WEC Fuji

WECデビューに驚きの宮田莉朋、初めて尽くしのレースも「フリー走行でちゃんと走れれば戦えるはず」

ケッセル・レーシングから急きょWEC富士6時間レースに参戦することが決まった宮田莉朋。初めて尽くしの状況だが、自信もにじませた。

#57 Kessel Racing Ferrari 488 GTE EVO: Ritomo Miyata, Takeshi Kimura, Scott Huffaker

 今週末に開催されるFIA世界耐久選手権(WEC)第6戦富士6時間レースに、急きょ参戦することが決まった宮田莉朋。マシンもタイヤも、WECも初めてという状況でレースに臨むことになる。

 宮田は57号車ケッセル・レーシングからLM-GTE Amクラスに出場。マシンはフェラーリ488 GTE Evoだ。レギュラードライバーのダニエル・セラが来日できなくなり、急きょ代わりのドライバーが必要となり、白羽の矢が立ったのが宮田だった。

 このオファーは宮田にとってもサプライズだったようで、もてぎで行なわれていたスーパーGTのテスト中に知らせを受けたという。

「本当に驚きました。今週の火曜日、スーパーGTのテストでもてぎを走っているときに話があったんです」

 そう宮田はmotorsport.comの取材に語った。

「中嶋一貴さんから電話があって、CARGUYの木村(武史)さんからオファーがあったと。もちろん、僕はレーシングドライバーなので、チャンスがあればレースに出たいです。それをトヨタに伝えたら、トヨタは応援してくれました。このチャンスを与えてくれたTOYOTA GAZOO Racingと木村さんに本当にありがとうと言いたいです。本当に興奮しています」

 当然ながら宮田にとって、フェラーリのGTE車両をドライブするのはこれが初めて。スーパーGTではブリヂストン、スーパーフォーミュラではヨコハマタイヤを使っている宮田が、ミシュランのタイヤを使うのもこれが初めてだ。

「昨日、もてぎからここに来ました。スーパーGTのテストに集中しなければいけませんでしたが、昼休みにはすでに(フェラーリ488 GTEの)マニュアルをチェックし、オンボード映像などを見ていました」

「フェラーリのコックピットは見たことがありませんし、スイッチの使い方も分かりません。それにミシュランタイヤを使うのも初めてなので、使い方を学ばなくてはいけません」

 富士スピードウェイをよく知っている宮田だが、マシンやタイヤの使い方を学ばなければならない中で、金曜日が降水確率の高い予報となっているのは懸念材料だろう。

 それでも宮田は、そこできちんと走ることができれば、レースでも戦えるはずだと語った。

「富士での経験はありますが、クルマもタイヤも違います。僕が知っているのはコースだけです。それに金曜日は天気が悪そうなので、フリー走行でちゃんと走れるか心配です。でもそこでフェラーリのドライビングの仕方とタイヤの使い方を学ぶことができれば、決勝では戦えると思います」

 海外挑戦を目指している宮田。TOYOTA GAZOO Racing WECチャレンジドライバーとして、本来は今回もトヨタのWECチームに帯同する予定だった。

 来年以降は何らかの形で海外での経験を積ませることをトヨタは検討しているようだ。それもあって宮田は、今回のWEC参戦を良いチャンスだと捉えている。

「このチャンスは僕にとって、そして今後のキャリアにとってもすごくいいことだと思います」

「今のところ、ヨーロッパで何に乗れるかは分かりませんが、トヨタとはすでに話し合っています。今回はWECのレースウィークがどう進むかや、ハイパーカーとコースをシェアするやり方を学ぶことができます」

「来年GT3に乗るなら、それに気をつける必要があります。スーパーGTではいつも僕が(GT300クラスを)オーバーテイクするんですけど、来シーズンは後ろから来るマシンを気にしないといけないかもしれません。ミラーの見方も学ばないといけませんね!」

 今季スーパーGT、スーパーフォーミュラで素晴らしい戦いをしている宮田。富士にやってくる”世界”を相手にどんな走りを魅せてくれるのか、注目の存在だ。

 

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