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インタビュー

小山美姫、Wシリーズで直面した“課題”とFIA F4で知った“現実”

日本人として唯一「Wシリーズ」に参戦している小山美姫は、前半戦を終えての心境を語った。

Miki Koyama

写真:: Alexander Trienitz

 今シーズンから始まった女性ドライバーのみのフォーミュラカーカテゴリー「Wシリーズ」に唯一の日本人ドライバーとして挑戦している小山美姫。日本国内のFIA F4にも継続参戦し、さらなるステップアップを目指しているが、 シーズン前半を終えて両カテゴリーとも新たな課題と現実に直面している。

 シーズンオフに行われたオーディションに見事合格し、Wシリーズ参戦の切符を掴んだ小山。開幕戦から彼女の活躍に注目が集まったが、ホッケンハイムで行われた第1戦は7位フィニッシュ。ゾルダーでの第2戦も8位に終わった。

 先日の第3戦ミサノでは自己ベストとなる4位入賞を飾ったものの、自身が目標に掲げている優勝には、まだ程遠い状況だ。

 実際にWシリーズを戦ってみた感想を、小山はこのように語った。

「速さも強さもポテンシャルも持っているし、(特に最初の2ラウンドは)勝てていたと思う部分もありました。正直『この人には絶対勝てない』と感じる人は(Wシリーズの中で)いません。ただ、自分の実力がちゃんと出しきれていない要因のひとつとして、コミュニケーションの部分があるのだと思います」

 エンジニアとは英語でやりとりになるのはもちろんなのだが、Wシリーズでは各ドライバーの担当エンジニアが毎回ランダムで変更される仕組みになっている。つまり、それぞれのレースウィークでイチからコミュニケーションをとって、マシンを仕上げていかなければならないのだ。

「毎回エンジニアが変わる中で、プラクティスが2本しかなくて、予選も25分と短い。そこでコミュニケーションが取れるかというのが重要ですし、難しい部分でもあります。日本と違ってコミュニケーションの取り方について、まだ浅はかなところがあって、そこまで(十分な意思疎通ができる状況に)持っていけていないのが現状です」

「例えば、4kmしかないコースで十数台いる状態の中でトラフィックを避けてアタックをするのは難しいです。そういう時の(細かな調整での)無線のやりとりだったりが十分にできていないところがあります」

「外国人のエンジニアとのやりとりで、さらに無線の調子が悪かったりすると、けっこう聞こえにくかったりするんですよね」

「やっぱりトップに立つためには、すべてが噛み合わなければいけません。その中で、こういった(ドライビング以外の)部分のひとつひとつが流れを悪くしているなと思います」

「本当なら、気がついたら自然と流れがきて、何をやってもうまくいくところまで持っていきたいんですが、私の場合は逆で、ほんのちょっとした部分が足りないことで、うまくいっていない部分があると思います。それが私の場合は“エンジニアさんとのコミュニケーション”です」

FIA F4で直面した“現実”「この結果を受け止めて、またイチから頑張る」

小山美姫(#USLETE Honda Racing)

小山美姫(#USLETE Honda Racing)

Photo by: Tomohiro Yoshita

 また小山は、今年も日本のFIA F4選手権に参戦している。岡山と富士で行われた序盤4戦はWシリーズとの兼ね合いで参戦できなかったが、第5戦の鈴鹿以降は基本的に全戦出られる予定とのことだ。

 今年もFIA F4に挑戦することについて、1月の東京オートサロンで「ちゃんと結果を残してステップアップしたい」と語っていた小山。さらに2019シーズンはHondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクトから参戦。開幕戦からトップ争いを繰り広げる三宅淳詞、太田格之進、佐藤蓮と同じチームということになる。

 ただ、この環境を小山はまだ活かしきれていないという。

「昨年、SRS-Fを受けましたが最終選考には残れませんでした。でも、こうして機会をいただいていることに感謝していますし、この上ないくらい良い環境にいます」

「いい走りはしたいなと思っていますが、現にこうして3台とも上位を占めていて、1台だけ遅れているのは……やっぱり悔しいです」

「でも、3人と今シーズン一緒にやってきて、彼らがずっと努力している姿を見ています。それを踏まえると、結果を見て悔しい気持ちが湧いてくる反面、『自分はまだまだなんだな』という気持ちの方が強いです。ベストは尽くしてやってきていますし、24時間(結果を出すことに)全てを注いでいるんですけど、今自分に与えられている環境を活かしきれていないなと思っています」

 鈴鹿ラウンドではチームのホームコースであることもあり第5戦、第6戦とも太田、佐藤、三宅の3人が表彰台を独占した。その一方で小山は第5戦は17位、第6戦は1周目の多重クラッシュに巻き込まれリタイヤとなった。

「鈴鹿はどちらかというと苦手意識があるコースなんです。そこでスクールに入ってたくさん走らせてもらって、色々学ばせてもらったはずなんですけど、やっぱりまだまだ足りないなと感じました。正直、みんな速いな……と思いました」

 これまでは強気な姿勢を見せることが多かった小山だが、今回の鈴鹿ラウンドでの結果を真摯に受け止め、さらにレベルアップをしていきたいと語った。

「今までは色んな種類のクルマに乗って“切り替える”ことが大事でしたが、今は“切り替える”のに加えて“速く走らせる”という領域まで持っていかないといけないと感じています」

「フォーミュラに関してこれまではF4しか乗ったことがなかったのですが、今年は(W series以外にも)アジアンF3をはじめ違うクルマに乗せてもらって、たくさん学ばせてもらっていることはあります」

「でも、それを今ひとつ活かしきれていない部分があります。正直もうちょっと(勉強の)時間が必要だなと思ったんですけど、そんなことも言っていられません。近いうちには『どんなクルマに乗っても速く走らせることができているな』と思われるようになりたいです」

 今年からWシリーズをはじめ、新たなフィールドに挑戦の場を移したことで、今までとは違う“壁”に直面している小山。しかし、最後は彼女らしい言葉が返ってきた。

「でも、私は絶対に諦めません。チャンスがあるうちに結果を残さなければ、そのチャンスは無くなってしまいます。だからチャンスがある限りは何があっても希望は捨てちゃいけないし、やり切るしかないです」

「そういう意味では鈴鹿ラウンドが、ひとつのきっかけになると思います。残りのラウンドでみんなに近い位置に行きたいですし、最終的には(彼らを)超えたいなと思います。違う壁にぶつかっている感じですね」

「今のこの結果はドライバーの差です。これを受けて止めて、またイチから頑張るだけです」

小山美姫(#USLETE Honda Racing)

小山美姫(#USLETE Honda Racing)

Photo by: Tomohiro Yoshita

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