トヨタ村田久武エンジニア「最後、ポルシェがタイヤ交換したのは驚いた」:WEC富士決勝
今季WEC初優勝を母国で達成したトヨタ。そのレーシングハイブリッド総責任者を務める村田エンジニアに話を訊いた。











2014年バーレーン以来の勝利の美酒を味わったToyota Gazoo Racing。レーシングハイブリッド総責任者(モータースポーツユニット開発部長)である村田久武に、レース後話を訊いた。
ーー今のお気持ちは?
「ああ、もうホッとしたという感じですね。ホッとしたけど、すっきりはしないです」
ーーでも計算通りだったのでは?
「そうですね。最後、ポルシェもタイヤ交換なしでくるかと思ったけど、なんで交換したんでしょうね。アウディは絶対交換すると予想していましたけど、ポルシェはしないと思っていました。なんでかな。あれには驚きました」
ーール・マンの”恩返し”では?
「全然わかりません。私だったら交換しないと思います。(ポルシェがタイヤ交換をした時に)『あ! したー!」と叫んでしまいました。よかったというか驚いたというか。まあでも(小林)可夢偉が走っていたということもあったから、タイヤ管理はしっかりしていたとお思います」
ーークルマに問題はなかったですか?
「カウルとかにはいろいろありました。タイヤカスが当たって穴が空いたりしていたけど、それくらいですかね」
ー一方の5号車のペースが今ひとつのようでしたが。
「理由はまだわからない。タイヤかな。微妙にダウンフォースが低かったかもしれない。6号車の方がダウンフォースがついていたと思います。5号車は300km/hいかないくらいのダウンフォースだったと思います。でもよくわかりません」
ーー残り2戦は勝てそうですか?
「上海は若干きついかもしれないです。バーレーンはいいですけど。申し訳ないけど、正直今一番力を入れているのは来年のル・マンです。来季のパーツが集まって着火しようという時期ですから」
ーー今回のレースを総合的に見ればどうでしたか?
「可夢偉はレース中、例えば(コーナー)エントリー時にクルマを安定させるためには何をすればいいか等、いろんなことを頻繁に質問をしてきました。エンジニアは『こうした方がいい』と指示を出す。そういったやり取りを何度もしていました。最後のスティントでは細かい調整をたくさんしていました。その可夢偉の対応には感心しましたね。(マシンの)外から色々と言われていましたが、一番冷静だったのは可夢偉です。レースの終盤、きつくなってきた時も諦めずに、冷静な可夢偉が『最後の仕事だ』と話していました。成長しましたね」
ーーこれからの小林可夢偉は変わるかもしれない。
「うん。でも一番驚いたのは、ポルシェがタイヤ交換してきたことですよ」
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この記事について
シリーズ | WEC |
イベント | 富士 |
サブイベント | Sunday Race |
ロケーション | 富士スピードウェイ |
ドライバー | 小林 可夢偉 |
チーム | Toyota Gazoo Racing |
執筆者 | 中村理紗 |