









トヨタはル・マン24時間と世界耐久選手権(WEC)に長期的に取り組む準備が整っていることを明らかにした。
TOYOTA GAZOO Racingの社長である友山茂樹は、東京モーターショーで今後WEC LMP1参戦を継続する可能性を示唆したが、最終的に決定はしていないと語った。
来シーズンより変革を遂げるWECだが、2020/21年に新しくなるレギュレーションの内容はまだ定まっていない。それでも友山社長は2020/21年シーズンに向けて新しいクルマを設計する可能性を示唆した。
「物事が落ち着けば我々も決断をすると思いますが、おそらくWECが創造する新しいLMP1クラスでレース活動を継続するでしょう」
「勝利するために我々は参戦を継続することを目指しています」
先月トヨタは、市販車の新ブランドである「GR」を発足し、WECなどのモータースポーツ活動から得た技術を用いてスポーツカーを販売すると明らかにしている。今回の東京モーターショー2017では、WECのハイブリッド技術を投入した『GR HV SPORTS concept』を発表した。
トヨタの2018/19年"スーパーシーズン"への参戦は10月中旬に公表されるとみられていたが、未だに発表はない。それは来シーズンに参入するLMP1プライベーターチームのためのレギュレーションが確定するのを待っているためだ。
レギュレーションを策定するFIAとACO(フランス西部自動車クラブ/ル・マン24時間レース運営組織)は、ル・マン24時間でハイブリッド車に対し、1ラップあたりの燃費優位性の調整を行なっている。
今シーズンのル・マン24時間でハイブリッド車を走らせたトヨタとポルシェは1度の給油で13周していたが、LMP1プライベーターのバイコレスはCLM-Nissan P1/01を走らせて11周に留まった。
一方のトヨタは2018/19年でのハイブリッドの規制変更は行われないと予想しているため、もし変更があった場合には弊害を伴う可能性がある。
TMG(Toyota Motorsport GmbH)の広報は、将来的なレギュレーションが定まるまで来シーズンの参戦可否を確定することはできないと主張した。
「トヨタは2018/19年もWECに参戦する意思を持ってるが、我々のコミットメントはレギュレーションが適切なものか確認されることに大きく左右される」
WEC代表であるジェラルド・ヌーブによると2020/21年の新しいレギュレーションは12月に行われるFIA世界モータースポーツカウンシル(WFP)にて確定するという。
「明確となっている目標は今年最後に行われるWFPの前に2020年の技術規定を確定することであり、現在懸命に取り組んでいる」
これに興味を示したマニファクチャラーたちの会合は、今月の初めに初めてパリで行われた。
詳細はほとんど明らかになっていないが、ACOのスポーティングディレクターであるヴィンセント・ボーメスニルはすでに総意が取れつつあると示唆していた。
「いまだに進行中の内容であるが、現在のところ我々と集まったマニファクチャラーたちは同じような期待を持っていると考えている」
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この記事について
シリーズ | WEC |
チーム | Toyota Gazoo Racing |
執筆者 | Gary Watkins |