リアライズ 日産自動車大学校 GT-RがGT300王者獲得。藤波「まるで夢みたい」
スーパーGTの2020年最終戦が富士スピードウェイで行なわれ、2位でフィニッシュした#56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rがチャンピオンを獲得。ドライバーの藤波清斗とジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが喜びを語った。
写真:: Masahide Kamio
11月29日、富士スピードウェイで行なわれた2020年AUTOBACS SUPER GTのシリーズ第8戦(最終戦)たかのこのホテル FUJI GT 300km RACEで2位入賞を果たしたNo.56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rの藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組が、2020年のGT300クラスでドライバーズタイトルを獲得すると共に、チームタイトルも手に入れることになった。
レース後、会見場に現れた藤波は「シリーズチャンピオンを獲ることができるなんて、まるで夢みたいです」と切り出した。
スーパーGTフル参戦2年目の彼はそれまで、主にスーパー耐久などのレースに参戦。そこでの活躍が認められ、スーパーGTのシートを手に入れることになった。「数年前なら、こんな大きなシリーズでチャンピオンになることなどとても考えられませんでした」というのはおそらく素直な本心だろう。そして「多くの人にお世話になって、ここまで来ることができました。シリーズチャンピオンとなって、お世話になった人たちに恩返しできたと思うと本当に嬉しいです」と結んだが、その辺りからの彼の険しかった経歴を窺い知ることができる。
続いて彼は今シーズンを振り返って「今シーズンの序盤にはクルマの仕上がりもまだまだで、良い結果を残すことができませんでした。それでもシーズン中盤になって少し盛り返すことができ、2回目の富士で初優勝することができました。自分としてはこれがタイトルに向けてのターニングポイントになりました」と分析。「前回のもてぎで2勝目を挙げることができ、今回の最終戦にはポイントリーダーとして臨むことになりました。その分、プレッシャーも大きかったのですが、最後まで諦めない、強い気持ちでレースウィークを迎えることになりました」と続けた。
このレースウィークに関しては「土曜日の公式予選では7番手に沈んでしまいましたが、予選結果はだめでもレースペースでは自信がありました」と語った藤波だが、「それでもここまで来ることができるとは思っていませんでした」と正直に告白した。そして「今シーズンはJP(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)さんと組ませてもらうことでいろんなことを勉強させてもらいました。また近藤(真彦)監督にはいつも的確なアドバイスをもらってきました。だから自分自身も成長できたと思います」とし、「良い結果でシーズンを終わることができ、監督に対しても良い報告ができたとホッとしています」と結んだ。
一方、優勝請負人としてチームに招聘されたデ・オリベイラは、タイトルを手に入れることができた要因を「チームはもちろん、日産/NISMOやタイヤメーカーのスタッフ一人一人がベストを尽くした結果」だと語り、「だからみんなに感謝したいと思います」と続けた。
なおデ・オリベイラは今季がGT300クラス参戦2年目。そしてKONDO Racingに加入した1年目でタイトルを獲得することになったわけだ。チームに加入することになった経緯についてデ・オリベイラは「昨年はとても残念なシーズンになってしまい、今年の1月には、今シーズン(日本)国内でレースができるかどうか、何も決まっていませんでした。でも近藤監督に誘ってもらって、このチームで走ることになりました」と話した。そして「近藤監督とは長年友情を築いてきましたが、彼に誘ってもらったおかげで今日のチャンピオンが実現しました。だから彼にはとても感謝しています」としている。
またタイトル獲得に向けてのターニングポイントを尋ねられると「キヨトさん(藤波清斗選手)は富士での初優勝がターニングポイントになったと言いましたが、僕は前回のもてぎ、シリーズ第7戦がターニングポイントになったと思っています」と相方とは異なった見方を披露。「もてぎで2勝目を挙げたことでシリーズ4位からポイントリーダーまでランキングがアップしたのですからね」というのがその理由で「今日もタフなレースになりましたが自分のペースを信じて走ったことで好結果に繋がったと思っています」と結んだ。
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