アストンマーティン、ヴァルキリーLMHで6000kmを走破。来季WEC/IMSA投入に向けた取り組みを強化
アストンマーティンは、新開発のヴァルキリーLMHでのシェイクダウンを終えた後、走行テストを6日にわたって実施。来季のWEC/IMSA参戦に向けた取り組みを強化している。
アストンマーティンは来季から世界耐久選手権(WEC)ハイパーカークラスとIMSAスポーツカー選手権GTPクラスに、新開発のル・マン・ハイパーカー(LMH)ヴァルキリーAMR-LMHで参戦予定。それに先立ち、サーキットでの走行テストを続けている。
エイドリアン・ニューウェイが手掛けたヴァルキリーの市販車をベースに開発されたヴァルキリーAMR-LMHは、7月16日にシルバーストン・サーキットでのシェイクダウンを実施して以来、すでに6000km以上を走行している。
アストンマーティンはシェイクダウンの2日後に、ドニントンパークで1日テストを実施。その後さらにドニントンパークで1日、シルバーストンで2日走行し、その後スペインのアラゴン・サーキットに移動して2日間のテストが実施された。
アストンマーティンの耐久レース主任を務めるアダム・カーターは、ここまでのテスト内容に満足していると語った。
「挑戦的かつ現実的な目標を掲げてテストプログラムを組み、スケジュールをこなしている」
Autosport/motorsport.comに対して、カーター主任はそう語った。
「これまでのところ我々は6000kmを走破し、その調子には非常に満足している。長いプログラムになりそうだし、まだ序盤だ」
なおカーター主任は、シェイクダウンを含めこれまで誰がヴァルキリーAMR-LMHのステアリングをドライブしたか明らかにしなかった。
Aston Martin Valkyrie AMR-LMH
Photo by: Aston Martin
ただ7月初旬にシルバーストンのストウ・レイアウトで実施した、ボディワークを除いた状態での走行テストでは、元アストンマーティン契約ドライバーであるステファン・ミュッケが、シェイクダウンではヴァルキリーAMR-LMHの開発パートナーであるマルチマティック・モータースポーツと契約しているハリー・ティンクネルがドライブしたと考えられている。
またドニントンパークでの初テストでは、長年アストンマーティンと契約し、運営チームのハート・オブ・レーシング(HoR)のレギュラードライバーであるマリオ・ファーンバッハーが担当した。
そしてカーター主任は、アストンマーティンとHoRが、WECのGTE Proクラスでタイトルを2度獲得したニッキー・ティームとマルコ・ソーレンセン等ブランドの既存GTドライバー以外にも目を向けていることを明かした。
「最初のテスト段階を通じて、我々はアストンマーティン・レーシングのドライバーに頼ることになるだろう。他所のドライバーも何人か検討し始めている」とカーター主任は語った。
Aston Martin Valkyrie AMR-LMH
Photo by: Aston Martin
HoRのチーム代表を務めるイアン・ジェームスは、WECに投入される2台、IMSAに投入される1台に乗るドライバーは決定していないと主張。ただ、ラインアップを最終的に決定する際には「ドライバー同士の相性」が最も重要になると主張した。
「優秀なドライバーは沢山いるが、エゴを捨ててガレージでしっかりと仕事ができるドライバーを求めている」
ジェームス代表はAutosport/motorsport.comにそう語った。
「それこそ、我々が求めているドライバーであり、チームプレイヤーなのだ」
カーター主任は、ヴァルキリーAMR-LMHの初期テストが、WECのバーレーン戦やカタール戦が開催される中東で実施される可能性が高いと明かした。また、予定通り秋に2台目のテスト車両が投入されれば、開発プログラムはアメリカにも拡大されるという。
しかしカーター主任は、2023年10月にアストンマーティンがスポーツカーレース最高峰への復帰を発表した際の宣言通り、2025年1月に行なわれるIMSA開幕戦デイトナ24時間レースがデビューレースになるかどうかということについて言及しなかった。
IMSAは今年11月に公認テストを予定しており、出場チームはこのテストに参加することが義務付けられている。ただ、ヴァルキリーAMR-LMHがこのテストまでにホモロゲーションを獲得していなければいけないかどうかは「議論の余地がある」とカーター主任は説明した。
昨年12月、2024年からIMSAのGTPクラスに新規参戦したランボルギーニSC63 LMDhは、3月のセブリング12時間レースまでIMSAのグリッドにつく予定がなかったものの、ホモロゲーションを受けた状態でテストに参加していた。
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