61号車スバルBRZ、岡山でのトラブルは”電源コントロール・ユニット”。第2戦富士に向け対策済み「二度と起きない」

　2022年のスーパーGT開幕戦岡山の決勝レースで61号車SUBARU BRZ R＆D SPORTを襲ったトラブルは、電源コントロールユニットに原因があったようだ。

　61号車スバルBRZは、岡山国際サーキットで行なわれたスーパーGT開幕戦の決勝レースをポールポジションからスタート。その後も引き続き上位を走っていた。

　しかしタイヤ交換及びドライバー交代に入った際、なかなか再スタートすることができず……大きくタイムをロスしてしまい、最終的には9位でのフィニッシュとなった。

　レース後にチームが発表したプレスリリースによれば、スターターに問題があった可能性があると明かされていた。しかし第2戦富士スピードウェイ戦の搬入日に小澤正弘総監督に尋ねたところ、電源コントロール・ユニットに問題があったという。

「電源コントロール・ユニットに、バグというか設定のミスがありました。それでピットインして停車し、ドライバー交代をしている時に、電源系で落ちて欲しくないモノが落ちてしまいました」

　そう小澤総監督は語る。

「原因はそれほど難しいモノではないので、設定を見直し、今回持ち込んできました」

「今回のトラブルは、昨年から潜在的に抱えていたトラブルの種でした。これまで、テストなどでそういう兆候があったので、その時に対処しておけばよかったという後悔があります。それが、前回たまたま出てしまいました」

　今季61号車スバルBRZは、新型のECUを開発。ただ開幕戦では、熟成中ということもあり、搭載を見送った。そのことと、開幕戦のトラブルは全く関係しないものであると小澤総監督は語る。

「前回のトラブルは、ECUとは全く関係ないです。もう二度と起きないと思います」

　トラブルに対する対策を施してきた61号車スバルBRZだが、今回のレースは厳しいモノになると、小澤総監督は予想する。

　今季の61号車は性能調整が厳しくされたことによりストレートスピードが落ち、その分をコーナリングスピードで取り戻そうとしている。しかしメインストレートが非常に長い富士スピードウェイでは、最高速を稼げないのは大いに痛手となる。

「今回のレースは、非常に厳しいだろうなと予想しています。昨年は最終コーナーをある程度引き離して立ち上がると、直線で抜かれるのを防ぐことができました。しかし今年は、同じ程度しか引き離すことができないと、ストレートエンドで抜かれてしまうだろうというくらいパワーが落ちています」

　そう小澤総監督は説明する。

「逆にライバル車の真後ろについた時にも、簡単には抜けません。昨年でも、FIA-GT3勢の中で最も遅いマシンであっても、抜くことができなかったのですが、今年に関してはさらに抜ける要素がないです」

「このオフに色々とやってきて、ボトムスピードを速くすることができました。それは100Rとか、コカ・コーラ・コーナーで活かすことができます。第3セクターでも速さを出せるはずです。ただ基本的には抜きづらくて、厳しい展開になると思います」