WECスパ決勝レポート:トヨタ盤石の強さで1-2。レベリオン1号車失格

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WECスパ決勝レポート:トヨタ盤石の強さで1-2。レベリオン1号車失格
執筆: 赤井邦彦
2018/05/05 22:11

WECスーパーシーズンの開幕戦スパ6時間レース決勝が行われ、TOYOTA GAZOO Racingが圧倒的強さで1-2フィニッシュを決めた。

 新生WEC(世界耐久選手権)のスーパーシーズンが幕を開け、開幕戦スパ6時間レースはTOYOTA GAZOO Racingの2台のTS050 HYBRIDが圧倒的な速さで1-2位を独占した。

 ポルシェの撤退により、LMP1クラスのハイブリッド仕様車はトヨタのみになった。これまで通りならトヨタの速さは圧倒的なものになる。しかし、トヨタも含めてのLMP1クラスの戦いを盛り上げるため、ハイブリッド非搭載車の性能向上を狙ってレギュレーションが変更され、より接近した戦いになることが期待された。

 木曜日に練習走行が始まるとトヨタと他のLMP1マシンのタイム差は大接近、レギュレーション変更が功を奏したかに見えた。ところが走行が続くとタイム差は広がり、予選ではトヨタ8号車が2番手タイム1分54秒962を記録したのに対し、ハイブリッド非搭載LMP1トップの1号車レベリオンは1分56秒425。その差は1秒5にもなった。やはりハイブリッド車の優位性が実証されたと言える。

 トヨタ7号車は8号車よりさらに好タイム(1分54秒583)を記録してポールポジションを確実にしたが、予選後の車検で燃料流量計の申請番号ミスが見つかりタイム抹消とされた。結局ポールポジションはトヨタ8号車が獲得、7号車はピットレーンから1周後れでのスタートとなった。

 レースの注目のひとつはハイブリッド非搭載LMP1マシンがどこまでTS050 HYBRIDに迫るか。もうひとつはピットレーンから1周後れでスタートするトヨタ7号車がどこまで追い上げるかということだった。

 そして、8号車でWEC初挑戦を戦うフェルナンド・アロンソにも最大の注目が集まったのは当然だった。アロンソは冬の間にテストをこなしてきたとはいえ、WEC実戦は初めて。クラスの異なるクルマが同時に走るレースは経験が無く心配されたが、そこはさすがに世界チャンピオン、たちまちマスターして好タイムを連発、レースにも期待を持たせた。

 レースは好天に恵まれアルデンヌ山中のサーキットにも大勢の観客が訪れた。レースはトヨタの2台のTS050 HYBRIDがスタートからゴールまで席巻した。序盤こそレベリオン勢の追い上げにトヨタのチーム内は騒然としたが、すぐにスピード差が証明され、その後はペースを守って走行を続けた。8号車で初めてWECを走ったアロンソだが、経験豊かなペアのセバスチャン・ブエミ、中嶋一貴に劣らぬ走りでレースを盛り上げた

 1周遅れでピットレーンからスタートした7号車は、マイク・コンウェイのドライブで序盤から猛烈な追い上げを見せ、スタート後1時間も経たないうちに20台以上を抜き去って6番手にまで順位を上げた。その後、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスにバトンタッチしてもペースは落ちず、6時間後のゴール時には8号車に1秒余りと迫った。しかし、チームメイト同士の不要なアクシデントを避けるために最後のピットストップ後は順位をキープ、1秒444の差で8号車に勝利を譲った。

 なお、レースがちょうど半分を消化した時点で、8号車の中嶋が予定外のピットストップするというシーンがあった。ピットアウトした周にスピンも喫したが、いずれも大事には至らずトップを守りきった。中嶋の前にドライブしたアロンソは、「僕が2位以下に大差を付けておいたので大丈夫」と、テレビのインタビューに答えて笑った。中嶋のこのハプニング以外にはトヨタは万全の走りで6時間レースを走りきった。

 トヨタはこれで昨年からWEC4連勝。村田久武TMG社長は、「冬の間のテストと周到な準備が功を奏した」と喜びを語った。

 レース序盤にトヨタに迫ったハイブリッド非搭載LMP1の急先鋒レベリオンも、大きなトラブルもなく2台が3-4位に入ったが、ゴール時点ではトップのトヨタから2周遅れ。ローダウンフォース仕様で直線スピードは速かったものの、コーナーの多い場所では苦労も見られた。去年までポルシェ・ワークスで走っていたアンドレ・ロッテラー、ニール・ジャニらのベテランドライバーを揃えたが、トヨタには敵わなかった。

 ただ、健闘したレベリオン勢のうち1号車には、レース後に失格の裁定が下された。1号車はレース後半に“データ送信装置”の修理に2度のピットストップを強いられたにもかかわらず、チームメイトの3号車を打ち破って3番手でチェッカーを受けていた。しかし、レース終了後遅く、スキッドブロックの厚みが1.2mm規定より薄かったという理由で失格となってしまった。この結果、3号車レベリオンが3位に上がった。

 バイコレスが4位。同クラスでは2台のSMPレーシングも俊足を誇ったが、ゴールまで1時間を残して17号車がクラッシュ、次戦からジェンソン・バトンが加入することになっている11号車が5位に入るに留まった。

 LMP2クラスはジャッキー・チェンDCレーシングの1台を押さえきったG-ドライブ・レーシングがクラス優勝。LM-GTE Proクラスは、チップ・ガナッシのフォードGTが1台を烈しいクラッシュで失いながらもクラス優勝を勝ち取った。総合でも13位。LM-GTE Amクラスはアストンマーチン98号車がトップでゴールした。

 出走34台、リタイアはわずか2台だった。レーシング中の最速タイムはTS050 HYBRIDのマイク・コンウェイが叩き出した1分57秒442。平均速度214.7km/hだった。

 次戦は6月16〜17日にフランスのサルト・サーキットで開催されるル・マン4時間レースだ。

→WEC開幕戦スパ6時間レース決勝結果

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この記事について

シリーズ WEC
イベント スパ戦
サブイベント 土曜日 決勝レース
ロケーション スパ・フランコルシャン
チーム Toyota Gazoo Racing
執筆者 赤井邦彦
記事タイプ レースレポート