F1で走る週末も、GTレースに本気! “チームオーナー”フェルスタッペンはリモートでデータ分析……同僚も「やりすぎ」と制する細かさ
マックス・フェルスタッペンは、F1のレースウィーク中であっても、リモートで自身のGT3チームに積極的に関わっている。
#3 Mercedes-AMG Team Verstappen Racing, Mercedes AMG GT3 EVO: Max Verstappen, Daniel Juncadella, Jules Gounon
写真:: Red Bull Content Pool
マックス・フェルスタッペンは2024年、レッドブルからF1のレースウィーク中にシムレースに参加することを禁じられた。しかし彼はそれに代わる新たな活動を見つけた。GTレースである。
最近ではF1レース後の夜になると、フェルスタッペンの関心は何百キロも離れた場所で動いている自身のGT3チームプロジェクト──『Verstappen.com Racing』へと向けられる。
しかも、フェルスタッペンは名ばかりのお飾りオーナーではない。ニュルブルクリンク24時間レースで彼とチームを組むダニエル・ジュンカデラがmotorsport.comドイツ版の取材に応えたところによれば、フェルスタッペンはF1のレースウィーク中でさえ、データ分析に深く関与しているという。
フェルスタッペンは、GTレース界にほぼ革命的とも言える技術的アプローチを持ち込んでいる。「彼は非常に技術志向が強い。F1でやっていることを、GT3レースにも持ち込もうとしている」とジュンカデラは言う。
フェルスタッペンの支援を受けるシムレーサー、クリス・ルルハムと共にGTワールドチャレンジ・ヨーロッパに参戦しているジュンカデラは、フェルスタッペンがどのようにしてチームと繋がっているかをこう説明する。
「これこそが彼の原動力であり、今のプロとしての目的なんだ」
「彼はF1のレースウィーク中でも僕たちのデータを見て、ああしろこうしろと指示してくる。レーシングドライバーとして最高の状態でいようというモチベーションが湧いてくるから、そういう姿を見るのは素晴らしいことだ。彼が傾ける情熱のレベルを目の当たりにすると……僕も彼を満足させるために最高の走りをしないとと思わされる」
ただし、フェルスタッペンの完璧主義が行き過ぎることもあるという。ジュンカデラは「これはオーバーエンジニアリングだと思うこともある。GTカーはもっとシンプルだからね」と笑う。
「だから彼には『マックス、これはGTだよ、そこまで細かくやらなくていい』と言うこともある。でも、違う視点を持ち込んでくれるのは良いことだ。彼は腕だけじゃなく、頭もいい」
フェルスタッペンのようなドライバーが知識と情熱を注ぐことは、チームに対して精神的な後押しとなる。ジュンカデラによると、フェルスタッペンはF1マシンをドライブしている時よりも、GTチームを見ている時の方が緊張していることも多いという。
Verstappen.com Racingのプロジェクトにとって大きな山場となるのが、今週末に控えるニュルブルクリンク24時間レースだ。フェルスタッペンはジュンカデラ、ジュール・グーノン、ルーカス・アウアーと共にメルセデスAMG GT3のコクピットに乗り込む。
AMG GT3は基本的に10年前に設計された車両で、GT3車両の中でも最新鋭というわけではないが、チームは“グリーンヘル”と言われるニュルブルクリンクの北コース(ノルドシュライフェ)での24時間レースで勝利を掴める確かな手応えを見出している。ジュンカデラは、AMG GT3の信頼性と安定性を指摘する。
「このクルマは完成度が高い。最近はニュル24時間で勝てていないけど、常に上位争いにはいる。レースで『全然ダメ』みたいなことになるのを見たことがない。簡単ではないかもしれないけど、チャンスは必ずある」
またBoP(性能調整)の面でも追い風になるかもしれない。メルセデスAMG GT3は吸気リストリクター径が『34.5mm×2』に拡大された一方で、最低重量は据え置きとなっている。もちろん、最近はライバルメーカーが新世代GT3マシンを次々投入しているため、この調整は救済措置でもあるが。
フェルスタッペンの技術的関与、チーム力、そしてBoP……これらが組み合わされば、AMG GT3は今年のニュルで再び輝くかもしれない。
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