ジュリアーノ・アレジ、日本でのキャリアをスタート「ここには、どこよりも大きなチャンスがある」
ジャン・アレジと後藤久美子を両親に持つジュリアーノ・アレジは、今季日本のレースに参戦。その最初の仕事となるスーパーGT公式テストの現場で話を聞いた。

元F1ドライバーのジャン・アレジと女優の後藤久美子を両親に持つジュリアーノ・アレジが、日本のレースでの第一歩を踏み出した。3月6日から岡山国際サーキットで行なわれているスーパーGTの公式テストに、arto Ping An Team Thailand(35号車 arto RC F GT3)のドライバーとして参加しているのだ。
そのアレジはmotorsport.comの取材に応じ、日本を主戦場に選んだ理由などを語った。
「このチームと仕事をするのは始めてだ。そしてGTカー、チーム、コースなど、全てが僕にとっては新しいモノだ。僕はやるべきことをたくさん学んでいるところだけど、これまでのところ全て順調に進んでいる」
そう語ったアレジだが、次なる戦場を日本にしたことについては、次のように語る。
「僕はF1を目標にFIA F2で戦ってきた。でもF2では、上位3チームのいずれかのマシンじゃなければ、勝つことはできない。チャンスすらないんだ。そしてそのチームに加入するためには、絶対的なドライバーであるか、非常に影響力のあるマネージャーがいることが必要なんだ。僕には入り込む隙間はなかった」
とはいえ昨年序盤に在籍していたHWAについては大きな可能性を感じていたと言うアレジだが、コロナ禍により全ての目論見は崩れ去ったという。
「昨年HWAのファクトリーを訪問して、インフラを確認した時、うまく行くことを期待した。そしてシーズン中もそれを目指したが、結局のところうまくいかなかった」
そうアレジは語る。
「主な理由は、新型コロナウイルスによってシーズンの開幕が延期された間、チームの誰もが仕事をせずに、家にいたからだ。彼らはその間何もせず、マシンもコンテナの中に保管されていただけだった」
「毎週末にどれほどの問題が起きたか、それを僕らは分かっている。でも、僕は自分の情熱、そして専門的な技術を、職業にしたいと思っていた。そのためにはここ日本に来るのが一番の選択だった。ここには、他のどこよりも良いチャンスがあると思うんだ」
なおアレジは、第3ドライバーとして今回のテストにエントリー。シーズン中も35号車RC F GT3をドライブするのは間違いないと言われているが、まだチームから正式発表はない状態だ。これについてアレジは、次のように語った。
「新型コロナやそれ以外の状況によって、今季のプランにはまだ不明確なところがある。どんなことが起こる可能性があるのか、それは誰にも分からない。今のところ、僕はマシンやコースを学ぶことに集中している。これはスーパーフォーミュラ・ライツにも役立つはずだ」
そうアレジが語る通り、彼はスーパーフォーミュラ・ライツへの参戦が決定。小高一斗、平良響のチームメイトとして、トムスの36号車をドライブすることになっている。
「最高のチームに加入することができたから、僕の目標はチャンピオンになることだ」
スーパーフォーミュラ・ライツでの目標について、アレジはそう語った。
「そのためには、言葉を覚えなきゃいけないし、海外のチームと比べて日本のチームがどう動いているのか、それも学ばなきゃいけない。そのためにすべきことはたくさんあるけど、まずはチャンピオンになることが目標だ」
チームとは日本語で会話しているというアレジ。しかし長くヨーロッパで過ごしてきたこともあり、コミュニケーションは簡単ではないようだ。
「僕は日本語でコミュニケーションを取るのに慣れていない。でも、日本語は少しは分かるから、問題ないと思うよ。小さい頃には、流暢に日本語を話すことができた。当時から比べたら、少し劣っていると思う……でも自分だけで理解することはできるんだ。とはいえ簡単じゃないけどね。今後日を重ねるに連れて、日本語やその他のことに慣れてくると思う」
なおアレジは、いきなりスーパーフォーミュラに参戦する可能性についても検討したという。実際アレジが昨年まで走らせていたのはFIA F2のマシンであり、スーパーフォーミュラ・ライツへの参戦は”一歩後退”という感も否めない。しかし”プロ”としての立場をしっかりと築くため、その状況を受け入れていると言う。
「もちろん、直接スーパーフォーミュラに挑戦することも検討した。でも僕の目標は、これから”プロ”になることだ。いきなりスーパーフォーミュラやGT500から始めることなんてできない。ひとつ下のカテゴリーから始めなければいけないんだ。それが、僕が今していることだ」
「今年は来年に向け、とても重要な年になる。やるべきことがたくさんあるんだ」
そしてアレジは、今後数年にわたって日本でのキャリアを積み重ねていきたいとも語った。
「もしうまくいけばね。絶対そうしたいと思うよ」
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