BMW、WECハイパーカークラスでは“進歩”もまだ「ミスとペナルティが多すぎる」ル・マン前哨戦スパでは初のトップ10落ち
WECスパ戦でBMWは2台揃ってハイパーカークラストップ10入りを逃したが、投入したMハイブリッドV8は次戦ル・マンに向けて着実にペースを上げているという。
2024年シーズンから世界耐久選手権(WEC)ハイパーカークラスにLMDhマシンMハイブリッドV8を投入したBMW。開幕戦バーレーン、第2戦イモラと続けて20号車がポイント獲得を果たしたが、WECプログラムを運営するチームWRTの母国戦となる第3戦スパではペナルティもあり、2台揃ってノーポイントに終わった。
しかしBMW Mモータースポーツのアンドレアス・ルース代表は、陣営が「純粋なペース面でいくつかのステップを踏んだ」と考えている。
「5〜7位を争うペースはあった」
レース後、ルース代表はそう語った。
「我々は良いラップタイムを何度か刻めたし、見てみると我々のマシンはセクター1で最速、最終セクターで最速だった」
第3戦の舞台となったスパ・フランコルシャンの高速セクションでのBMW勢のスピードは、来月サルト・サーキットにて開催されるル・マン24時間レースに向けて重要な意味を持つ。スパのセクター1とセクター2は、WECカレンダーのどこよりも、サルト・サーキットでのペースを予測する基準となるのだ。
「最初の予選で5番手になれたところを見ると、良い結果を得るために戦えるだけのスピードはある」とルース代表は語った。
「レースに勝てるだけのペースが既にあるとは言わないが、純粋なペースに関しては、今回もいくつかステップを踏むことができた」
#20 BMW M Team WRT BMW M Hybrid V8: Sheldon Van Der Linde, Robin Frijns, Rene Rast
Photo by: Emanuele Clivati | AG Photo
「全てをまとめなければいけないのに、ミスとペナルティが多すぎたというのは間違いない」
レネ・ラスト、ロビン・フラインス、シェルドン・ファン・デル・リンデのトリオが乗る20号車は、スパ戦で序盤からふたつのペナルティを受けた。
まずラストは、レ・コームのシケインからリバージュのヘアピンにかけてLMGT3勢を追い抜いていく中、フィル・ハンソンが駆るJOTAの38号車ポルシェ963に追突。38号車はLMGT3クラスを戦う同陣営の46号車BMW M4 GT3を巻き込んでリタイアとなり、20号車にはドライブスルーペナルティが科された。
そしてフラインスは、コースを離れてLMGT3クラスのマシンを追い抜いたとして、5秒のタイムペナルティが科された。
#38 Hertz Team Jota Porsche 963: Jenson Button, Philip Hanson, Oliver Rasmussen, #46 Team WRT BMW M4 LMGT3: Ahmad Al Harthy, Valentino Rossi, Maxime Martin
Photo by: Paul Foster
ルース代表は、ラストに対する裁定に関して「レネはどこへ行くべきだったのか? どこにも行き場がなかっただろう?」と疑問を呈した。
ただ46号車がアクシデントに巻き込まれたことで、20号車が「ダブルペナルティ」を受ける羽目になったとルース代表は語った。
そして20号車の僚機15号車は、ピットボックスをオーバーシュートした際にリバースを使用したことで30秒のストップ&ゴーペナルティが科された。これにより、スパ戦では15号車が11位、20号車が13位に終わった。
BMWはWECデビュー戦となった今年の開幕戦カタールで、他車の失格もありポイントを獲得。4月の第2戦イモラでは6位に入った。
第3戦スパでは予選でラストが5番手につけ、BMW勢としては開幕3戦でのベストリザルトとなった。ただ上位10台の最終的なグリッド位置を決めるハイパーポールでは10番手に終わった。
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