WECルーキーテストにLMP2ジャッキー・チェンの新人を採用。トヨタをドライブ
11月19日に行われるWEC第3回ルーキーテストに19歳のフランス人ドライバー、トーマス・ローランが採用された。

11月19日に行われるWEC(世界耐久選手権)第3回ルーキーテストに19歳のフランス人ドライバー、トーマス・ローランが採用された。ACO(フランス西部自動車クラブ/ル・マン24時間レース運営組織)はローランの他に3名のドライバーを選定する予定である。
ローランは当日トヨタTS050HYBRIDに乗り込み、WEC最終戦の地であるバーレーン国際サーキットを最低30周走行する予定だ。
ACOが主催のこのテストは、チームとドライバーが特殊性の強い上位クラスを理解し、上位クラスにキャリアアップするためにスキルを磨くことが目的である。このテストはカートから世界耐久選手権LMP1クラスまで段階を追ってステップアップすることを可能、
若手ドライバーの運転技術を向上させ、未来のチャンピオンを養成することはACOが重要視している活動のひとつだ。これまでローランはその道筋を辿ってきており、この活動の一例となっている。
2005年にカートでデビューしたローランは、2015年ル・マン・カーティング・サーキットで行われたK2世界選手権で優勝した。その後、プロトタイプカテゴリーであるLMP3をドライブするチャンスを得たローランはアジアン・ル・マンシリーズで2位となり、さらにルーキー・オブ・ザ・イヤーに選ばれた。
2016年はLMP3車でヨーロッパ・ル・マンシリーズに参戦。その年もルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得した。そして2017年はLMP2クラスのジャッキー・チェンDCレーシングのクルーとして選ばれ、チームメイトであるホー・ピン・タンとオリバー・ジャービスと共に現在クラス首位に位置している。
これまでの功績が認められたローランは、今回LMP1クラスのテストをする権利を獲得することができた。
ACO会長であるピエール・フィロンは次のように語った。
「トーマスや今回このようなテストの機会を設けてくださったトヨタに対し非常に嬉しく思います。彼のパフォーマンスと彼の才能が認められたことで、トーマスはACOが作った若手を育成するためのシステムに則りステップアップしてきました。我々は彼の功績を参考にしたいと思っています。もちろん彼と共にテストを行う3名のドライバーについても同様です」
さらにローランは次のように語った。
「WECからの手紙が届いた時、まさかトヨタのマシンに乗れるとは想像もしていませんでした! LMP1車をドライブすることは僕の夢であり、それ以上にトヨタと共に作業することに憧れていました。このことを大変誇りに思います。さらに僕のこの夢を実現してくれたACOとピエール・フィヨン、WECとジェラルド・ヌーブ、そしてトヨタとパスカル・バセロンに感謝したいと思います。そしてジャッキー・チェンDCレーシングにも感謝したいです。彼らのアドバイスや経験、サポートのおかげでこのような結果を得ることができました」
なお、ルーキーテストに参加する残りの3名は、フォーミュラV8 3.5の結果より選定されるため、最終戦11月18日まで明かされることはない。選定されたドライバーたちはポルシェ919HYBRIDかLMP2クラスチャンピオンに輝いたチームのLMP2車、さらにLM-GTE Proクラスで年間優勝したチームのLM-GTE Rroクラスのいずれかをドライブすることになる。
【関連ニュース】
- トヨタ、来季以降のWEC参戦に前向きも「最終決定は規定次第」
- ACOから性能調整を命じられたオレカが反論「元々のアイデアと違う」
- TMG村田社長「今度はドライでポルシェと良い戦いをしたい」
- 【ル・マン24h詳報】過酷な決勝…トヨタは8号車だけ完走しクラス2位
- ジャッキー・チェン、チームのクラス優勝に「オスカーくらい嬉しい」
この記事について
シリーズ | WEC |