WEC開幕戦スパでのパフォーマンス調整が発表。トヨタTS050に追い風か

スパで開催されるWECの開幕戦では、非ハイブリッドのLMP1クラス車両のパフォーマンスが、テストの時よりも厳しく設定されることとなった。

 来週末にベルギーのスパ・フランコルシャンで開幕する2018/2019シーズンのFIA世界耐久選手権(WEC)。開幕戦で採用されるEoT(Equivalency of Technology/技術的な均衡を図るための規定)が発表され、非ハイブリッド車両が1周で使用できる燃料量が大きく削減された。

 今シーズン、LMP1クラスにはハイブリッドシステムを搭載するトヨタの他、ジネッタやレベリオン、BRエンジニアリング、バイコレスといったプライベーターチームが参戦する。彼らのマシンにはハイブリッドシステムが搭載されておらず、EoT上ではトヨタに比べて1周で使用できる燃料量がかなり多く設定されていた。

 5月5日(土)に決勝が行われる今回のスパ6時間レースに向けて発表されたEoTでは、ポール・リカールで行われた”プロローグテスト”の時よりも、ハイブリッドシステム非搭載車両に対する制限が厳しくなる形となった。

 トヨタのTS050HYBRIDが1周で使用できる最大エネルギー量(使用できる燃料の量に比例)は、58.9MJから71.3MJに緩和、実に21%も使用できる燃料が増やされた計算になる。これは、スパ・フランコルシャンが1周7.004kmと長いサーキットであることも考慮されている。

 対して、非ハイブリッド車両では99.5MJから106.4MJと緩和はかなり小幅だ。スパ1周の長さを考慮するなら120MJになってもおかしくはないはずで、彼らもトヨタのドライバーたちと同様、ストレートなどで早めにアクセルを離して燃料消費を抑えるリフト&コーストを行う必要性が高まったと言える。

 とはいえ、それぞれのピークパワーは変わらない。非ハイブリッド勢の最大燃料流量は110kg/hと変わらず。トヨタは最大燃料流量80kg/hにハイブリッドパワーを加え、非ハイブリッド勢に対抗することになる。

 その他にも、非ハイブリッド勢は1スティントあたりの燃料使用量(最大燃料搭載量)も削減された。プロローグでは54.0kgの燃料を搭載することができたが、スパでは47.1kgとされている。対するトヨタの燃料搭載量は変更されておらず、35.1kgとなっている。

 燃料搭載量は少ないトヨタだが、燃費の面でル・マンのサルトサーキット1周分のアドバンテージがあると約束しており、スパに換算すれば約2周分に相当する。

 これらの変更は、FIAとACO(フランス西部自動車クラブ/FIAと共同でWECを運営)がプロローグテストで収集したデータに基づいて定められたものだ。

 プロローグのテストでは、トヨタが非ハイブリッド勢のトップだったSMPレーシングよりも4秒以上速いタイムをマーク。しかしこのタイムは、新しい冷却システムに過負荷をかけるためにEoTを無視して走行を行った時のものだとトヨタは認めている。

 EoTに準拠して走行した際にはむしろ、レベリオンやBRエンジニアリングのマシンが記録したタイムよりもTS050の方がベストタイムが遅かった。

 にもかかわらずSMPレーシングのミカエル・アレシンは、今のF1で『1チームだけV12ツインターボエンジンを使用しているようなもの』と、トヨタが持つアドバンテージについて説明していた。

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この記事について
シリーズ WEC
イベント名 スパ6時間
サーキット スパ・フランコルシャン
記事タイプ 速報ニュース