「ようやくひとつの形にできた」TEAM MUGEN、ヨコハマとのタッグ4年目で念願の初表彰台
スーパーGTでヨコハマタイヤとタッグを組んで4年目を迎えたTEAM MUGENが、ようやく初表彰台を掴んだ。
#16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT
Masahide Kamio
ツインリンクもてぎで行なわれた2020スーパーGT第4戦。GT500クラスで3位表彰台を獲得した#16 RedBull MOTUL MUGEN NSX-GTの武藤英紀は、ホンダNSX-GTとヨコハマタイヤのパッケージで初めて表彰台に上がれたことに“ひとつ形を残すことができた”と満面の笑みをみせた。
7番グリッドからスタートした16号車は、前半を担当した武藤が序盤から積極的にポジションを上げ、18周目には3番手に浮上した。そしてレース3分の1を過ぎた24周目にピットインし、笹原右京にドライブを交代。レース展開の影響もあり予定より早めのピットストップとなった分後半スティントが長くなったが、後続を寄せ付けない走りを見せて、3位フィニッシュを果たした。
TEAM MUGENは2017年にヨコハマタイヤとタッグを組んでスーパーGTのGT500クラスに復活したが、ホンダNSX-GTとヨコハマタイヤのコンビネーションが初めてということもあり、当初は苦労する場面も多く見られた。しかしこのプロジェクトの初期からドライバーとして携わってきた武藤は、3位表彰台を手にしたことに満面の笑みを見せた。
「4年間ホンダとヨコハマタイヤがタッグを組んでやってきて、優勝ではないんですけど、ひとつの形になったことが良かったです。これが最終のゴールではないですけど、すごく嬉しいです。チームとヨコハマタイヤさんにすごく感謝しています」
これまでは、どちらかというと悔しい気持ちのままでサーキットを後にしなければいけない時期が続いた武藤だが、逆にこれまでの経験で積み重ねてきたデータやノウハウが、今回のレースでは大きく役に立ったという。
「いつも何か掴めそうで掴めないという状況が続いていました。予選で良い時もあったりしたんですけど、決勝で結果が出ないということがありました」
「今回うまくいったのは、チームが深くタイヤを理解していたことですね。『この気温だったら、このセットアップでいこう』とか、自分や(笹原)右京からのフィードバックがうまく良い方向に転がっていったのかなと思います」
「ようやくこうして形になったことで、これからチームや開発してくれている人の士気も上がると思うので、全て良い方向に行くんじゃないかなと感じています」
「今年はレッドブルさんがスポンサーでついて、結果が求められているのも分かっていましたし、チームの人も昨年とはちょっと違う顔をしていました。そういうのも含めて、優勝ではないけども表彰台に立てたことは非常に大きいことだなと思います」
一方、後半スティントを担当した笹原も、今回のレースを通してひとつ自信を掴んだ様子だった。いつもはアグレッシブに攻めていく走りが特徴の笹原だが、今回はしっかりと最後までタイヤを保たせる走りに徹した。
「ピットストップが20周すぎと早いタイミングで、後半スティントの40周くらいの中でちゃんとタイヤを保たせないといけませんでした。3番手で引き継いだからには、このポジションから落ちることは許されないなと思っていました」
「そういう意味ではプッシュするというよりは、いかにタイヤと会話をして、マシンと会話をして、ロスなく前に進めるかということしか考えていませんでした。チームの皆さんが決勝に向けて良いクルマを作ってくれたことと、何より前半に武藤選手があそこまでポジションを上げてくれたおかげで、ここ(3位表彰台)にいられると思っています」
そう語った笹原。実は今季序盤戦は不運などもあり、ここまで長いスティントを担当したことがなかったとのこと。さらに残り20周を切ってセーフティカーが出動するなどハプニング続出の展開となり、不安は尽きなかったという。それでも、最後は己とマシン、タイヤ、チームを信じてチェッカーまで突き進んでいったと語った。
「前後のギャップもそこまで変わらずに走れているというインフォーメーションをもらっていたんですけど、まさかSCが入るとは思っていなかったです。ギャップもなくなってしまって『まずいな、どうしよう……』と思いました。でも、自分を信じて、タイヤとクルマを信じていきました。リスタート後すぐにギャップを作っておかないと大変なことになるだろうなと思ったのですが、そこもうまくいきました」
「実は、ここまで長い距離を(レースで)走るのは初めてでした。ここ数戦はトラブルがあったりして、ちゃんと走れたことがありませんでした。今回のタイヤも(この長いスティントで)ちゃんと保つのかどうか分からない状況でしたが、ヨコハマさんもチームも皆で状況を理解して、皆で対応しました」
様々な苦労を経て掴んだ3位表彰台。その重みは加入1年目の笹原も十分に理解していた様子だった。そして武藤と同様にこの結果が、チームとヨコハマタイヤにとって後半戦に向けた起爆剤になるだろうと笹原は語った。
「TEAM MUGENとヨコハマさんとは初めての表彰台になります。それまでの苦労を考えると、今回表彰台まで来られたというのは本当に嬉しいです。今後の後押し、“ブースト”になると思います」
武藤英紀 Hideki Mutoh、笹原右京 Ukyo Sasahara(#16 RedBull MOTUL MUGEN NSX-GT)
Photo by: Masahide Kamio
Be part of Motorsport community
Join the conversationShare Or Save This Story
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
Top Comments