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脇阪寿一監督、阿部エンジニア加入という”新しい風”に大きな手応え

#6 WAKO’S 4CR LC500の脇阪寿一監督は、TEAM MUGENから阿部和也エンジニアが加入したことで、大きな手応えを感じているようだ。

阿部和也エンジニア(#6 WAKO'S 4CR LC500)

阿部和也エンジニア(#6 WAKO'S 4CR LC500)

Masahide Kamio

 WAKO’S 4CR LC500を率いる脇阪寿一監督は、TEAM MUGENで長年活躍した阿部和也エンジニアの加入が、チームに新しい風を呼び込んでくれていると語った。

 最近のスーパーGTやスーパーフォーミュラなど、国内トップカテゴリーはレースのレベルがどんどん上がり、ドライバーやチーム監督だけでなく、マシンセッティングやレース戦略の決定で重要な役割を果たすエンジニアの手腕への注目も高まっている。

 その中でも、阿部和也は国内トップカテゴリーで注目されるエンジニアのひとり。昨年までTEAM MUGENに所属し、特にスーパーフォーミュラでは長年にわたり山本尚貴の担当エンジニアを務め、2013年と2018年には山本をシリーズチャンピオンに導いた。

 しかし2018年いっぱいでTEAM MUGENを離れ、チームルマンに移籍。今シーズンの各チーム体制の中で、大きなトピックのひとつとなった。

 先日のスーパーGT岡山公式テストで、阿部エンジニアの加入について脇阪監督に訊くと「阿部(の加入)はデカイですね! レースに対して僕と同じ(目線での)言葉で喋れます」と開口一番。早くも絶大な信頼を寄せているようだった。

 ここ数年を見ると『阿部エンジニア=TEAM MUGEN』というイメージが強いが、もともとチームルマンに所属していた経歴があり、ちょうど脇阪監督が現役で活躍していた頃にメカニックを務めていた。その頃から脇阪監督も注目していたほどの逸材だったという。

「僕とエンジニアが無線でセッティングの話をしている時、普通優秀なメカニックはそれを聞いています。ダメなメカニックはただ待っているだけで、エンジニアからの指示で初めて行動に移します。その中で(当時メカニックだった)阿部はその会話を聞いていて、誰に指示されるわけでもなく(次の作業で使うであろう)工具を用意して、作業し始めていました」

「時にはエンジニアの実際の指示と違うこともあったんですが、そこも『こういうやり方もあるんだ!』と前向きに捉えて勉強していました。それ見た時に(他のメカニックとは)ちょっと違うなと思って注目していました」

「その後、彼はルマンを去って、立派なエンジニアになって(スーパーフォーミュラで)山本尚貴をチャンピオンに導きました。そして今年ルマンに帰って来てくれました」

阿部和也エンジニア(#6 WAKO'S 4CR LC500)

阿部和也エンジニア(#6 WAKO'S 4CR LC500)

Photo by: Masahide Kamio

 そう語った脇阪監督。レースウィークには勝利のために、メカニックひとりひとりとコミュニケーションをとってチームの士気向上に努めているが、それでもチームのファクトリーに毎日顔を出せるわけではない。それは自身も課題だと感じていたというが、そこに阿部エンジニアが加入してくれたことは、大きな意味があると語った。

「ここ(サーキット)で言うほうがエネルギーとしては強い部分があるけど、工場のほうが時間も長く取れます。そこでキッチリと人間関係を構築し、問題共有を行うことが重要です」

「普通は監督とかチームを引っ張る人が、そういうことをしなければいけないと思いますが、僕は他の仕事もあるので、その辺りが難しいんです。だから僕の場合はサーキットで言うだけになってしまうので、なかなか伝わらないこともあります」

「伝わらないからこそ、もっと(強く)言うこともありますが……その反面、普段からみんなに寄り添えていないのに、そんなことを言って申し訳ないなと思うことが多々ありました」

「そこに、阿部エンジニアが来てくれました。彼は僕と同じような感覚を持って、同じようなことを言ってくれる本当に優秀なエンジニアです」

 阿部エンジニアは、マシンを速く走らせるためのセッティングや戦略の考案だけでなく、チームがひとつになって同じ目標へ進んでいくために、メカニックの指導や人間関係の構築、時にはドライバーのメンタルケアも行っているという。

「何よりも人としてキッチリしていて、人間関係をしっかり作ろうとしてくれて、ドライバーのメンタルケアまでやってくれます」

「例えば僕がメカニックたちに『こうした方がいいんじゃないか?』とかアドバイスをした時に、ブスッとした表情で聞いている人がいたら、(阿部エンジニアが)『寿一さんはチームを強くするために言っているのに、その聞く態度はおかしくないか?』と言うこと(メカニックの指導や意識改革)までやってくれています」

「そんな彼が、ルマンの社員として工場(で働く人たち)に寄り添ってくれているのは大きいです」

#6 WAKO'S 4CR LC500

#6 WAKO'S 4CR LC500

Photo by: Masahide Kamio

 こういったチーム全体のケアだけでなく、マシンのセットアップに関しても、阿部エンジニアが加わったことで、流れは良い方向に進んでいるようだ。

「今まではルマンにある当たり前のようなセッティングで走らせていた部分がありましたが、それに阿部はプラスアルファでいろんな変化を加えてくれています。何より全てにおいて理論的にクルマを組み立ててくれています」

「それに対してドライバーふたりのテンションも上がって、戦えるクルマを手にした感じでいてくれています。正直、(山下)健太は最初ルマンに来る時は不安もあったと思いますが、このクルマに乗って安心した表情を見せているし、(大嶋)和也も前向きになっています」

「テストも何回かやってきましたけど、けっこうトップタイムの割合が高くて、そういう意味で(阿部エンジニアは)チームにものすごく良い風を吹かせてくれているのかなと思います」

 昨年はシーズン途中に山田健二エンジニアの不幸があり、チームの立て直しも難しい状況の中でレース結果も下位に沈んでしまうことが多かったチームルマン。今年は阿部エンジニアという“新しい風”をきっかけに、再び上位進出を狙いたいと、脇阪監督は語った。

「彼はルマンに足りなかったものを用意してくれているというか、補おうとしてくれています。それによりドライバーを含めみんなのモチベーションが上がっています」

「今年はどこかで勝てるようなイメージを持っていきたいですし、またチャンピオン争いに戻れるようにしたいですね」

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