30周を切る頃には、1号車山本の真後ろに17号車塚越が接近。奇しくも開幕戦で接触した組み合わせが、ここ富士でも顔を合わせることとなった。

 残り20周、38号車立川が最後のスパートを発揮し、首位を行く23号車クインタレッリとの差を一気に縮める。当初は3秒以上あった差が、一気に1秒台前半まで縮まったのだ。また後方では、佐々木がドライブする12号車が、GT300クラスの#2 シンティアム・アップル・ロータスと接触してスピン。この事故で12号車は、右リヤのボディワークにダメージを負った。

 94周目、39号車のヘイキ・コバライネンが、3号車の平手をオーバーテイクし、表彰台圏内へと浮上した。さらに、3号車はペースが上がらず、1号車と17号車にも立て続けに抜かれてポジションを落としていってしまう。

 38号車立川は、99周目のターン1でクインタレッリのインにズバリと飛び込んだ。これではオーバースピードではないか……とも思われたが、立川はなんとかマシンをコース内にとどめた。クインタレッリもクロスラインで防衛しようとしたが……立川の技巧が優った。これで38号車が首位に立った。

 3番手争いも終盤まで大接戦。コバライネンが乗る39号車と、山本の1号車が激戦を繰り広げる。そして105周目、山本がターン1でコバライネンを料理。3番手に浮上してみせた。

 23号車を抜いた後の#38 ZENT CERUMO LC500は、完全な独走状態。最終的に立川は19.693秒の差を23号車につけ、トップチェッカーを受けた。2位はポールポジションからスタートした#23 MOTUL AUTECH GT-R。これで今季2戦連続の2位である。3位は#1 RAYBRIG NSX-GTが入った。

→【リザルト】スーパーGT第2戦富士GT500kmレース決勝結果

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この記事について

シリーズ スーパーGT
イベント 第2戦:富士
サブイベント Race
執筆者 田中 健一