スーパーGT
スーパーGT&スーパーフォーミュラで2冠のTOM'S、2024年はチャンピオンナンバー『1』を使用せず。その背景をチームと坪井翔に聞く
2023年はスーパーGTで坪井翔と宮田莉朋が、スーパーフォーミュラで宮田がチャンピオンを獲得したTOM'S。2024年シーズンに向けては両カテゴリーでカーナンバー1を付ける権利があったが、それを使用しなかった理由について聞いた。
戎井健一郎
公開日時: 2023/12/24 7:48
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2023年シーズン、国内最高峰カテゴリーであるスーパーGT GT500クラスとスーパーフォーミュラでダブルタイトルを獲得したトムス。しかし彼らの意向もあり、2024年は両カテゴリー共にチャンピオンの証であるカーナンバー『1』は使用されない。
スーパーGTでは、坪井翔と宮田莉朋がドライブする36号車au TOM'S GR Supraがシーズン3勝を挙げる大活躍でタイトル獲得。スーパーフォーミュラでは宮田がリアム・ローソン、野尻智紀といった強力なライバルを抑えて初タイトルを勝ち取るなど、トムスにとって2023年シーズンはこれ以上ないシーズンになったと言える。
そんなトムスだが、先日TOYOTA GAZOO Racingによって発表された2024年の参戦体制によると、新たに坪井と山下健太のコンビで挑むスーパーGTのau TOM'S GR Supraは引き続きゼッケン36番を使用。チャンピオンの宮田が抜け、後任に坪井が加入するスーパーフォーミュラのVANTELIN TEAM TOM'Sも、坪井が36号車、笹原右京が37号車と、通常通りの車番を使用する。
トムスがチャンピオンナンバーを使用しないのはこれが初めてではない。2021年に坪井と関口雄飛のコンビでGT500を制した際も、翌2022年のauスープラは36番を使用した。これは記憶に新しいところだが、その背景にはトムスの象徴的なナンバーである“36”を大切にしたという側面と、関口がチャンピオン獲得後にTGR TEAM SARDへと移籍したことの両面があったとチームの担当者は説明する。
スーパーGTに関しては、今回もチャンピオンのひとりである宮田が海外挑戦のためにチームを離れるため、関口が他チームに移籍した2年前と状況が似ていると言える。ただトムスによると、2024年シーズンのカーナンバーを巡るチーム内の議論では、スーパーフォーミュラも含めて1番を付けるべきではないかという意見も出たという。しかしながら最終的にはドライバーの坪井の意向もあり、両カテゴリーで例年通りのカーナンバーを付けるということで決着したとのことだ。
このことについて、坪井本人にも話を聞いた。
まずスーパーフォーミュラに関しては、CERUMO・INGINGから移籍する立場な上、坪井自身がチャンピオンを獲得していないということもあり、1番の使用を固辞したという。
「特にスーパーフォーミュラに関しては、『1』で行くという話が出ていました」
「ただ、僕はセルモから移籍してくる身ですし、自分がチャンピオンを獲っていない以上、SFで『1』を付けるのは嫌だという話をしました。僕のワガママですが、その意向を汲み取っていただきました」
2023年シーズンのスーパーフォーミュラでは、笹原が36番、宮田が37番を使用していた。そして2024年は宮田の後任として坪井が加入するが、坪井が36番、笹原が37番に。スーパーGTでも坪井が36号車、笹原が37号車に所属しているが、その点も考慮されたようだ。なお、車番のスワップによって使用する車体まで入れ替わるわけではなく、坪井は2023年のチャンピオンマシンである旧宮田号、笹原は鈴鹿戦でのクラッシュを受けて新調されたシャシーで2024年シーズンを戦う。
続いて坪井は、スーパーGTでの36番使用の背景について次のように語る。
Photo by: Masahide Kamio
「GTに関しては、宮田選手が抜けて山下選手が入ることになります。(ドライバーの移籍があった)2年前に『36』にしているのに、今回はそれと同じ状況でなんで変えちゃうのかという疑問があったので、『36でいいんじゃないか』と伝えました」
「これで来年連覇して、また次の年も山下選手と組むとなったら、『1』でいいと思います。ただ“来る側”としては、そういうのをどうしても気にしてしまうこともあると思います。僕が“来る側”だったらと考えると、『1』だったら荷が重い、やりづらいと思う部分もあったりすると思います。山下選手がどう思うかは別として、そう思う可能性もあると考えれば、『36』の方が無難じゃないかということで、そういうお願いをしました」
このように、チャンピオンチームに加入するドライバーの心情をおもんぱかった提案をした坪井。もちろんチャンピオンナンバーへの憧れもあるものの、トムスのエースナンバーである36番に対する誇りもあると語った。
「『36』という数字は、トムスのエースカーの番号ということでものすごく重要な数字ですし、そこに対する誇りも持っています。もちろん『1』への憧れもありますし、『1』にしたいという気持ちもありますが、『1』にするのは体制が変わらない時までとっておきたいですね」
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