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14号車ENEOSの山下健太、Zの速さに危機感。GRスープラは「改善しないともう1、2年厳しいシーズンになるかもしれない」

14号車ENEOS X PRIME GR Supraの山下健太は、トヨタ陣営がタイトル争いの主役となるためにはGRスープラのさらなる改善が必要だと考えており、そうでなければ来季以降も苦戦することになってしまうだろうと語った。

#14 ENEOS X PRIME GR Supra

写真:: Masahide Kamio

 今季のスーパーGTも残すところ最終戦のみとなったが、ポイントランキングはトップと2番手が日産陣営。トヨタ陣営は37号車KeePer TOM'S GR Supraのサッシャ・フェネストラズと宮田莉朋、14号車ENEOS X PRIME GR Supraの大嶋和也と山下健太が首位を20点差のランキング5番手、6番手につけているが、スーパーGTは勝者に与えられるポイントが20点であり、トヨタ陣営の2組が逆転タイトルを獲得できる可能性は高いとは言えない状況だ。

 第7戦オートポリスで4位に入り、かろうじてタイトルへの望みを繋いだ山下はmotorsport.comに対し、仮にタイトルを獲得できなかったとしても、トヨタ勢最上位でシーズンを終えることは今後に向けても重要だとして、もてぎでの最終戦ではポールトゥウィンを狙っていきたいと語った。

 ただ今季から投入された日産Zと比べると、GRスープラはパフォーマンス面で改善点が多くあると山下は考えており、改善が進まないとトヨタ陣営は今後も苦しいシーズンを送ってしまうことになると危機感を口にした。

 来年に向けて、GRスープラにどんな改善を求めているかと尋ねられた山下は、「コーナーもストレートももっと速くなってほしい(笑)」と話し、さらにこう続けた。

「特にコーナリングはZの方がかなり速そうなので、その辺りを改善しないともう1、2年厳しいシーズンになってしまうのではないかと思います」

 また山下はドライバーの立場から見たZとGRスープラのパフォーマンス差について、さらに詳細に説明した。

 これまで直線スピードの速さが大きな強みであったGRスープラはシーズンオフにフロントのボディワークに改良を加えたが、山下はフロントのダウンフォースが足りないように感じられると言い、オートポリス戦で12号車カルソニック IMPUL Zとバトルをしている時も、12号車の方がストレートスピードに分があると感じたという。

「(GRスープラは)ダウンフォースが足りていない気がします。Zの方がダウンフォースが出ているように思いますし、スープラは特にフロント側が足りていないように感じます」

「オートポリスでは、フロント側のタイヤが垂れてきた時など、速度が落ちると余計にダウンフォースが落ちて厳しくなっていました。しかもダウンフォースが少ないと思われる中でトップスピードも伸びていなかったので、全体的な改善が必要だと思います」

「大きく回り込むような中低速コーナーで(12号車に)追い付かれていました。ダウンフォースの効くような高速コーナーではあまり変わらない気がしますが、低中速のコーナーは向こうの方が速い気がしました」

「それなのにストレートも(12号車の方が)速かったです。彼らは燃リス(燃料流量リストリクターの規制)が入っているのに、僕たちは1コーナーで抜かれましたし、向こうの方が速いなという感じです」

 ただそんな中でも、山下はスープラで改善されたと感じる点がある。それが燃費の面だ。昨年まではホンダ陣営が燃費の良さを活かして早めにピットインし、アンダーカットを成功させるケースが目立っていたが、「今年は改善されたと思います。去年の僕たちはミニマム(最低周回数)で入れませんでしたが、今年は入りやすくなっています」と山下は語る。

 ただ、最終戦と同じ全車ノーウエイトという状況下で行なわれた開幕戦で勝利を収めているのはGRスープラ陣営の14号車でもある。開幕戦が行なわれた岡山、最終戦の舞台であるもてぎは共にストップ&ゴーという点で似た特性のサーキットとも言えるが、最終戦でGRスープラ陣営がどんなパフォーマンスを見せるのか注目だ。

 
 
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