富士で大苦戦ニスモ勢。その原因は灼熱・真夏のコンディションか? クインタレッリ「ブリヂストンタイヤで、こんなに暑い中走るのは初めてだった」
富士スピードウェイで行なわれたスーパーGTの第4戦で大苦戦を強いられたニスモ勢。ロニー・クインタレッリは、暑いコンディションに合わせ込むことができなかった可能性を示唆した。
#23 MOTUL AUTECH Zのロニー・クインタレッリと、#3 Niterra MOTUL Zの三宅淳詞は、スーパーGT第4戦富士では高い気温に苦しんだと明かした。
富士スピードウェイで8月4日に決勝レースが行なわれた2024年のスーパーGT第4戦では、気温30℃超、路面温度は50℃超という灼熱のコンディションとなったが、その中でニスモの2台は大苦戦。3号車Niterraが12位、23号車MOTUL AUTECHは13位と、いずれも入賞にすら届かなかった。
いずれも今季ここまで順調にポイントを重ね、タイトルを争う一角に数えられていたが、厳しい富士戦。しかもランキング首位の#36 au TOM'S GR Supraは、燃料流量リストリクターが2段階絞られているにもかかわらず7位フィニッシュを果たしたため、ニスモ勢にとっては実に厳しい結果となった。
レース後にクインタレッリは、テクニカルな富士の最終セクターでは、GRスープラ勢にまったくついていけなかったと語った。
「セクター3ではメカニカルグリップにかなり苦労した」
「他のマシンについていくのは難しかった。2台のトムスの方が、はるかに速かったんだ」
「最も強いマシンは、メカニカルグリップ、セクター3、最低速度やトラクションといった部分がとてもよかった。僕らはそこにとても苦労したんだ。セクター2では36号車のauトムスを少し離せたけど、最後のセクターで彼らはとても速かったんだ」
「彼らは燃料リストリクターの制限もあったから、大変だったはずだ。でも、とっても速かった。印象的だったね。他に言うべきことはあまりない」
クインタレッリは、セットアップは同じ富士スピードウェイで行なわれた第2戦の時のものと似ていたが、暑いコンディションに適応させることができなかったように感じていると付け加えた。
「確かに、セットアップの面でいくつかのことを適応させる必要がある」
「ブリヂストンタイヤを履いて、こんなに暑いコンディションでレースをするのは初めてだった」
「セットアップは第2戦の時のものと似ていたが、結果は予想よりもはるかに悪かった。次の鈴鹿戦に向けて、多くのことを徹底的に見直す必要がある」
「でもポジティブに考えれば、ダンパーやその他のサスペンションパーツは共通だから、ダウンフォースを改善するよりもメカニカル面を改善する方が簡単なんだ。ダウンフォースを失ってしまったのなら、マシンの開発を進めなければ治すことはできない」
一方で三宅は、チームとしては厳しい戦いになることを覚悟していたが、36号車auトムスに敗れたのは悔しいと語った。
#3 Niterra MOTUL Z
写真: Masahide Kamio
「今回は(サクセスウェイトを積んでいたから)マシンが重く、燃料リストリクターもついていました。今週末はかなり厳しいレースになるだろうと分かっていたんです」
そう三宅は語った。
「でも蓋を開けてみたら、僕らは後退することになってしまいました。悔しいレースでした。正直に言って、トムスの2台に抜かれた時はショックでしたね」
「第2戦は調子がよかったのに、今回は気温が高かった……それが影響したのかもしれません」
「次の鈴鹿も暑くなるはずなので、第2戦と第4戦のパフォーマンスを比較して、鈴鹿に備える必要があります」
「自分たちのドライビングも含めて、今後もっと強くなるために改善する必要があると実感したレースでした」
三宅とチームメイトの高星明誠は、ドライバーズランキングで3番手に後退。首位36号車auトムスの坪井翔と山下健太に11ポイント差をつけられることになった。
「まだシーズンの折り返し地点ですから、巻き返す時間はあります」
タイトル獲得の可能性について、三宅はそう語った。
「僕らは、今回のことからさらに強くなれると思います。今日失敗したことで諦めず、修正していけるように最善を尽くします」
一方でクインタレッリは、タイトル獲得には悲観的な見方をしているようだ。クインタレッリと千代勝正は、首位auトムスから18ポイント差となっている。
「現時点では、表彰台には程遠いんだ」
そうクインタレッリは語る。
「チャンピオンについて考える前に、表彰台を目指して力強く戦う必要がある」
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